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テッドの使徒編2

「あれがノーミズ博士が言っとった量産型ファイヤーパンツを履いた戦士達ちゅうんか 」


「そう、テピュアお兄様は音楽の道を諦めて、テッドの使徒を率いる道を選んだの 」


「あの格好付けてシンバルみたいな金の盾を鳴らすのは誰なんや? 」


「あの人はテミュジン先生。テッド イズ ミュージック(イコール)マイライフ イズ ミュージックのテミュジン先生よ 」


「先生なんか? 」


「宮廷楽師長でテピュアお兄様の音楽の先生だったの。ただ弟子を一人で修羅の道に向かわせる事は出来ないって 」


「なんかワイルドやで。本当に音楽の先生だったんか 」


「ファイヤーパンツを履くと決めた時に過去の自分を全て捨てたの 」


「過去の自分? 」


「そう。名前も髪型もファッションも音楽も 」


「なんやて? 」


 バイ〜ン!!


「……捨てて無い気がするで 」




 キュードランド


「おのれ!!変人集団め!!イカさん、タコさん!!合体して下さい!! 愚かな人間共に魔族の恐ろしさを見せつけましょう 」


 ファングーの声を合図にイカとタコがワラワラと重なりあってゆく。その不気味な姿に人々は声も出ない。あちこちでイカやタコの塊が人の形に近づいてゆく。


「ふふふ、5メートル級のイカ魔人が10体。タコ魔人が10体、ミックス魔人が1体。沢山いる4人組は網を抱えて動けない。2人では相手にならないでしょう 」


 ファングーはニヤリと笑った。


「さぁ、大人しくキュードランドに挑戦するのです。そうすれば許して差し上げますよ 」


 シャカシャカ……


「ん?なんですか?この音は 」


 シャカシャカシャカシャカ……


 ドン!!


 突然1体のタコ魔人が破裂して、粉々に砕けていく。


「なっ? 」


 シャカシャカ……


「えっ? 」

 戸惑うファングー。


 シャカシャカシャカシャカ……


 ドン!!


 更に1体のイカ魔人が破裂して、粉々に砕けていった。


「アソコ!! 」


 ゴーレム5号が後方を指差すと、テピュアが佇んでいる。左右の両手にはマラカスの様な物があった。


「貴様!!何をしている 」


「何をって……見ればわかるだろう? 」


「マラカス? 」


「惜しい。私はフルートとマラカスの両方がプロ級なんだ。それで武器職人にそれぞれに似たような特殊武器を作ってもらった。だからこれはマラカスでは無いんだ 」


 ニッコリ笑うテピュア。


「そんな事は聞いていません!!イカ魔人!!タコ魔人!!ミックス魔人!!囲んで一斉攻撃です 」


 テピュアを囲んだ魔人達が一斉に攻撃を開始する。


 そして盛大に燃え上がった。


「尻から火が出て大回転!! 」

 華麗なポーズを決めるテピュア。崩れゆく魔人達。


 バイ〜ン


「テッドの使徒に包囲攻撃は通用しねぇ」

 ニヤリと笑うテミュジン。


「く、くそぅ……おのれ、人間共…… 」

 フルフルと震えるファングーの肩に手が置かれた。


「フォ、フォージュリーさん…… 」


「良くやった、ファングー。必要な時間は稼げた 」


「え? 」


「愚かなる人間よ。既に都市の各地に大幹部を派遣し終わった。貴様ら2人以外では太刀打ち出来ん強者だ。貴様らが降伏しなければ皆殺しになるぞ 」




 グレートグレティ艦橋


「な、なんて、事なんや…… 」

 愕然とするウルフン。


 スクリーンが3分割され、虫を纏った奇怪な老魔族、耳の大きい悪魔。目が真っ赤な悪魔が映し出されている。


「かなりヤバそうな連中ね 」


「姫さん、そんな悠長な事言ってる場合やないで。このままやったら、戦わずして降伏や 」


「大丈夫。テッドの使徒にはまだ強者がいるから 」


「え? 」




 都市南端部


 イヤービはため息をついた。イヤービが現れた瞬間に人々が蜘蛛の子を散らすように逃げて行ったのである。あ〜面倒くさい。しかし世界中に魔法映像が流れているということは、エタール様も見ているかも知れないという事である。


 空のスクリーンから音声が流れてきた。


 バイ〜ン!!


「降伏はしねぇ 」

「あぁ、我々、人間は悪魔とは最後まで戦いぬく」


「愚かなり、人間。メレッド!!ビートゥール!!イヤービ!!人間を殲滅せよ!! 」




「とっとと、カッコ良く終わらせますか 」


 しかし……フォージュリーさん暴走している気がするけど大丈夫だろうか。キュードラ様は案外人間に優しいんだけれど。また昼寝しているのか?キュードラ様が寝ている時はフォージュリーさんがやりたい放題で面倒くさい。


 イヤービは人々が一番多く逃げている方角を見据えた。あそこだな。


 ダダダダダダダと美しいフォームで走り出すイヤービ。あっという間に100名ほどの市民の真ん中にたどり着く。


「えっ?」

「悪魔!!」

「た、助けて 」


「仕事なんで申し訳ない。死んで下さい 」


 イヤービの魔力を込めた拳が年配の女性に放たれようとした時だった。


 ビタタタタタタタタタターン!!!


 突然イヤービの真後ろに現れたピンクの覆面マスクの拳士が、回転ビンタをイヤービに食らわせる。そしてグルグルとイヤービの周りを回転しながらビンタを叩きつけ続ける。


 ふらふらになったイヤービは思いっきり弾き飛ばされた。


「この世の悪は許さない!!ピンクのテッドが許さない!! 」



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