表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
190/196

激突編4

 避難民の救出に成功したケンマロは、妙に足の長いスケルトン達と共に避難民を連れて、街道を南下していた。


 避難民を一緒に助けてくれたのはありがたいけれど……


 ケンマロは周りのスケルトン達を見渡す。


 周りのスケルトン達が妙に足が長いせいで、拙者がえらく短足に見えるでござる......


 ケンマロは身体の半分くらいが足のスケルトン達と自分の身体を見比べる。いや、拙者が短足なのではござらん。周りが変なのでござるよ。


 そう言えば、あの金ピカのスケルトンは一体何者でござるのか……勢いで分身の術と言ったのでござるが、まさか、こんな事になるなんて。


 まぁ、結果オーライでござる。


「ウボボ〜!! 」


 後方から異常に後頭部が長くて、手の長いスケルトンが駆け寄ってくる。


「ウボボ、ウボボ、ウボボボボ〜 」


 必死に何かを伝えようとする後頭部の長いスケルトン。しかし、ウボボ、ウボボと言われてもわからないケンマロ。


 どうすれば良いのか……そうだ!!名案を思いついたでござる。


 ケンマロはゆっくりと口を開いて「ウボボ 」と声を出した。


「ウボボ、ウボボ、ウボ、ウボ、ウボボボボ〜 」

 伝わったと思ったのか、大きな身振り、手振りで更なるアピールする後頭部の長いスケルトン。


 しまった……事態が悪化したでござる。しかし、ウボボ殿も避難民を助け、ミズガルノズの賢蛇と戦う同士でござる。その熱い想いは拙者に伝わったでござるよ。


 ケンマロは親指を立てて、後頭部の長いスケルトンに賛意をしめす。


「ウボボ、ウボボ、ウボボ〜」


「はっはっは、ウボボ、ウボボ〜でござるよ 」


「ウボボ、ウボボ、ウボボ〜 」


「はっはっは、ウボ、ウボ、ウボボ〜でござる 」


 なんか愉快になってきたケンマロ。


「敵だ〜!!」

 近くの避難民が後方を見て悲鳴を上げる。振り向いたケンマロは土煙を上げて向かってくる大蛇達を見すえる。


「なっ、まさか、ウボボ殿はこの事を伝えようとしていたのでござるか…… 」


「ウボボ…… 」

 うなずくウボボ殿。


「足長スケルトンさん達は避難民を頼むでござる。それ以外の皆は拙者と一緒に敵を食い止めるでござるよ 」


「ウボボ、ウボ、ウボ〜!! 」

 勢いよく手を上げるウボボ。


「ウボボ殿、それは『エイ、エイ、オー 』でござるか 」


「ウボ 」

 うなずくウボボ。


「わかったでござる。皆の気持ちを一つにするでござる。皆さん、拙者に続くでござる 」


 皆の注目がケンマロに集まる。


「エイ、エイ…… 」


「ウボボ、ウボ、ウボ〜!! 」

 雄叫びを上げるウボボ。


「『「『「ウボボ、ウボ、ウボ〜!!」』」』」

 一斉に雄叫びを上げるスケルトン達。敵に向けて駆け出したウボボを追いかけて駆け出す。


 1人取り残されるケンマロ。


「先陣は任せたでござるウボボ殿…… 」

 ちょっと寂しそうなケンマロ。しかし気を取り直して皆の後を追って駆け出した。


「ウボ、ボボボ〜!! 」

 ウボボのパンチが巨大な大蛇の顔面に炸裂する。次々と大蛇に襲いかかるスケルトンの大群。スケルトンにまとわりつかれた大蛇達の前進が止まる。


 ワラワラと大蛇達に群らがるスケルトン。手が無い大蛇達の身体を這い()登ってゆく。大蛇達は身体を震わしたり、舌で攻撃をしようとするが上手くいかない。


 長老の大蛇は(あせ)っていた。先程は賢蛇様に対して不敬な金ピカ骸骨を追っかけていたのだが、賢蛇様から怒りの念話と共に巨大な雷が落ちてきた。もしあれが直撃していたら皆死んでいた。


「え〜い、スケルトンや雑魚どもは無視じゃ。我らの狙いは竜の子と、その仲間じゃ。こいつらは無視して突き進むのじゃ〜 」


 長老の大蛇がうろたえる大蛇達を一喝(いっかつ)する。大蛇達はまとわりつくスケルトンを無視して前進を開始した。


「ちぃ〜でござる。個々のスケルトンとは大きさが違いすぎるでござる。大蛇達に大ダメージを与えられるのは拙者と…… 」


「ウボボボボボボボ〜!! 」

 ウボボが一匹の大蛇を殴り倒す。


「ウ、ウボボ殿くらいでござるか 」


「拙者もウボボ殿に負けてられないでござるよ 」


 ケンマロは高く飛び上がると、大蛇の背を駆け上がり一匹の大蛇のコアを無限流 奥義 剣身一閃で破壊した。次でござると、隣の大蛇に飛び乗ってコアを破壊する。


「ウ、ウボ…… 」


 ウボボのうめき声が聞こえたケンマロは見た。真っ赤に燃え上がる大蛇の足元で、炎にまみれて倒れ込むウボボと、破壊された大量のスケルトンを。


 次々と大量のスケルトンが、真っ赤に燃え上がる大蛇に近づいては燃え上がり崩れていく。


「みんな!!そいつから離れるでござる!! 」

 ケンマロの指示で真っ赤に燃え上がる大蛇から離れるスケルトン達。


 拙者が止めるしかないでござる……しかし、奴の炎に近づかずに攻撃する長距離技は拙者には無いでござる……しかし……奴を止めないと……


「ワイとこいつに任せるんや!! 」


 上空から大きな声が響き渡り、ケンマロは上空を見上げた。その目に降下する巨大な生物と毛むくじゃらが映る。


「ウヒョヒョヒョヒョィィイ や!! 」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ