ポン吉エイト編4
白煙が晴れ、現れた八首カシュー。4〜5mの身長に8つの頭、左右4本ずつの腕に剣を持った怪物である。
「くっ!!なんて神々しい姿。まさに戦神剣鬼 八首カシュー!! 」
ニヤケながら敵を褒めるカシュー。
「いや、キモいわい!!エイマさん!!アーモン!!ニヤケてるカシューは置いといて倒しにいくぞい!! 」
「はい!! 」
「おう!! 」
「ちょ、俺も行くぞ!! 」
エイマとヘーゼルが雨嵐のように炎熱魔法を撃ち放ち、カシューとアーモンが左右から襲い掛かる。
「ふふん、八首カシューを舐めるなよ 」
4本の腕で魔法を弾き飛ばし、4本の腕でカシューとアーモンの攻撃を受け止める。
「くっ、さすが剣鬼八首カシュー。剣の使いに無駄が無い。達人の剣だ!!奴の剣に気をつけるんだ!! 」
「ウヒヒヒヒヒヒヒヒィイイ!! 」
ポン二郎っぽいカシューの目から怪光線が放たれ、アーモンの肩を貫いた。崩れ落ちるアーモン。
「え?」
「ウヒョヒョヒョヒョィィィ!! 」
ポン五郎っぽいカシューの頭から無数の毛が、ヘーゼルに放たれる。ヘーゼルは火炎魔法で燃やし尽くす。
頭の毛を失ったポン五郎っぽい首。
「ウキャキャキャキャィィイ 」
カシューは自身に放たれた、ポン三っぽい頭からの怪光線を剣で弾き飛ばした。
「くっ、何だ?何故剣で戦わない 」
「ウヒャヒャヒャヒャィィイ 」
剣鬼八首カシューの背中から真っ黒な大きな翼が生えてくる。そしてポン吉っぽいカシューの首からは大きな2本の角が生えてきた。
「悪魔じゃ!!剣鬼八首カシューは悪魔じゃ!! 」
フルフルと震えるヘーゼル。
「違う!!何かの間違いだ。剣鬼八首カシューは悪魔なんかじゃない。剣に生きる鬼なんだ 」
「目から怪光線を放つ剣士などおらんわい!! 」
「違う!!俺はさっきの攻撃を弾いて見抜いた。あれは怪光線なんかじゃない 」
「なんじゃと…… 」
「あれは目から血液を凝縮して放ったんだ。けっして怪光線なんかじゃない 」
「……そんな剣士はおらんわい!! リーダー、お主の中の悪の心が、悪魔八首カシューを生んだじゃわい 」
「違…… ん???見ろ一つだけヘーゼルっぽい顔があるぞ 」
「え?? 」
「ウリャリャリャリャィィイイイ 」
ヘーゼルっぽい顔の目から怪光線が、あごから無数のヒゲがカシューに向けて放たれる。
スッとかわすカシュー。
「悪魔の正体はヘーゼルだ!!俺の顔は同時に怪光線と毛を放つ事なんか出来ない!!悪魔の正体はヘーゼルだったんだ!! 」
「バ、バカな事を…… 」
うろたえるヘーゼル。
「ウヒャウヒャウヒャャャャィィィイ 」
カシューっぽいポン六の目から怪光線が、頭から無数の毛がヘーゼルに放たれる。
「とう!! 」
大きく横に飛んでかわすヘーゼル。すかさず立ち上がり、口を開く。
「何が俺の顔は出来ないじゃ!!出来るではないか!!
やっぱり悪魔はカシューなんじゃ!!……なぁ、エイマさん 」
「……知りません。どちらでもいいですから何とかして下さい!! 」
アーモンとココやメガネ君を守りながら戦うエイマが冷たく言い放つ。
「仕方ない!!一時休戦だ!!どっちが悪魔かは奴を倒してからだ!! 」
「わかったわい!! 」
カシューとヘーゼルが八首カシューに向かおうとした瞬間、場に影がさした。頭上を巨大な飛行物体が通過しようとしたのである。
「なんじゃ!!あれは!! 」
八首カシューは頭上の巨大な飛行物体に気がつくと、全ての顔を飛行物体に向けた。そして全ての顔が目を充血させてゆく。さらに八首カシューの周りに真っ黒な瘴気がまとわりついた。
「なんじゃ!!何をするつもりなんじゃ!! 」
目から怪光線に決まっているだろうと思うカシュー。
「ウヒウヒャウヒョヒョウヒヒウヒャウリリリリリィィィィイイイイ 」
絶叫と共に、8つの顔の16の目から黒い瘴気をまとった怪光線が放たれた。