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テッドの使徒編11

 時は30分ほど遡る。


「姫様、このまま事態が推移すると、騎士王国は滅んでしまいます 」

 青ざめた顔の黒衣がグレティ姫の前に出る。


「黒衣さん、わかったわ。最終作戦を許可します 」

「わかりました……最終作戦開始します 」


 バタバタと艦内を動き始めるブレインマッスルウィザーズ。


「なんや、なんや?最終作戦ってなんなんや 」


「超高濃度魔石を動力炉に大量に使用し、爆発的な推進力を得ることで、グレートグレティを超高速に加速させます 」


「なんやて? 」


「更に超高速に加速したグレートグレティの超高度魔石使用カタパルトから、ブレインマッスルウィザーズ空挺部隊を打ち出します 」


「そんな、無茶や。そんなスピードに肉体が耐えられへんで 」


 キラキラのヘルメットを着用したブーマー隊長代理が前に出た。


「ウルフン殿、我々が心と身体を鍛えてきたのは、全て国家、国民を守るため。無茶は承知。それでも逃げないのが我々の誇りです 」


 キラキラのヘルメットを被った男達が頷く。


「姫様、ブレインマッスルウィザーズ空挺部隊出ます!! 」


「みんな、お願い 」


 次々とカタパルトから発射されるムキムキの魔法使い達。


「ワイのスキュポスも出るで 」

 スキュポスに乗り込もうとするウルフン。


「待って下さい、ウルフンさん 」


「どないしたんや?黒衣はん 」


「フォージュリーのデータ分析の結果が出ました。奴を倒す為に姫様とウルフンさんの力が必要なのです 」


「どういう事なの? 」


「フォージュリーの魔力が大幅に膨れ上がり、強力な防御力になって奴への攻撃が届いていないのです 」


「そうね 」


「奴に攻撃を届けるには、それを上回る強大な攻撃が必要なのです 」


 黙って頷くウルフンとグレティ。


「この船から最大出力で白式とスキュポスを打ちだします。次に最大スピードの白式からスキュポスをフォージュリーめがけて打ちだします 」


「ちょい待つんや、わいはどうやって飛び出すんや 」


「白式の主砲に掴まったスキュポスを、白式が主砲を最大パワーで回転させて前方に投げ出すのです。更にスキュポスに向けて主砲を打ち込みます 」


「なんやて!! 」


「スキュポスのボディの下部には魔法防御のコーティングがしてありますから、魔法によってすぐには破壊されません。主砲のエネルギーに乗って加速するんです 」


 ウルフンとグレティは顔を見合わせる。


「すぐにはって……どういう事なの? 」


「……恐らく1〜2分しか持ちませんが、その前にフォージュリーに届く計算です。

 フォージュリーを一撃で破壊して……スキュポスは壊れてしまうでしょう…… 」


「そんな…… ウルフンさんの大切なスキュポスが…… 」


 ウルフンは小さく首を振った。


「仕方ないんや……ワイの大事なスキュポスと言えど皆の命には変えられないんやで…… 」


「ウルフンさん…… 」


「大丈夫や……製造から一年未満やから無料で修理してもらうんや!!足を付けてパーフェクトスキュポスの爆誕やで。エンブレムも翼の生えた狼に変更させるんやで 」


「……わかったわ。ありがとうウルフンさん。黒衣さん。その作戦でいきましょう 」


 ・

 ・

 ・


 時は戻る。


 変なキラキラに溶岩を破壊されてフォージュリーは不機嫌だった。


「次から次へと不愉快な……まぁ、いいでしょう。まずは貴方達テッドの使徒の幹部を全員始末しましょう 」


「そうはさせない…… 」

 ボロボロになりながら立ち上がるテピュア。


「おやおや、死に損ないが立ち上がって何が出来るというのでしょうか 」


「テピュア!! 」


 テピュアの元に駆け寄るテミュジンとピンクとブルーのテッド。


「テッドの使徒が……いや……

 理不尽に抗う……大切な人を……大切な何かを……守ろうとする人々がいる限り……この世の悪は……許さない…… 」



「……デコピン一発で半死半生のくせに口だけは達者なようですね。たった4人で何が出来るというのですか? 」


 ・

 ・

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 ・


 グレートグレティ格納部にて


 ウルフンはスキュポスの最終チェックを進めていた。

 そこにやって来るグレティ姫。


「ウルフンさん…… 」

「どないしたんや?姫はん 」

「この剣は王家に代々伝わるオリハルコンの剣、ウルフンさんに使って欲しくて 」


 ウルフンは受け取って微笑んだ。


「ありがとな、姫はん。

 この剣で必ずフォージュリーを倒してみせるで 」


 頷くグレティ姫。


「ワイの必殺技『ウルフン ライトニング ローリング ストラッシュ 』で必ず奴を倒してみせるんやで 」


「ウルフン ライトニング…… 」


「そうや!雷のような目にも止まらぬスピードで、敵に近づいて回転斬りで決めるんや 」


 猛スピードでそんな余裕あるのかしらと思いつつ、ウルフンの誇らしげな顔に黙って頷くグレティ姫。



 ・

 ・

 ・

 ・


「4人だけじゃない!!俺もいるぞ!! 」

 エネルギーを使い痩せて美形化した黄色のテッドが帰って来た。


「おやおや誰かと思えば黄色さんですか……そうだ、貴方だけは生かしてあげても構いませんよ。貴方の能力は私にとって役に立ちますし、カレーとやらも私は好物ですからね。どうです?私の部下になりませんか

 ? 」


「断る!! 」


「『「『黄色のテッド!!」』」


「お前に食わせるカレーは無い!! 」


「さっき、食いましたよ 」


「…… 」

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