表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
180/196

ポン吉エイト編2

 ポン吉の頭に迫る大ガエルの鋭い舌。スッとかわすポン吉。しかし、そこにあったポン二郎の頭とぶつかって弾かれてしまう。


「しまっ…… 」


 弾かれたポン吉の頭に大ガエルの舌が突き刺さるかに見えた瞬間、ポン(ぞう)の首がポン吉の首の前に出た。


「ぐふぅ 」


 ポン吉の代わりに出たポン(ぞう)の首に、大ガエルの舌が突き刺さる。


「ポ、ポンゾー!! 」


 絶叫するポン吉。


「ポ、ポンゾウ、お、おまえはオイラの事を嫌ってたんじゃ…… 」


「けっ……俺は好き嫌いでは仕事はしねぇ。ポン吉、おまえは俺たちのリーダーだ……

 これくらいの事で狼狽えてんじゃねぇ……」


 顔色が青ざめていくポン(ぞう)

 黙って頷くポン吉。その目には涙が浮かんでいる。


「みんな!!ポンゾウの仇だ!! 行くぞ!! 」


「『「『「おう!! 」』」』」


 ・

 ・

 ・

 ・


 ポン吉エイトとミズガルノズの大カエル達のバトルの合間を縫うように動く小さな影があった。勇者パーティ マカデミアナッツの面々である。


 アーモンがメガネ君を背負い城壁の下に向かう。アーモンの左右をカシューとヘーゼルが固めて、向かい来る魔族を撃退していく。


「息はある。死ぬな、死ぬなよメガネ君 」

「そうじゃ、死んではいかんぞい。ココの元に連れて行ってやるからの 」

「うむ 」


「くくく……そうはさせませんよ。貴方達は既に我々、骸骨騎士団に幾重にも包囲されているのです 」


「何!! 」


 ワラワラと現れる骸骨の騎士達。


「くくく……そこのメガネが人間達の総司令官ということはわかっています。死んでもらいますよ 」


「ヘーゼル!!あれをやるぞ!! 」

「わかったわい!! 」

 頷きあうカシューとヘーゼル。


「扇風剣 奥義 剣嵐(ソードストーム)

 前に出たカシューは剣を突き出したまま回転を始める。グングンと加速する回転。


「付与魔法 雷風(サンダーウインド)!! 」


 ヘーゼルが放った雷がカシューの剣に絡みつき、雷を纏ったカシューは骸骨騎士の大軍の中に突っ込んで行く。


「ぐへぇ 」

「うげぇ 」

「がはぁ 」


 粉々に砕けていく骸骨騎士達。次々と骸骨騎士を破壊していくカシュー。


「ば、馬鹿な!!メガネと聖女以外は雑魚のパーティと聞いていたぞ!! 」



「舐めるな!!マカデミアナッツのリーダーは俺、………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………剣鬼(けんき) カシューとは俺の事だ!! 」


 ズバンとカシューの一閃が最後の骸骨騎士に炸裂する。骸骨騎士は全て砕け散った。


「やるのうリーダー。剣鬼とは初耳じゃぞ 」

「メガネ君が元気なら、俺は愉快なリーダーで大丈夫だが……今は非常時だ。行こう!!結界内に魔族は入れない。あと少しだ 」


 骸骨騎士団を駆逐したカシュー達は城壁の入り口に入って行った。



 ・

 ・

 ・


「吾輩がポン吉エイト最強、綿貫(ワータヌキ)ポン八であーる!! 」


 ポン八の真紅のブレスが、ミズガルノズのウシガエルに炸裂する。燃え上がる巨大なウシガエルは、ゆっくりと崩れ落ちた。


「ふふん、ポン(ぞう)の仇はとったぞ 」

「ポン吉兄さん!!ポ、ポン三は生きてる 」

「え? 」

「に、兄さんの上で、タバコを吸ってる 」


「ふぃ〜、ポン吉の頭の上で吸うタバコは格別だぜ 」

 満足気に煙を吐きだすポン三。ヒゲでタバコを持っている。


「お、お前、刺されたんじゃ 」


「けっ、俺達は変身してるんだ。俺は竜の頭以外は足の指先で化けてる。足の指先にちょっとかすっただけだぜ 」


「げ、元気なのか 」

「当たり前だ 」

「だったら、頭から降りろ〜!! 」


「ポ、ポン(にぃ)

「なんだ?ポン六 」

「で、てべその変身タイマーが点滅してるんだな。そろそろ変身が解けるんだな 」

「なに!! 」


 ポン吉が首を伸ばしてお腹をみると、でべそが赤く点滅している。


「変身解除!! 」


 ポンポンと変身が解けて、ワータヌキに戻ってゆくポン吉エイト。ストンストンと地面に着地していく。


「ぎゃあぁあ、足の小指から血、血、血がぁあ 」


 着地の衝撃で足の小指から血がピッと吹き出したポン(ぞう)。グルグルと地面を這いずりまわる。

 それを生暖かい目で見つめるポン吉達であった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ