キュードランド落とし編3
「ポ、ポン六さん!! 」
キュードラは倒れたポン六に駆け寄ろうとして、足が震えて動かない事に気がついた。
「ぐはぁ 」
「ぐひぃ 」
「ぐふぅ 」
「ぐへぇ 」
「ぐほぉ」
悲鳴を上げて次々と倒れていくポン吉エイト。
「こ……これは一体?…… 」
ポン吉エイトの方に顔を向けたキュードラは、身体を支える力が出せずに片膝をついた。
『超極大魔法…… 』
キュードラは遥か頭上から響く何者かの声に向けて、顔を上げる。
「ば、馬鹿な…… 」
上空に向けて顔を上げたキュードラの目に、キュードランドを遥かに上回る超巨大な魔法陣が映る。
『ガーリック オブ ミズガルノズ 』
「ぐはぁ!! 」
キュードラの口から血が溢れだした。
超巨大な魔法陣から、超巨大なニンニクが姿を顕現していく。その圧倒的な臭気がキュードラの生命力を奪っていく。
「こ、この、キュードラを倒す為だけに、これほどの魔法を……すみません…… エタール様……」
青ざめていくキュードラは、力を失い倒れ込んだ。
『キュードランド落とし…… 』
超巨大な魔法陣から現れていく超巨大なにんにく、その大きさはキュードランドを遥かに超えていた。
時はほんの少し戻る。
グレートグレティ艦橋
「グレティ姫様!!至近距離に巨大な魔力反応が」
「どこなの!! 」
「前方、天空要塞キュードランドスカイの、じょ、上空です。モニター映します!!」
艦橋のモニターに天空要塞キュードランドと、その上空に現れた巨大な魔法陣が映る。
「な、なんだと 」
「なんという大きさじゃ 」
唖然とするカシューとヘーゼル。
巨大な魔法陣から何かが現れていく。
「姫様!!きょ、きょ、きょ、巨大なニンニクが!! 」
『キュードランド落とし…… 』
魔法陣から顕現した超巨大なニンニクは落下してガンッとキュードランドに激突した。押し潰されるように地面に叩きつけられるキュードランド。濛々とした土煙が高く舞い上がり、キュードランドとニンニクの姿を隠した。
唖然とし沈黙する艦橋の面々の中で、青ざめたアーモンが片膝をついた。
「あぁ、楽しいキュードランドが…… 」
落胆するアーモンを見て、我に返ったグレティ姫が前に出た。
「各自、第一種戦闘準備!!プランCに従って行動開始!! ブレインマッスルウィザーズ救助部隊は、キュードランドの生存者の救助に向かって 」
「『「『「『「はっ 」』」』」』
「黒衣様はグレートグレティの指揮を、ココさんは『天の絆』の準備を、ブレインマッスルウィザーズ防御魔法部隊はココさんのフォローをお願い 」
「はっ!! 」
「はい!! 」
「『「『はっ!!』」』」
「私は白式で出て、ブレインマッスルウィザーズ空挺部隊と共に警戒飛行に入ります。
ケンマロ師範はワンマンアーミーとして自由に動いてチャンスを作って欲しいわ。マカダミアナッツのメンバーはココさん達を守って下さい 」
「任せるでござる 」
「『「おう!!」』」
「あの賢蛇には常識は一切通用しないわ。ここから先は常在戦場よ。常に臨戦体制で望みます。願わくば、大蛇を倒し皆で再び会える事を……解散!! 」
「『「『「『「はい!!!」』」』」」