テッドの使徒編7
「カレ〜屋〜!! 」
黄色のテッドがメレッドに体当りを食らわす。勢い良く吹っ飛ぶメレッド。崖めがけて飛んで行く。
「そうはさせん!! 」
赤い影がメレッドに飛びついて、抱きついた。
「大丈夫か?メレッドさん 」
優しく受け止める赤いテッド。
「ああ……」
「心配するな。あんたは大事なうどん屋仲間だ。黄色のテッドなんて奴には渡さない 」
「な!!汚いぞ!!赤いテッド!! 」
激昂する黄色のテッド。
「いや……うどん屋も……」
「馬鹿やろう!! 」
赤いテッドの裏拳がメレッドに炸裂する。ズササっと倒れこむメレッド。
傲然とメレッドを見下ろす赤いテッド。
「馬鹿はお前だ!!馬鹿やろう!! 」
黄色のテッドのドロップキックが赤いテッドに炸裂した。
ズササっと倒れこむ赤いテッド。倒れこんだ二人を上から見下ろす黄色のテッド。
「わかった。カレーうどん屋だ。これ以上は妥協できない。俺がカレーを作ってやる。うどんにそれをかけるんだ 」
「カレーうどんだと……」
「あぁ、俺達が魔界のカレーうどん屋のフロントランナーだ。俺がカレーを、赤いテッドがうどんを作る。そして店長のメレッドさんが24時間売り続けるんだ。どうだ、悪くないだろう 」
「そうだな……悪くない…… 」
頷く赤いテッド。
「あぁ、腕がなるぜ。これでみんなハッピーだ 」
満面の笑顔の黄色のテッド。
ダダダダダッ。メレッドは逃げ出した。
キュードランド入口前
「最終奥義だ、テミュジン 」
「わかったぜ、テピュア 」
二人はフルートと金の盾を投げ捨てる。
そして、テピュアとテミュジンは尻から火を出して回転を始めた。グルングルンと加速しながら宙に浮いて行く二人。
フォージュリーは2人を凝視する。
あれは、まさかミズガルノズの大蛇に英雄テッドが放ったドラゴニック ストームか?そ、そんな大技を私に???キュードランドごと消し飛ぶぞ。
「行くぞ!!金のテッドは許さない!! 」
テピュアが両手を広げて回転しながら向かって来る。慌てて避けるフォージュリー。かわせたと思った瞬間、後ろから頰に衝撃が走った。
「銀のテッドも許さねぇ 」
回転ビンタするテミュジンの渋い声。
「なっ!! 」
態勢を崩すフォージュリー。
そして反対側からテピュアの回転ビンタが炸裂する。2人の逆回転の連続ビンタに挟まれたフォージュリー。
「『金のテッド!銀のテッド、クロスビンタ♾ファイヤー!! 」』
フォージュリーは連続ビンタを食らいながら耐え続けていた。キュードラ様に匹敵する魔力の私を舐めるなよ……ビビらせやがって……
魔界秩序管理局の長官として嘘、捏造、冤罪、洗脳で人々を断罪し、欲深い犯罪者達と組んで、正義の名の元にこの世の地獄を広げてきた。そのスーパーエリートたる私がこんな所で死ぬのは許されない!!
フォージュリーがテピュアの手を掴んで脱出しようとした時だった。
「ピンクのテッドも許さない!! 」
「ブルーのテッドも許さない!! 」
甲高い声が響いて、現れたピンクのテッドとブルーのテッド。尻から炎の矢を連射する。
「ぐえっ 」
チュドドドドンとフォージュリーの頭に突き刺さる数多のファイヤアロー。
「やっと来たか、ピンク、ブルー 」
「すみません、テミュジンさん。敵がしぶとくて 」
頭を下げるピンクとブルー。
「こいつに恨みがあるのは知っていたからな。家族の仇だろ、待ってたぜ 」
グレートグレティ艦橋
「あの悪魔、相当悪い事をしてたみたいやな 」
「そうね、魔界秩序管理局長官フォージュリー。魔族占領地において非道な犯罪システムを指揮した悪魔よ 」
「非道な犯罪システム? 」
「犯罪者と癒着して特権を与え、人族を分断支配したのよ。嘘、捏造、冤罪、洗脳で恐怖支配。特権階級は被害者を危険人物に仕立て上げ、正義の名の元に私刑し放題だったそうよ 」
「酷い話やな…… 」
「それで各地に抵抗軍が生まれたの。それが大きな流れになって…… 」
「マッドマキシマムになったんやな。アホな事言う連中かと思ってた時があったんやけど……そうでもせんとやり切れない物があったんやな 」
「シュラオンさんと少しだけお話しした事があるの…… 」
「なんやて? 」
「俺達は復讐者だ。大切なものを奪われて、奪われ続けた果てに闘いを選んだ……
だが、大切な者達との日々が、笑顔こそが俺達の守りたかったものだ 」
グレティは皆を見渡す。
「だから復讐だけに飲まれはしない。俺達は修羅だ。しかし、大切な人達と共にあった過去の自分を捨てはしない……捨てる事は出来ないって…… 」