大蛇再臨5
ウォオオオオ……
超巨大骸骨inケンマロから怪しげな音が溢れ出す。皆の注目を集める中で、遂に足が上がる。
「これが伝説の第一歩でござる 」
ガシャン……ガシャン……ガシャン……
ゆっくりと歩きだす超巨大骸骨inケンマロ。
「動いたな……」
「すげーぜ!!ケンマロ師範!! 」
「師匠、それで、これからどうなさるのですか? 」
「この超巨大骸骨inケンマロの力を持って、ミズガルノズの大蛇を倒し、その後でエタール殿を倒すでごさる。
行くでござる!!超巨大骸骨inケンマロと共に!! 」
「『「『おぉーっ!!』」』」
皆が歓喜の雄叫びを上げた時だった。
「ちょ、ちょっと待って!!ケンマロ様 」
黒龍号とミーネが現れた。
「ミーネ! ! 」
「良かった!!無事だったんだね 」
「あぁ、良かった…… 」
「どうした、ミーネ 」
ミーネは言いずらそうに、口を開いた。
「超巨大骸骨inケンマロじゃなくて……ケンマロin超巨大骸骨だと……思うわ 」
「確かに…… 」
「あぁ、それだとケンマロ師範の中に超巨大骸骨が入っているな…… 」
「でも……ケンマロin超巨大骸骨だと、なんか響きが悪いね 」
「うむ…… 」
皆の視線がケンマロに集まる。ケンマロは時が止まったかのように微動だにしない。
そして……時が動いた。
「ふふん、心配は無用でござるよ、ミーネ殿。ケンマロと云う概念は既に超巨大骸骨を超えてござる 」
「『『「『 え??? 』」』」』
パーフェクトオーダーの心が一つになった。
「拙者が超巨大骸骨の中に居るのではござらぬ。超巨大骸骨が拙者の一部なのでござる。
故に超巨大骸骨inケンマロなのでござるよ 」
パチパチパチ……
「さ、さすがケンマロ師匠。見事でござる 」
語尾がケンマロ化するライル。
「…… 」
「…… 」
「…… 」
「…… 」
「見事なのは、御主でごさるよ、ライル。
他の者達は拙者の名言に感動して、未だに硬直しているでござる。拙者の名言を聞いて、感動しつつも動く事が出来る。天晴れでござる 」
「あ、ありがたきお言葉…… 」
ハンググライダーに乗りながら頭を下げるライル。
「免許皆伝でござる。いつ如何なる時も、その平常心を保つでござるよ 」
「ははーっ!! 」
ライルはハンググライダーに乗りながら、更に深く頭を下げた。
「ところで、ミーネ殿。貴殿は凄腕の炎の魔法使いと聞いたでござる 」
「師匠、ミーネは最上級の炎熱系魔法の紅炎まで習得したんです 」
ライルの言葉に頷くミーネ。
「良きかな、良きかな。ならば、この神話の巨人、超巨大骸骨inケンマロの力を貸せば、Xの力すら操る事が出来るかも知れぬ……でござる 」
「え、Xの力…… 」
「さよう。この超巨大骸骨inケンマロの左肩に止まるが良いでござる、ミーネ殿。神話の巨人の力の一端をお見せしよう……でござる 」
「し、師匠、ご、語尾が…… 」
「うむ、神話の巨人の恐るべき力が、拙者の語尾にすら干渉してしまうとは……摂理にすら干渉する恐ろしい力だな……でござるよ 」
それは関係無いんじゃないかしらと思いつつ、神話の巨人の肩に黒龍号を止めるミーネ。
ケンマロはミーネの方を見て、声をかける、
「拙者、先ほどのテッド殿の限界突破 尻から火が出て大回転Xの一部始終を拝見して気がついたでござるよ。大切な事が忘れられておる事をな……でござる 」
「大切な事? 」
「掛け声でござる。最初にテッド殿とパンツ殿は心を一つにして『エッ〜クス!! 』と叫んだでござる。その魂の叫びで世界をXで埋め尽くしたのでござるよ 」
「おぉーっ!! 」
同意の叫びを上げるライルを、黙って見つめる4人。
「さぁ、さぁ、魂を震わせるXの雄叫びを、皆の心を一つにして奏でるでござる 」
「みんな、俺達の魂のハーモニーで、世界をXで埋め尽くすんだ!! 」
「『行くでござる、せーの!! 』」
「…… 」
「…… 」
「…… 」
「…… 」
「どうしたでござるか? 」
「どうしたんだ?みんな 」