テッドの使徒編1
グレートグレティ艦橋
「……誰やねん? 」
「テ、テピュア兄様…… 」
「『「『「え? 」』」』」
皆の視線がグレティに集まる。グレティは皆を見渡す。
「彼はテピュア、私の兄です 」
「『「『「な、な、なんやて〜 」』」』」
ウルフンにハモるブレインマッスルウィザーズ。
キュードランド
「テピュアとか言ったな愚か者め。貴様がいくら強くても人々は救えない。そこで人々が地上に落とされるのを見守るがいい 」
睨み合うファングーとテピュア。数多のタコとイカは人々を次々と捕まえて、崖の下に落としていく。動かないテピュア。
「ふふふ、どうですか?私の勝ちですね。正義のヒーローを気取った貴方は人々を助ける事が出来なかった。英雄失格です 」
下を向き目を瞑っているテピュア。
「ふふふ、目を瞑り現実逃避ですか。残念ですが目を開けて現実をご覧なさい 」
テピュアが目を開けて微笑んだ。
「すまない。耳を澄ませていた。聞こえないか?牙の魔物よ、テッドのリズムが ……」
「な??」
ファングーが耳を澄ますと、何処からか聞こえるゴゴゴゴゴの音。
「『「『この世の悪は許さない!!』」』」
尻から火を出した4人の青い鎧の戦士達が崖下から飛び出して来る。彼らは正方形の大きな網の一角を持っており、その網には落ちた人々が乗っている。
「『「『この世にテッドがいる限り 」』」』
次々と飛び出して来る尻から火を出して飛んでくる網を持った4人組。
「『「『この世の悪は許さない 」』」』
フルフルと震えるファングー。
「『「『この世にテッドがいる限り 」』」』
「ん…… 」
ファングーは何かを思い出したような顔をする。
「くくく……そうか、そうか、知らないのですね。テッドさんはミズカルノズの大蛇と戦って、既に死んだという連絡が来ておりますよ 」
ファングーはニヤリと笑う。
「なっ…… 」
「英雄テッドが…… 」
「嘘よ…… 」
「こ……この世の終わり…… 」
「は〜っ、はっはっはっは!!もはや、貴方達、人間に未来も希望もありません!! 」
青ざめた顔の人々に動揺が走る。言葉少なく静まり返って行く人々。
バイ〜ン!!バイ〜ン!!バイ〜ン!!
静まりかえる人々の中を、謎の音が響き渡った。
「何だ、何だ? 」
慌てて辺りを見渡すファングー。
「アソコ!! 」
ゴーレム5号が広場の右方の崖の上を指差した。そこには銀髪オールバックの壮年の男がいる。その両手のそれぞれには金色の盾?のような物があった。
「え〜い、次から次へと変なのが!!誰だ!!貴様は!! 」
銀髪の男はファングーの顔を見据える。そして口を開いた。
「俺の名等どうでもいい…… 俺が伝えたい事は、そんなもんじゃねえ 」
「何だと!! 」
バイ〜ン!!
「この世にテッドがいなくても…… 」
銀髪の男の低い声が響き渡る。
「『「『テッドの心を引き継いだ」』」』
崖下から4人組が飛び出して来る。
「『「『テッドの使徒がいる限り」』」』
更に飛び出す4人組。
「『「『この世の悪は許さない!! 」』」』
またまた飛び出す4人組。
バイ〜ン!!
「『「『この世にテッドがいなくても 」』」」
続けて出て来る4人組。
「『「『テッドの心を引き継いだ 」』」』
更に出て来る4人組。
グレートグレティ艦橋
次々と飛び出して来る4人組の男達を見守るブレインマッスルウィザーズ。
「何なんや?あいつらは 」
「彼らはテッドの使徒。量産型ファイヤーパンツを装備した人類の切り札よ 」
「何やて? 」
「厳しい特訓に耐え抜いた「頭は軍師で身体は戦士達」の中の最精鋭よ 」