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激突編1

 ミーネの復活したパーフェクトオーダーの一行は、未だ目覚めぬテッドを連れて、騎士王国に向けて街道を南下していた。


「アンジー、大丈夫か?そろそろ代わろう 」

 テッドを背負うアンジーに声をかけるライル。


「大丈夫だ。厳しくなったら声をかける 」


「……わかった。頼む 」


「うむ 」


「り、リーダー、大変だ!! 」

 後方から駆け寄って来るパルン。パルンはちょっと巨大骸骨inケンマロと共に、テッドを抱えたアンジーと護衛のライルから少し離れた後方を警戒、警護する担当だ。


 本来、職業盗賊(シーフ)のパルンは、先頭での斥候向きだが、ちょっと巨大骸骨inケンマロの「警戒すべきは後方でござる、拙者が殿(しんがり)、最後尾を務めるでござるよ 」の提案を受けたライルが、ケンマロとの連絡役に配置したのだ。


 ちなみにちょっと巨大骸骨inケンマロとは、ミズガルノズの黄金の賢蛇の攻撃で、二回りほど小さくなった超巨大骸骨inケンマロの、新しい呼び名である。


 そして本体から少し離れた前衛には、復活したミーネと狩人のダースクを配置、ダースクの超長距離の弓矢による奇襲と、多数の敵にはミーネの広範囲爆裂魔法で敵を見つけ次第、殲滅しながら最速で前進している。


「どうしたんだ?パルン 」


「超巨大、違った。ちょっと巨大骸骨inケンマロ師範が、後方から猛スピードで接近してくる多数の巨大な魔力を持った敵の気配を察知したんだ。皆には急いで先に行ってくれって 」


「ケンマロ師範はどうするんだ 」


「時間を稼ぐって、少しでも先に行ってくれって 」


「...... 」


 黙り込むライル。心配そうにライルを見つめるアンジーとパルン。


「わかった。俺たちの役割はテッドとミーネを安全な所まで逃す事だ。ケンマロ師範が時間を稼ぐ間に少しでも先に進もう。急ごう 」



 ・

 ・

 ・


 パーフェクトオーダー一行から離れた森の中では、ボロボロな姿のフラフラな集団が、ゆっくりと南下していた。シュラオン率いるマッドマキシマムの一団である。


 シュラオンは未だ目覚めぬブービーを、モヒー・カーンが同様のモビーを背負っている。

 誰一人言葉を発せず、その足取りは重い。ゆっくりと前進する一団の上空から大きな羽音が響いて来る。


 シュラオンがゆっくりと上空を見上げると、降下してくる飛竜の一団を視界に収めた。


「ふっ.....生きておったか...... 」


「やっと見つけた。大丈夫か?シュラオン 」

 着陸した飛竜から飛び降りる3号。


「大丈夫に見えるか...... 」

 血まみれで火傷の跡があちこちに残るシュラオン。


「いや......だが、生きていてくれて良かった 」


「お互いにな。我らの売りはしぶとさだからな 」


「あぁ、ところで肩に背負っているのは、テッドorアライブの...... 」


「うむ、ブービーという竜の子だ。モビーもいる。しかし大蛇との戦いで力を使い果たしたのか未だ目覚めぬ。

 こやつらは大蛇を倒す可能性のある僅かな希望だ。3号、こやつらを連れて先に騎士王国に戻れ 」


「しかし..... 」


「我らの事は気にするな。こやつらが我らの希望。こやつらが大蛇を倒せば我らの今までは無駄にはならぬ 」


「そうだぜ、3号。マッドマキシマムの仲間も沢山死んだんだ。皆の想いを無駄にするんじゃねぇよ 」


「1号...... 」


「うむ、一刻も早く、こやつらを安全な所まで連れてゆけ 」


「わかった。飛竜は5頭だ。あと3人は連れていけるぞ 」

 怪我人だらけのシュラオン達を見渡す3号。


「ならば...... 」

 自分の足で立ち上がれなくなった重症者の一団の方を見るシュラオン。


「大丈夫です.....3号副長..... 」

 血まみれの1人の重症者が声を上げる。


「竜の子2人を連れて......早く...... 」


「うむ、怪我人は我らに任せろ。お主は竜の子を一刻も早く逃がすのだ 」


「わかった。後は頼んだシュラオン。俺たちは必ず竜の子2人を安全な所へ連れてゆく 」




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