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外伝 キュードランドの危機編 1

「ふぃ〜っ 」


 メレッドは大量のバナナの皮を捨てながら、大きくため息を吐いた。額からは汗が滴り落ちる。キュードランドのアトラクション担当として毎日、毎日、アトラクションの入れ替えに大忙しだ。


 しかし……


 昨日も、今日もお客様はゼロだ。


 それどころかお客様が入っているのを見た事が無い……


 キュードラ様が言うには、ごく僅かなお客様が有り金をはたいて楽しんでくれるビジネスモデルとの事だが……


「キュードランド、タノシイ、ユメノクニ 、マサニ、クモノス 」とはゴーレム1号のセリフだ。



「ほっ、はっ、とう〜っ 」

 ゴミ捨て場から遠くを見ると、入り口の方でビートゥール博士が両腕を空高く伸ばして、何やらウロウロしている。


 虫を纏った不審者が入り口付近でウロウロしているように見えるかも知れない。しかしメレッドが思うに、あれはキュードラナイトパレードのダンスの練習なのだ。



 キュードラ様が言うには、キュードランドはアトラクションが18時までしか開いてないので、夜間の集客が厳しい。故にキュードラナイトパレードで夜間の集客を図る経営戦略だ。


 しかし……


 夜間以前に朝も昼もお客様は来ないのだ。最近は朝、昼、晩、3時のおやつと出て来る食事はバナナばかり。

 最近、経理を兼任したイヤービさんが言うには、キュードランド(シー)の建設や、多数のタコとイカの購入に莫大な費用がかかっているらしい。

 キュードラ愛の詩の印税やグッズの販売、我々が巻き上げられたお金やアイテムなどの資産が急速に減っているらしいのだ。


 先日、キュードランド(シー)のオープンに向けて新たな人事が発表された。


 株式会社 キュードランド


 代表取締役社長 キュードラ男爵

 社外取締役役 ウルフン(財務担当)

 社外取締役 ノーミズ博士(開発担当)


 キュードランド(シー)担当取締役ゴーレム1号


 人事部長 ゴーレム2号

 社長室長 ゴーレム3号


 キュードランド(シー)おもてなし担当 イカ(課長待遇)

 キュードランド(シー)おもてなし担当 タコ(課長待遇)


 庶務課長 兼 昆虫のお世話担当課長 兼 夜間警備担当課長 兼 キュードラナイトパレードのトップダンサー ビートゥール博士


 庶務課 掃除担当 兼 経理担当係長 イヤービ

 庶務課 ガヤ担当 係長 フォージュリー

 庶務課 アトラクション担当 係長メレッド

 庶務課 洗濯担当 係長 ファングー


 我々キュードラ愛の使徒 四天王も今回の人事で係長に出世した。しかし、イカとかタコが課長待遇で中途入社して来たのが納得いかない。


 きっと人事部長のゴーレム2号の嫌がらせだ。


 ブチ切れたファングーさんが抗議に向かったのだか、大量のタコとイカに囲まれて、ビビって泣きながら帰って来た。


 ゴーレム1号は水陸両用のタコとイカを大量にスカウトして来た。奴らは一匹では大したことは無いが、数が揃うと、組体操の様に合体して巨大なタコやイカになるのだ。係長風情では敵わない。


 ダメだ……


 皆が憧れた、楽しい夢の国だったキュードランドはもうどこにも存在しない。あるのはタコとイカが支配するぼったくりの魔境だけだ……



すみません。最近、忙しくて執筆に時間が取れない状況です。更新は不定期になります。申し訳ありません。

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