城塞都市防衛戦4
城塞都市防衛戦の最終話です。ミーネ目線のお話の為に短めになっています。ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
リーダーの肩に担がれた私は、熱気と揺れでボンヤリしながら目が覚めた……
あの窮地を生き延びた……少しホッとしてしまった。
リーダーは起きた私に気がつかずに必死にかけ続けている。左の方から大きな足音がするのはアンジーだろう。巨体だから足音も大きい。
ただ普段より足音が大きいのは、ダースクを背負っているからかしら?
パルンは斥候や伝令に回る事が多いので、きっと今回もそう。
良かった。きっと、みんな生きている。本当に良かった……
でも、どうやってあの窮地から……
遠くから魔牛の悲鳴が聞こえてくる。遠くてよく見えないが、私には千里眼の魔法がある。
魔法を発動し、悲鳴の場所を見てみると、知らない男性が口から火を吐き出して魔牛と戦っていた。
あの炎は、私の極炎極龍波級ね。ただ口から吐いているように見えるのはどういう事かしら?
そんな魔法あったのかしらと見ていると、
男性の後方から、3匹の緋色魔牛が男に向かって突進して来た。
駄目!!間に合わない!!
と思った瞬間、
男は尻からも極炎を吐き出した!!!
瞬時に消し屑となる3匹の緋色魔牛。
「えーっ!!!」
思わず声が出てしまった。
リーダーやアンジーがビックリして様子を気にしてくるが、それどころではない。
男は、口と尻から極炎を吐き出しながら、回転を始めた。
グルングルン回りながら極炎を撒き散らす男に死角は無い。魔牛は悲鳴をあげながら殲滅されていく……
悪い夢だ。私はもう少し眠って休む事にした。