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プリンス オブ テッド編1

「姫様、キュードランド撃沈について、後方の全部隊に魔法暗号通信したところ、総旗艦プリンス オブ テッドより返信がありました!!」


 黒衣(くろご)が返信の紙を持ち立ち上がった。


「テピュア兄様は何とおっしゃっているの 」


「キュードラ死すとも…… 」


 皆の注目が黒衣に集まる。


「キュードラ死すとも……テッドは死せず!!テッドの使徒が撤退中のパーフェクトオーダーの面々と英雄テッドを発見し、保護。

 ただ今、プリンス オブ テッドで回復中との事です 」


「『「『「おぉぉおぉ〜」』」』」

 艦橋から歓声が上がる。ホッとするグレティ姫。涙ぐむココに、ガッツポーズのアーモン。


「みんな!!聞いたわね。キュードラ死すともテッドは死せず!!まだ希望の火は消えてないわ。

 最後の最後まで戦い抜くわよ!! 」


「『「『「はっ!!!」』」』



 ・

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 ・

 ・


「ありがとうでござる、ムサイ殿。そこに降ろして欲しいでござるよ 」


 ケンマロはブレインマッスルウィザーズのムサイにつかまって飛行中であった。


「しかし……なぜ、こんな所に…… 」


「ふふふ、拙者は、また名案を思いついたでござるよ 」


「しかし……本当に良いのですか? 」


「心配ないでござる 」


「わかりました。では、ご武運を 」


 ムサイはケンマロを超巨大なニンニクの上に降ろして急いで飛び去った。ニンニクの臭いで鼻と目が大変な事になっている。



 超巨大なニンニクの上に降り立ったケンマロは、はるか下方の地上を見据えた。地上のあちこちに砕け散ったキュードランドの破片が見える。ケンマロはキュードラの笑顔を思い出した。


「キュッ、キュッ、キュ〜ッ、キュ〜ドラです!!」

「……見事なり、キュードラ…… 」


 変な動きをしてエタール殿の前に現れたキュードラ殿を、褒め称えるエタール殿。拙者には、何が見事なのか全くわからなかったでござるよ……


 しかし、最近のなんちゃってイケメン気取りよりは、昔のアホなキュードラ殿の方が拙者は好きでござった。


 キュードラ殿、お主は拙者の最大の好敵手(ライバル)でござった。必ず拙者が仇を打つでござる。


 ケンマロは足元の巨大なニンニクに剣を振り下ろしたが、傷一つ付ける事出来ずに跳ね返されてしまう。


「なんていう硬さでござるか。しかし、拙者は諦めないでござるよ。拙者の剣士としての勘が『ここ掘れ、ワン、ワン 』と言っているでござる 」


 ケンマロはニンニクに穴を掘る為に、一心不乱に剣を振り下ろし始めた。



 ・

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 ・


「ここは…… 」

 テッドは身体中の痛みを感じで目を覚ました。頭が痛いし、身体のあちこちがズキズキする。周りを見渡したテッドは、ここがどこかの病室である事に気がついた。


 ベッドから半身を起こした所で、入口のドアが開き、看護婦さんが入って来た。


「あら、目を覚ましたのですね。今、テピュア様をお呼びしますね 」


「ここは? 」


「ここは連合艦隊 総旗艦 プリンス オブ テッドですわ 」


「プ、プリンス オブ テッド? 」


「騎士王国の誇る最強の空中空母ですわ。数多のテッドの使徒を擁しております 」


「テ、テ、テ、テッドの使徒??? 」


「テッド様の為なら命を惜しまない強者を自称するテッド様ファンクラブの面々ですわ 」


「はい??? 」


「うふふ、びっくりしていますね。テピュア様達が来たら更にびっくりしますわ 」


 遠くからバイ〜ンという金属音が聞こえてくる。少しずつ近づいて来ているようだ。


「テッド様、あなたはミズガルノズの黄金の賢蛇との戦いの中で意識を失って、パーフェクトオーダーの皆様に助けられたのです 」


「そうか……それで、パーフェクトオーダーのみんなは……」


「パーフェクトオーダーの皆様も、この船で療養中ですわ 」


「良かった……それで、戦局はどうなっているんだ? 」


「私には詳しい事はわからないので……それでは、テピュア様をお呼びしますわ 」



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