少年の日課編2
ウォレン少年は、今日も村長の家で新聞を読んでいる。
明日は王様連盟主催の、年に1度の勇者の祭典。
勇者パーティランキングや、勇者語大賞、部門別各賞等の発表があり、ここ数日は関連の記事が載る事が多い。
「とうとう明日は発表日か……」つい独り言が漏れてしまう。
僕の予想だと、新人パーティ賞も最優秀パーティ賞もテッドorアライブなんだけど、
勇者語大賞だけは、パーフェクトオーダーの、
「俺たちは常に最善を尽くす。それがパーフェクトオーダーだ。パルン、お前の最善を尽くせ 」になって欲しいと思うんだ。
城塞都市攻防戦のパーフェクトオーダーの記事を読んで久々に感動してしまったのだ。
「僕も常に最善を尽くさなくちゃいけないな 」
それに、憎っくき王国スポーツの記事を読むと、
関係者の話として、
審査員のほぼ全員が、パーフェクトオーダーの『俺たちは常に最善を尽くす 』を推薦しているのに、
一人だけ強力に、テッドorアライブの『尻から火が出て大回転 』を推して一歩も引かない審査員がいるらしいのだ。
僕はテッドorアライブの大ファンだけど『尻から火が出て大回転』なんて迷惑だ。
だいたい『尻から火が出て大回転』なんて勇者の発言じゃなくて、王国スポーツの見出しじゃないか!
誰なんだ。『尻から火が出て大回転』なんかを推している変な奴は!
なんで、そんな変な奴が審査員をやっているんだ。きっと魔王軍のスパイに違いないぞ。
いや王国スポーツのスパイがも知れない。新聞を売る為に、わざとやってるんだ。
村長がお茶と焼き芋を持ってこちらに来たので、一緒に食べながら、その話をすると、
「ウォレン、大丈夫じゃよ。正義は必ず勝つんじゃ 」と言ってくれた。
投資家の僕は知っている。正義が必ずしも勝つとは限らない事を・・・
でもね。変な奴は正義には勝てない。
「そうだね 」と村長に答えて、僕は焼き芋を頬張った。
次回は勇者の祭典が開幕します。