汎用決戦兵器編2
俺とアライブは、仕事の依頼を受けて王国軍の調練場へと向かっていた。
「なぁ、アライブ。モビーとブービーは?」
「なんか急に緊急案件が入ったとかで2人で出て行ったよ 」
「なんか俺、あの2人とほとんど会ってない気がするぞ 」
「まぁまぁ、大事な時に活躍してくれるから、いいじゃない。それに今日はリーダーへの依頼だからね 」
俺達は門をくぐって調練場に入った。
すると向こうの白衣の集団の中から、白衣のガタイの良い角刈りの壮年の男がやって来た。
「協力感謝する。王国技術部の主任研究員のノーミズ博士だ 」
「テッドorアライブのリーダー、テッドです 」
「アライブです 」
俺は話を進める。
「それで、魔王軍との最終決戦兵器の開発への協力依頼と伺ったのですが 」
「服型汎用決戦兵器、これの量産化に成功すれば戦局は一変する 」
「それはどういう事なんですか? 」アライブが説明を求める。
「それを履くだけで一般兵クラスでも、君達クラスの戦闘力を手に入れる事が出来るようになるんだ 」
博士は俺達を見つめながら続ける。
「人類は数は多いが、戦闘力の高い者は少ない。魔族は数も多いし、戦闘力の高い者も多いので、どうしても、面での戦いで不利になる 」
そしてカバンの中から真っ赤なトランクスを取り出して、両手で空高く掲げた。
「服型汎用決戦兵器ファイヤーパンツ。人類の数を活かせる最終兵器だ 」
俺とアライブが唖然とした顔で呆然としていると、
「テッド君、君はトランクス派かい、それともブリーフ派かい?」と聞いてくる 」
どうする?罠っぽくはあるが、トランクスと答えるとあのパンツを履かされる流れだ。
えぇい!ままよ!!
「すみません。ブリーフ派です 」
そうすると、周りの助手達が急に騒めきはじめる。
「さすが博士だ 」
「並の眼力ではないね 」
「これでファイヤーパンツも完成だ 」
「良かった。最近はトランクス派だらけでブリーフ派がいなくてね。形状比較の為にデータが必要なんだが、履いてくれる人がいなかったんだ 」
罠だった……