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激突編2

 ミズガルノズの賢蛇に召喚された眷属の大蛇達が地を滑るように猛スピードで前進していく。その道中の生者、死者、人族、魔族、魔物、動物関わらず、口に入れられる物は全て食していくのである。


「人間の匂いがするのじゃ 」

「人間じゃ、人間じゃ 」


 遠方に怪我をして動けなくなった避難民の一団を発見した大蛇達。スルスルと近づいて行く。


 大蛇の接近に気がついた避難民達の悲鳴が響き、誰もが死を覚悟した瞬間、奇跡が起きた。避難民の一団の上空が暗くなり、巨大な何かが大蛇達の前に飛び出したのだ。


「ジャンピング神話チョップ.....ミニ!! 」


 先頭の一頭の大蛇の頭を巨大な骸骨のチョップが炸裂する。衝撃で地面に叩き付けられた大蛇は、ピクリとも動かない。ドーンとそびえたつケンマロ。


「なんじゃ〜貴様は〜? 」


「拙者はちょっと巨大骸骨inケンマロでござる。ちょっとだけ神話の巨人と言う人もいるでござる 」


「くくく......神話を語る不届き者とはお主の事じゃな 」

「始末じゃ、始末じゃ 」

「愚かじゃ、愚かな骸骨じゃ 」


 30頭近い大蛇がいっせいに(はやし)たてる。


「愚かはお主らでござるよ。拙者はミズガルノズの大蛇の頭をかち割った神話の巨人でござる。お主達では相手にならぬでござる 」


「え〜い!!うるさいのじゃ、うるさいのじゃ!! 」

「皆でやっつけてしまうのじゃ 」


 一斉にケンマロに襲いかかる大蛇。


「神話チョップ、神話チョップ、神話キック、神話エルボー、神話頭突き!!!.....ミニ 」


 神話技の連続で大蛇達を叩きのめすケンマロ。


「神話チョップ、神話チョップ、おっと、神話ダンス、ダンス、ダンス 」

 ケンマロはくるくる回りながら、華麗なステップで大蛇達の攻撃をかわす。


「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。ちょっとだけ神話の巨人の力をなめるなでござるよ 」


「......愚かなり骸骨。貴様が戦っている間に人間共を囲んだのじゃ。動くな、動けば、人間共を食うぞ 」


 ケンマロが声の方角を見ると、避難民を囲んで大口を開けた大蛇がいる。その口からはよだれが溢れそうになっていた。


「くっ......でござる 」

 ケンマロと避難民を囲む大蛇の間には多数の大蛇がいる。ジャンピング神話チョップでも届く距離ではない。


「くくく.....さぁ、その愚かな骸骨を縛り上げるのじゃ 」


「畏まりじゃ、長老様 」


 一匹の真っ黒な大蛇がスルスルとケンマロに近づいて行く。

 そしてケンマロの足元からスルスルと巻きつきながらはい上がっていく。


「さぁ、締め付けて、締め付けて、破壊するのじゃ 」


「承知じゃ〜 」


 真っ黒な大蛇がちょっと巨大骸骨inケンマロの身体をギシギシと締め付けていく。


「ぐぉおおおぉぉ...... 」

 うめき声を上げるちょっと巨大骸骨inケンマロ。ピキッピキッときしむ音が響き渡る。


「くくく.....愚かな骸骨よ、無駄な抵抗はやめるのじゃ 」


「うぎぎぎぎぎ.....せっ、拙者は...... 」


「ほうれ、もっと締め上げるのじゃ 」


「ぎゃあぁあああああ 」


 バキバキと骨が砕ける音が響き、ケンマロの悲鳴が響き渡った。


「くひひ、あきらめろ、あきらめるのじゃ、あきらめてしまえば楽になるぞ 」


「ぐぐぐ......うぎぎぎぎ......せ...... 」


「せ? 」


「せ、拙者が...... 」


「拙者が? 」


「拙者が(あきら)めるのを、諦めるでござる!! 」


「愚かな骸骨め!!砕け散るのじゃ!!」


「承知じゃ、死ね?!!骸骨!! 」


 バキッバキバキバキッ!!!!!と大きな音を響かせて、ちょっと巨大骸骨inケンマロが砕け散った。



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