賢蛇 討伐会議編
騎士王国城壁地帯でポン吉エイトとカシュー達を仲間に加えた賢蛇討伐共同部隊は、天空要塞キュードランド空に再び乗り込み、ミズガルノズの賢蛇に向けて発進した。
「みなさん、それでは第一回 賢蛇 討伐会議を始めます。司会は私、キュードラが務めさせて頂きます 」
キュードラが皆を見渡す。
「それでは、メレッドさん。現状の説明をお願いします 」
「イエス、マイ、キュードラ。それでは、まず現状の説明させて頂きます 」
メレッドが立ち上がった。
「まず、ミズガルノズの大蛇は、テッドorアライブ、ミーネ殿、ケンマロ殿などと交戦の末、脱皮しミズガルノズの賢蛇へと進化しました 」
「進化って、どういう事なんか 」
「ミズガルノズの大蛇は、ただ単に巨大過ぎる大蛇だったのですが、賢蛇は高い知性を持ち、強大な魔法を使いこなし、エタール様の制御が効きません。
独自の意思で動きますので、何を考えているか、全くわかりません 」
「やっかいやな 」
「ただし、現在は交戦の結果、頭部に大ダメージをおっており、眷属を召喚し、自らは体力回復の為に休んでいるように見えます 」
「今がチャンスという事だな 」
カシューが口を開く。
「はい、双方の攻撃がぶつかり合って大爆発を引き起こし、賢蛇は頭部への大ダメージ、テッド殿達も行方不明になっており、恐らくは味方に助けられて逃走中と考えられます 」
「心配です 」
「そうじゃな 」
「そこで我々はミズガルノズの賢蛇の元に向かいながら、逃走中の特記戦力と合流します 」
「特記戦力とは何なんだ 」
疑問を呈すカシュー。
「特記戦力とは、テッドorアライブ、パーフェクトオーダーのメンバー、マッドマキシマムの幹部を指します。特にテッド、アライブ、ブービー、モビー、ミーネ、ケンマロの6人は、ミズガルノズの賢蛇にダメージを与える可能性が高く、必ず救出の必要があります 」
「ミズガルノズの賢蛇の最大の問題は、巨大過ぎる体と魔力で、ダメージが与えられん事じゃからな 」
納得顔のヘーゼル。
「その通りです。我々が得た情報では、テッドorアライブのメンバーとミーネ殿、ケンマロ殿は、ミズガルノズの賢蛇にダメージを与えているとの事です 」
「あの無傷の化け物にダメージを与えるなんて、さすがやないか 」
「ふふふ、100年前とは違い、今回は奴に大ダメージを与えているのです。すなわち奴を倒す可能性は充分にある 」
キュードラは一息ついて、再び口を開く。
「しかし、奴も高度な知性を持ち、強大な魔法を使い、強力な眷属を召喚している。奴を倒すには、すでに大ダメージを受けている奴の頭部に直撃させるしかありません」
「今しか無いと言うわけですね」
「その通りです」
「それで、このキュードランドスカイを奴にぶつけるんやな」
「はい、マカダミアナッツの皆さんの前座のダンスに奴が気を取られているすきに、私が率いる吸血鬼キュードラl9《ナイン》が急襲します 」
お茶を飲み、一息つくキュードラ。
「前座の爆笑ダンスからの、キュードラ9の急襲に慌てふためく大蛇。最後にウルフンさんがこのキュードランド空を操縦してぶつけるのです 」
「ワイ......ぶつけるの? 」
青ざめるウルフン。
「冗談ですよ。自動操縦をセットします。ウルフンさん達はブレインマッスルウィザーズと共に、敵の眷属を排除して下さい 」
「わかったで。ワイらに雑魚は任せとき 」
「最後に1番大事な話をします...... 」
キュードラは皆を見渡し、最後にマカデミアナッツの面々と向き合う。えっ?という顔をするカシュー。
「この作戦の肝は、いかに最初に大蛇の注意を引くかにかかっています。八首カシュー並の爆笑ダンスをお願いしますね 」
「『「『え〜っ 』」』」
久々にマカデミアナッツの叫びが響きわたった。