激突編3
ボロボロとちょっと巨大骸骨inケンマロの身体が崩れて行く。それを見て悲鳴を上げる避難民達。
「くっくっく、あーっはっはっ。賢蛇様に逆らう愚かな骸骨が崩れていくのじゃ 」
「と〜うっ!! 」
ちょっと巨大骸骨inケンマロの頭から生えていた一匹のスケルトンが頭から飛び出した。クルクルと回転し着地する。
「骨分身の術でござる!! 」
「『「『「『「と〜うっ!!」』」』」』
崩れゆくちょっと巨大骸骨inケンマロから次々とスケルトンが飛び出していく。
「なんじゃと!! 」
「『「『「『「『と〜うっ!!」』」』」』」
更に多数のスケルトンが崩れゆくちょっと巨大骸骨inケンマロから飛び出してゆく。
唖然として声を失う大蛇達。そのうちにガシャガシャガシャーンと大きな音を立ててちょっと巨大骸骨inケンマロが崩れ落ち、土煙を巻き上げた。
「皆の者、慌てるでない。骸骨の本体は崩れた。飛び出したのは少数じゃ。一匹ずつしとめる..... 」
土煙がはれると無数のスケルトンが現れて、あちこち駆け回り出した。びっくりして硬直する大蛇達。そこに光輝く黄金のスケルトンが現れた。
「拙者はミズガルノズの黄金の賢マロ。偽物の賢蛇を倒してミズガルノズの王になる者でござる 」
「なんじゃと? 」
大蛇達が一斉に賢マロの方を向く。
「頭が高い。控えるでござる 」
「くっ、なんという愚か者じゃ、え〜い、皆の者、賢マロをやってしまうのじゃ!! 」
「『「『「『承知じゃ〜」』」』」』
華麗なステップで大蛇達の攻撃をかわす賢マロ。くるりと方向転換して北へ走り出した。
「賢蛇に大蛇達はサボっていると伝えるでござる 」
首だけ振り向いて、捨て台詞をかます賢マロ。
「に、逃すな!!奴を止めるのじゃ。絶対に逃がしてはいかん 」
一斉に賢マロを追いかける大蛇達。避難民を囲んでいる大蛇と数多のスケルトンが取り残された。
「かかるでござる!! 」
数多のスケルトンの中からケンマロの声が響き、一斉にスケルトンの大群が大蛇に飛びかかる。目や鼻、身体中にスケルトンがまとわりついて嫌がる大蛇。
ケンマロは足の長いスケルトン達と共に避難民を抱えて、南の方に走り出した。