プリンス オブ テッド編2
看護婦さんがテピュア様とやらを呼びに
部屋から出て行った後、半身を起こしたまま1人残されたテッドは考える。
プリンス、オブ、テッド……
テッドの使徒……
いったい……この船は何なのだろうか。
なぜ、自分の名前が勝手に使われているのか?
少しずつ再び近づいて来るバイ〜ンという音。
そしてドアが開き、金髪の凄いイケメンが入って来た。イケメンはテッドのベッドの元に近づいてひざまづく。
「お初にお目にかかりますテッド様…… 」
ひざまづき、頭を下げている金髪のイケメン。頭を下げたまま黙っている。どうすればいいんだと困惑するテッド。そこにバイ〜ンという音が響き渡る。
音の方を見るとシンバルをもった銀髪の渋いイケメンが立っていた。銀髪の男は鋭い眼光で、こちらを見ている。
なんだ?なんだ?あの銀髪は?なんでシンバルを持っているんだ?
「おもてを上げよ……と言えばいいと思うよ 」
銀髪の渋い男が口を開いた。渋い声とセリフがあっていない。
「はい? 」
「おもてを上げよ……と言えばいいと思うよ 」
なぜか嬉しそうな銀髪の男。
よくわからない状況だが、このまま黙っていても仕方がない。テッドは意を決して口を開いた。
「お、おもてを上げよ…… 」
「イエス、マイ、テッド 」
金髪の男は頭を上げて、口を開く。
「私の名はテピュア。テッド ピュアハート ラブ フォーエバーのテピュアでございます 」
「はい? 」
バイ〜ン
「くっくっく、そして俺の名はテミュジン。テッド イズ ミュージック=マイ ライフ イズ ミュージックのテミュジンだ。宜しく頼む 」
何だ?何だ?
何なんだ、こいつらは。
=って何だ。
テッドの困惑をよそに、テピュアはおもむろに立ち上がった。
「私はテッドの使徒の総帥を勤めさせて頂いております。何とぞ宜しくお願い致します 」
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って。
テッドの使徒って何?
テッド ピュアハート ラブ フォーエバーって、テッド イズ ミュージック=マイライフ イズ ミュージックって 」
「テッドの使徒とは、世界中から集められた、テッド様をお慕いする哀戦士達でございます 」
「哀戦士達……」
「テッド ピュアハート ラブ フォーエバーとは、テッド様は純情、永遠の哀戦士という事で…… 」
「テッド イズ ミュージック=マイライフ イズ ミュージックとは、テッドはまるで音楽で、俺の人生も音楽だって事だ 」
「いや、いや、いや、何で勝手に人の事を哀戦士とか、音楽とかにしてるの 」
「我々は大魔王エタール率いる大魔王軍との戦いの中で多くの大切な物を失い、希望を失ってきました。その我々に希望の光を見せてくれたのは、哀戦士テッド様だけなのです 」
ウンウンと頷いているテミュジン。
「どんな時でも決して諦めない。希望を捨てない。どんなに笑われても、馬鹿にされても、必ず立ち上がる……そんなテッド様に憧れて集いしが、テッドの使徒なのです 」
真っ直ぐな目でテッドを見つめるテピュア。
見つめられて照れるテッド。目を逸らす。
「まぁ……いいや。それで、今、どういう状況なんだ 」
「……第一陣のキュードランドが敵の攻撃を受けて撃沈。キュードラ園長ウルフン殿、ポン吉エイト、メレッド殿をはじめとしたキュードランドの多くのスタッフが生死不明です 」
「なんだって!! 」