ポン吉エイト編7
「メガネ君、大丈夫なのか? 」
「ココの魔法のおかげで、傷は回復したから大丈夫だよ」
「うふふ、はじめまして、メガネ君。私は大魔王軍 ミズガルノズの賢蛇 討伐総司令官のキュードラと申します 」
「王様連盟派遣 騎士王国 救援作戦 総司令官のメガネ君だ 」
キュードラとメガネ君が向かい合う。
「ミズガルノズの大蛇が脱皮し、ミズガルノズの賢蛇と進化しました。賢蛇にはエタール様のコントロールがききません。
よって、ミズガルノズの賢蛇を倒すまで、一時休戦し、一緒に賢蛇を倒して欲しいというのが、私のお願いです 」
「…… 」
「メガネ君、俺は行くべきだと思う 」
カシューが口を開く。
「避難民救出の為に多くの仲間が北上している。彼らや避難民を助けなくてはならない 」
メガネ君がカシューとキュードラを見て答える。
「それはその通りだけどね。キュードラ、一つ教えてもらっていいかな 」
「なんなりと 」
「君の願いはわかった。それでエタールの願いはどうなんだい? 」
「……私はエタール様のしもべ。エタール様のお考えはうかがい知れません 」
「だろうね。ミズガルノズの賢蛇を倒す事や、避難民や仲間を助ける事は当然だ 」
メガネ君はカシュー達の方を見る。
「しかし、一時休戦はエタールではなく、キュードラの意思だ。エタールが別働隊を使って攻めてくる可能性は否定できない 」
「そうなんか?キュードラはん 」
「……私にはエタール様のお考えをうかがい知る事は出来ません。しかし、貴方方にもエタール様のお命を狙っている部隊もあるでしょう 」
キュードラの目が厳しくなる。
「そうかもね。だから、我々もミズガルノズの賢蛇だけに全戦力を当てる事は出来ない。ただし、ミズガルノズの賢蛇を倒すのに必要な人材は出そうと思う 」
「必要な人材ですか 」
「うん。ココ、ミズガルノズの賢蛇を相手にするには、君の回復魔法や補助魔法が必須だ。ウルフン君達と一緒に行ってくれ 」
「わかりました 」
「リーダー、ヘーゼル、君達はココを守ってくれ 」
「わかった 」
「わかったわい 」
「僕とアーモン、エイマさんは、ここに残って、避難民の救出と次の段階に備える 」
「次の段階? ミズガルノズの賢蛇に我々が負けたら全ては終わりですよ 」
「大丈夫だよ。ウルフン君、これを 」
メガネ君がウルフンに青いペンダントを渡す。
「このペンダントにはノーミズ博士のチームが解析した、ミズガルノズの賢蛇を倒す切り札となる魔法が込められているんだ 」
「ノーミズ博士…… 」
エイマが心配気な表情になる。
「心配する気持ちはわかるけど、効果は確認済みだ…………必ずなんとかしてくれる……と思う 」
「まぁ、ええで。それで、このペンダントはどう使えばいいんや? 」
「必要な時に自動で発動するんだ。ウルフン君は持っていてくれるだけでいい 」
「わかったんやで 」
「メガネ君にもご一緒して頂きたかったのですが、残念ですね 」
「僕には騎士王国救援を成功させる責任もある。ご一緒する事は出来ない 」
顔色が曇るキュードラ。
「まぁ、まぁ、キュードラはん。ココはん、カシューはん、ヘーゼルはんが来てくれるなら安心やで。ワイも切り札をもらったので、心配ご無用やで 」
「……仕方ありません、予定変更です。吸血鬼キュードラ9の前座のダンスはカシューさん達にお願いしましょう 」
「『「え ??」』」
「さぁ、皆さん、ミズガルノズの賢蛇の元に着くまではダンスの特訓ですよ 」
「『「え〜!!」』」
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その頃、アライブ一行は大陸中央部の大森林にて、エルフの長ウィッテと合流していた。
彼らはエタールの居城近辺の森に潜み、ミズガルノズの賢蛇が討伐されしだい、エタールの元に奇襲を掛けるのである。