表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
154/196

大蛇再臨10

「見ろ!!超巨大なXがもう一つあるぞ!!」

「あれは!!パーフェクトオーダーのミーネさんだ!! 」


「みんな!!急いで離れるんだ!!きっと大変な事になる。走れ、走るんだ!! 」


 リッキーは立ち止まった仲間たちに檄を飛ばす。あの感じは只事では無い。急いで離れないと……




 テッドとミーネは、大蛇の頭の左右の両側を見下ろす高い位置に陣取った。ミーネは思う。ここで私達が大蛇を止めないと、世界は終わってしまう。私の持つ力の全てを、2回の攻撃で出し尽くす。



 テッドは待っていた。ミーネがXの炎を大蛇にぶつける瞬間を。これだけの準備をした。後は悔いの無いように全力を尽くすのみ。


 ミズガルノズの大蛇は空を見上げて、両目を別々に動かして巨大なXの炎を見据えていた。本能があの炎を危険だと訴えている。一瞬たりとも目を離せない。


 大蛇、テッド、ミーネの様子を見ながら3号は自らの役割を定めた。飛竜騎兵隊(ドラグーン)で大蛇の隙を作ると。


「第1飛竜騎兵隊(ドラグーン)!!全騎雷装準備!!奴は上空の2号とミーネしか見ていない。

 2隊に分かれて下方から両目を同時に攻撃する。行くぞ!! 」


「『「『「『おう!!! 」』」』」


 2隊に分かれて、大蛇から離れて死角から急降下した飛竜騎兵隊(ドラグーン)は、地面スレスレを猛スピードで大蛇に向けて飛行する。


 3号達の動きに気がついたテッドとミーネは、小さなXの炎を一斉に大蛇の顔面に向けて放った。ボンボンと大蛇にぶつかり燃え上がるXの炎。ピット器官の熱感知を妨げる。


 鎌首を持ち上げる大蛇の胴体に沿って急上昇する飛竜騎兵隊(ドラグーン)は、炎の雨の中の降っていない両目につながる2本の道を急上昇する。


「撃て!! 」

 大蛇の両目めがけて急上昇する15騎から、雷魔法を纏った槍が至近距離で両目に向けて放たれた。


 ズガガガガガガガガーン!!!

 爆音が響き渡り、大蛇の目に衝突した槍が衝撃で砕け散る。緊急離脱する飛竜騎兵隊(ドラグーン)。猛スピードで大蛇から離れて行く。


 その直後だった。ミーネが黙って掲げていた右手を振り下ろした。


 大蛇の頭に匹敵する大きさの超巨大なXの炎が、急降下して大蛇の頭に激突する。


 ドガガガガガガガドガガガガガガガガガドガガガガガガガガガガガガドガガガガガガガガガガガガガガガドガガガガガガガガガガガガドガガガガガガガガガドガガガガガガガガガガガガガガガガガガ……


 超巨大なXの炎が大蛇の頭を覆う魔力を、回転しながら削ってゆく。テッドは大蛇を見つめながら、ゆっくりと右手を掲げた。


「異界の怪物よ……ここは貴様の世界では無い。元いた世界に帰るんだ…… 尻から火が出て大回転 XX(ダブルエックス) フィニッシュ 」


 そしてゆっくりと右手を下ろした。


 テッドの超巨大なXの炎はゆっくりと下降してミーネの超巨大なXに加わった。


 ドガガガガガガガドガガガガガガガガガドガガガガガガガガガガガガドガガガガガガガガガガガガガガガドガガガガガガガガガガガガドガガガガガガガガガドガガガガガガガガガガガガガガガガガガドガガガガガガガドガガガガガガガガガドガガガガガガガガガガガガドガガガガガガガガガガガガガガガドガガガガガガガガガガガガドガガガガガガガガガドガガガガガガガガガガガガガガガガガガ……



 鎌首を上げて超巨大なXと向き合っていた大蛇の頭が、じわじわと押されていく。


「ギャアアアアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア…… 」

 XXの炎の勢いに負けんと咆哮する大蛇。なんとか炎を押し返して膠着した。その時、ミーネは極限まで魔力を練り上げていた。


「我が全ての魔力を持って大蛇を燃やし尽くせ……紅炎(プロミネンス)


 ミーネの右手から放たれた真紅の炎は、一直線に超巨大なXの炎に衝突した。


 瞬間、膨大な熱量が膨らみ弾け飛んだ。

 近くにいたミーネも離れていたリッキー達や、飛竜騎兵隊(ドラグーン)も猛烈な衝撃に吹き飛ばされた。





 全てが吹き飛ばされた大地には、ただ巨大な大蛇のみが取り残されているかに見えた。大蛇はゆっくりと前進を再開した。しかし、その頭部には酷い火傷の跡が残っていた。両目を炎に燃やされた大蛇は、目の前の宙に何かがいるのを感知した。


 超スピードでミーネを助けてライルに預けてきたテッドである。


 テッドは片足立ちで宙に浮き、両腕をゆっくりと斜め上に上げた。


「異界の怪物よ……目は見えないか……ならば心の目で見るがいい。鳳が天に羽ばたき、そして、貴様の魂を異界に返す様を…… 」


 クイッ


 テッドは手先をクイッと曲げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ