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外伝 キュードラ 愛の詩7

「『「『「え? 」』」』」

 皆の視線がゴーレムの顔に集まる。


「シュッダイ、キュードラ、アイノウタ。アナタハ、イヤービ、チガウ。ダカラ、オレ、1000マンGデ、ユズル、イッタ 」


 左手の『キュードラ 愛の詩 限定サイン本』を掲げるゴーレム。


「ゴーレムさん……」

 フラフラとゴーレムの『キュードラ 愛の詩 限定サイン本 』に吸い寄せられるフォージュリー。


「待って下さい!! 」

 メレッドがフォージュリーの肩に手を掛ける。


「メレッドさん……」


「問題が一緒なら、答えはイエス。丸です。限定サイン本に1千万Gの価値などありません 」


「確かに……」

「さすがメレッドさん 」

「そうだ。次は丸で行けばオッケーだ 」


「オマエタチ、ゲンテイ、サインボン、カチ、シラナイ、オレ、カナシイ……」


「ふふふ、アコギなゴーレムよ。このメレッドがいる限り、これ以上、アコギな商売は許しません 」


「モニター、オン 」


 ゴーレムはもう1体のゴーレムに向けて指を差し出した。すると、もう1体のゴーレムの腹が割れて水晶玉が出て来る。何か画像が映り出した。


「これは一体? 」


「オマエタチ、イラナイ、イッタカラ、オレ、サインボン、マホウ、ネット、オークション、シュツピン。シメキリ、アス、ショウゴ 」


「魔法ネットオークション? 」


「ソウ、ショウゴ、マデニ、イチバン、タカイ、ヒト、カウ、デキル。タダシ、5000万Gイジョウ、10プン、キープ、ソッコウ、カエル 」


「ゴーレムさん、貴方、売りたくないと言っていたのに、何故、オークションに掛けるのです? 」

 フォージュリーが一つ目で睨みつける。


「オレ、マホウAI(人工知能)トウサイ、サイシンガタ、ゴーレム。イジヒ、バクダイ 」


「何でゴーレムの維持費に金がかかるのですか?」


「サイシン、ビジネス マホウAI(人工知能)『ウルフン7(セブン)』、高機能(ハイスペック)。デモ、月額料金(サブスク)タカイ。ツキ1000マン G」ゴーレムが哀しい目をした。


「確かに高いですが、貴方、それ以上に我々から毟り取ろうとしてますよね……」


 ペコリ、とゴーレムは頭を下げてお辞儀をした。


「いやいや、謝られても困ります 」


「チガウ、オレノ、トウチョウブ、ミテ 」


「ん??? 」

 皆の視線がゴーレムの頭頂部に集まる。ゴーレムの頭頂部には小さなつまみがあった。


「何ですか?このつまみは 」


「コレ、モードセッテイ、ツマミ 」


「モード設定用のつまみですか? 」


「ソウ。イマ、ツマミ、イチバン、ミギ。スーパー、カネモウケ、モード 」


「え???」


「ツマミ、イチバン、ヒダリ、カネ、ナンテ、イラネーヨ、モード 」


「なんて極端な設定……」


「オレ、ジツハ、パーツコウカン、シュミ。ジツハ、ヒミツドウグ、イッパイ。スゴク、カネ、カカル。ダカラ、スーパー、カネモウケ、モード 」


 皆がゴーレムを見つめる。


「それでも貴方はやり過ぎです。見てごらんなさい、皆の表情を……皆、引いてますよ。

 我々が貴方に何をしました。我々は楽しいキュードランドのお客様ですよ 」


「ゴメン……」


「おぉーっ、フォージュリー様がゴーレムに謝罪させた!! 」

「さすが、局長!! 」

「そうだ!!俺達は、楽しいキュードランドのお客様だぜ!! 」


「アマッタ、カネ。カンキョウ、ホゴ、キフスル。ダカラ、ユルシテ……」


「駄目です!!貴方、ゴキブリとかの保護に寄付する気でしょう!!さっきのビートゥールさんへの態度、明らかに変でしたよ 」


 ウンウンと頷くビートゥール。


「ゴメン……」


 メレッドが水晶玉を覗き込む。

「ふふふ、出品者 キュードランド ゴーレム1号、貴方の事ですね。出品価格1千万G。現在価格1千万G……誰も買おうとしてませんね 」


「ん? 」


 現在価格が2千万Gに跳ね上がる。モニターには参加者 ウルフン商会、入札価格2千万Gの表示。


「愚かなり、ウルフン商会。価格をつり上げて我々に売り付けるつもりでしょう。しかし、限定サイン本に価値などありません。なぜなら、この私、メレッドが謎を全て解いたからです 」


 ウンウンと頷く局員達。


「さすがメレッドさん。こんなオークションは無視です。それでは次の方、行って下さい 」


「はっ、次は私が……」

 巨大な牙を持つ魔族が前に出る。


「ファングーさんですか。去年の最多勝のタイトルホルダーの貴方なら、任せて安心ですね 」


「お任せ下さい。必ずやキュードラを連れ戻して、ちょいエロシーンを増やさせてみせます 」


 ちょっと違うけど、まぁ丸を選ぶから良いだろう。ファングーと握手するフォージュリー。そしてファングーを皆で見送った。


 ・

 ・

 ・

 ・

「フォージュリー様、ついに10問目に到達しましたね。そして問題も前回と全く同じ 」


「ふふふ、ならば答えはイエス、丸です。遂に全てのステージをクリアする時が来ましたね。

 キュードラは大魔王様に近づくほど強くなる眷属ですから、これほど離れてしまえば、我々の敵ではありません 」


「第10問、最後の問題です。キュードラ 愛の詩より出題。貴方はちょいエロシーンを増やしたい 」


「ふふふ、ふふふふふ。この時を待っていた。答えはイエス!!丸だ!! 」


 猛然と丸の幕に飛び込んで行くファングー。



 バサッ!!


 幕を破り、板を踏みしめる……あれ、板が無い。


「『「『「え???」』」』」


 ひゅ〜〜〜ん


 ガシャーン!!


 BAD END


 〜残念〜の文字が浮かび上がり、暗くなって消えた。


「ゴ、ゴーレムさん、あなた、私達を騙しましたね 」フルフルと震えるフォージュリー。


「チガウ、オレ、ウソ、イッテナイ。3カイ、チリョク、タメサレル。コレ、キュードランド、サイダイ、サイゴノ、ナゾ 」


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