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テッドの使徒編6

 身体が動きませんね……


 ミズガルノズの黄金の賢蛇は意識を取り戻した。


 竜の子らの凄まじい攻撃。相殺したつもりでしたが、とても相殺できるものでは無かった。この私の魔力防御を突き破るとは……頭部にかなりの損傷を受けてしまったようです。まだ朦朧としています。


 う〜ん……


 目、目が開かないですが、魔力探知でかわりは出来ます。……近辺には誰もいませんね。皆、吹き飛んでしまいましたか……しかし、2人の竜の子に、尻火ボーイ。この3人は危険すぎます。もし生きているならトドメを刺さねばなりません。


 エタールさんのリセマラも不気味ではあります。


 仕方がありません。故郷から我を神と崇める眷属達を召喚しましょう……



 ミズガルノズの黄金の賢蛇は空中に魔法陣を構築する。複雑な文様が広がり続け、重なり合い、魔力が流れて、ミズガルノズへの扉が完成した。


 すると扉が開き、扉の中からは100メートルはある蛇達がニョロニョロとあらわれる。その中の白いあご髭を生やした年老いた黒蛇が黄金の賢蛇の前に出た。


「我らが神、ミズガルノズの大蛇様でござりますか? 」


「よくわかりましたね。今は脱皮し、ミズガルノズの黄金の賢蛇と名乗っています 」


「さすがは大蛇様。その巨体で脱皮なさるとは……我らミズガルノズの蛇族は、貴方様の忠実なるしもべ(しもべ)にございます 」


「ふふふ、頼もしいですね。貴方達、一匹、一匹が、この世界ではSランク以上に匹敵するでしょう。さて早速ですがお願いがあります。私は今、竜の子らの攻撃によって大ダメージを受けております 」


「恐ろしい相手ですな。賢蛇様にさような傷を付けるとは…… 」

 白ひげの黒蛇は、まざまざと黄金の賢蛇を見る。恐ろしい事に賢蛇の頭の半分が吹き飛んでいた。


「そう、恐ろしい相手です。しかし奴らも力尽きる寸前のはず。しかし油断は出来ませんね。わかりました。私の魔力を少し貴方達にお分けしましょう。それであれば、たとえエタールさんが来たとしても問題は無いでしょう 」


「賢蛇様のお力を借りれるのであれば、何者も敵ではありません 」


「貴方達のお仕事は、この3人を殺す事。邪魔する者を皆、殺してしまって構いません 」





「なぁ、あんた。カレーとシチューなら、やっぱりカレーがいいよな 」


「いい加減にしろ!! 」

 ガンッ!!メレッドの裏拳が黄色のテッドの顔面に飛ぶ。


 顔の前で裏拳を掴む黄色のテッド。


「いい加減にするのはお前だ。人が真剣に話しているのに、それが聞く態度か? 」


 メレッドは困った顔で赤いテッドを見る。


「仕方ない…… 」

 赤いテッドが黄色のテッドの前に出た。


「彼はカレー屋は開かんと言っている。彼も困っている。黄色よ、諦めるんだ 」


「しかし…… 」


「しかしもヘチマもない。彼は俺と一緒にうどん屋を開くんだ、カレー屋なんかは開かせない 」


「え??? 」

 予想外の展開にビックリするメレッド。


「ふざけるな!!こいつは俺が先に声をかけたんだ。何であんたとうどん屋を開くんだよ 」


「緑のテッドが環境保護活動をメインにしたいって……コンビを解消したいって言ってるんだ。小さい店とは言え、俺1人で2店舗回すのは無理だ 」


 赤いテッドはメレッドを見る。


「見ろ、こいつの鍛えぬかれた肉体。24時間営業しても大丈夫だ。こいつこそが俺にとって必要な人材なんだ 」


 赤いテッドが血走った目でメレッドを見つめる。


「なぁ、あんた。24時間働けるだろう? 」





 キュードランドの入口ではテピュアとフォージュリーが戦いを繰り広げていた。


「テッドストイック!! 」


 ガンッ!!腕で防ぐフォージュリー。


「テッドスタイリッシュ!! 」


 ガンッ!!足で防ぐフォージュリー。


「テッドストイックや、テッドスタイリッシュが効かない? 」


「愚かなり人間!!今や私の魔力はキュードラ様に匹敵する。貴様ごときの攻撃など効きはせん!! 」


 フォージュリーが駆け込んでパンチを放つ。スッとよけるテピュアにフォージュリーの膝打ちが炸裂する。身体をくの字に曲げて、吹っ飛ばされるテピュア。




「テピュア、手を貸そうか? 」

 テミュジンが倒れたテピュアの横に立つ。


「大丈夫だ。テッド ピュアハート ラブ フォーエバーは負けはしない。しかし…… 」


 テピュアは立ち上がり、埃を払った。テミュジンの目を見て口を開く。


「守るべきはプライドでは無く人々だ。一刻も早く奴らを倒す。テミュジン、力を貸してくれ 」


テミュジンはニヒルに笑って頷いた。







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