魔王城偵察編1
この世界には複数の魔王が勢力を競い合っている。その中で謎と言われる魔王がいる。ビーゴ砂漠に住む魔王だ。
テッドorアライブの4人は、ビーゴ砂漠の魔王城への強行偵察を実施する事になった。
砂漠地域を空中から一気に突破して、魔王城及び周辺の情報収集。あわよくば魔王を倒すという計画である。
「どうだ。ブリーフワンの調子は?」俺は整備員に話かける。
「すこぶる順調です。魔法AIの学習能力が一段階上がりましたからね。姿勢制御スラスタによる腰痛の恐れは格段に減りました 」
「それは安心だ 」
「量産化を断念した最大の理由はそれですからね。ただ、やはり高位の冒険者で無ければ使用できる代物ではありませんが 」
「そうだな。ところでアライブの新型はブリーフタイプじゃないと聞いたんだが 」
「何でもトランクスタイプだとか言われてますけどね。あんなのは飾りですよ。お偉方はそんな事もわからんのです。フィット感が全然違いますよ 」
いや、フィット感よりも大事な物があるだろうと思っていると、メンバー3人がやって来た。
「リーダー、そろそろ時間だって。各自、装備をしてカタパルトに集合してくれって 」
「頼むぞ。ブリーフワン 」
俺はまだ起動していないブリーフワンに声を掛けるのだった……
モビーとブービーがそれぞれのカタパルトに向かうと、俺はアライブに尋ねた。
「ところで、ブービーはわかるんだが、モビーはどうするんだ?」
「なんでも、口からは火なんてとても出せないけど、尻からは出せるらしいよ」
「そんな奴いねえょ……」
「まぁ、いいんじゃない。三号機はまだ実戦投入段階じゃないみたいだし、来てくれた方が助かるよ 」
「それはそうだな 」
「じゃあ、僕達もそろそろ行こうか 」
「おう!」
俺達もそれぞれの試着室に向かった。
「テッドさん、アライブさん、モビーさん、ブービーさんの順番で発進します。スタンバイお願いします 」
女性の声の魔法放送が指示を出す。
俺は発進に備えて中腰になる。
前方の扉が開き、進路の誘導光が付く。
「進路確保確認」
「魔力充填80%」
「リミッター解除」
「ごほん。今回はシステム オールグリーンの後に一言頼む。それが今回のミッションだ。」博士が急にとんでも無い事を告げる。
「魔力充填90%」
「健闘を祈る 」博士がグッドラックの合図をだす。
「魔力充填完了 」
「システム オールグリーン!!」
「ファイヤーパンツ ブリーフワン テッド 魔王を駆逐する!!」
シュゴゴゴゴーッ!!
ドーン!!俺は飛び立った!!
「システム オールグリーン!!」
「ファイヤーパンツ2号機 アライブ 明日を切り開く!!」
シュゴゴゴゴーッ!!ドーン!!
「システム オールグリーン!!」
「テッドorアライブ モビー 尻から火が出て大発進!!」
シュゴゴゴゴーッ!!ドーン!!
「システム オールグリーン!!」
「テッドorアライブ ブービー 夕飯までには帰って来ます。」
シュゴゴゴゴーッ!! ドーン!!
俺達は出陣した。