キュードランド落とし編1
「どうぞ 」
ドアが開き、一組の男女が入ってきた。肌の異様に白い男と、金の竹槍を持った女性。
男が前に出る。
「元大魔王……今はしがない木こりのフリーチェ 」
女が前に出た。
「武器屋おすすめの店主グリンティアよ 」
「よく来てくれた。フリーチェ君、グリンティアさん。君達を待っていたんだ 」
「ちょ、ちょっと待って下さいメガネ司令。木こりと武器屋って、大丈夫なんですか 」
ちょっと焦っているエイマさん。
「フリーチェ君は最強の木こり集団のアルテミスの木こり達の一員なんだ 」
「ふふふ、どんな敵も私の頭突きで一撃です 」
「そしてグリンティアさんは、英雄テッドの最強の剣を作った人なんだ 」
「テッドさんの剣…… 」
「そうなんだ。テッド君を英雄たらしめている2つの秘密兵器。ファイヤーパンツと迅雷剣。その迅雷剣を作り上げたのがグリンティアさんなんだ 」
「ファイヤーパンツが凄い兵器なのは……わかりますわ。でも迅雷剣って…… 」
「うふふ、皆さん、大事な事がわかってないのですね。迅雷剣 雅、迅雷剣 極みX、尻から火が出て大回転 交響曲満月などを生み出したのは、迅雷剣のおかげなんですよ 」
「『え?」』
「ふふふ、迅雷剣は実は親父…… 」
「駄目だ!!グリンティアさん……それは国家機密だ 」メガネ君の大きな声が響く。
「『親父が国家機密……」』
意図せずにハモるフリーチェとエイマ。
「おほほ、おほほほほ…… 」
「テッド君の親父は……きっと国家機密だ。さぁ、ミズガルノズの黄金の賢蛇を倒しに行こう 」
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キュードランドスカイ艦橋ではウルフンとメレッドが会話をしていた。
「メレッドはん、キュードラはんはどこに行ったんや 」
「キュードラ様はポン吉エイトと甲板と言うか、外に出ております。何やら最終特訓をするとかで 」
「無駄や、無駄。ワイとシチューの最強タッグは無敵なんや。最強のポン吉マスターの座は渡せへんで」
「キュードラ様こそ、最強のポン吉マスターだと私は思います 」
「ところで姫はんはどこに行ったんや 」
「グレティ姫は、そろそろ警戒区域との事で戦艦に戻られました 」
「そうやな。そろそろ30km圏内やな。ワイもグレートグレティに戻って戦闘準備を始めるとするかいな 」
「それでは、ブレインマッスルウィザーズの移動用員をお呼びしましょうか? 」
「そこらで、自分で見つけるんで大丈夫やで 」
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飛空戦艦グレートグレティ艦橋では、グレティ姫とマカダミアナッツのメンバーがミーティングを実施していた。
「グレティ姫、作戦について最終確認をしたいのだが 」真面目な顔のカシュー。
「そうじゃな。キュードランドを賢蛇に墜落させてぶつけるのはわかるんじゃが 」
カシューの隣のヘーゼル。
「そうね。まず、そんなに上手くぶつける事が出来るのか、そして、ぶつけた事で倒せるのか 」
疑問を提示するココ。
「うむ 」
うなずくアーモン。
グレティ姫は皆を見渡して口を開く。
「賢蛇は現在大ダメージを負っているわ。そこに巨大なキュードランドをぶつける事ができれば、倒せる可能性は充分にあると思うわ。ただ…… 」
「ぶつける事が出来るかという事じゃな 」
「そうね。強力な眷属を召喚したり、強力な魔法で迎撃してくる可能性が高いわ。だから大事なのは次の手ね 」
「ウルフンがワイのシチューに任せとき、とか言っていたが……切り札って『ウヒョヒョヒョィィイ』とかじゃないよな 」
「……たぶん……違うと思うわ 」
「ワシは見たんじゃ 」
皆の注目がヘーゼルに集まった。