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天の絆編2

「2枚交換で 」


 ディーラー役が2枚のカードを指で弾き、エイマの前にカードが滑って来た。


 一枚をゆっくり捲る。

 ファイヤーパンツを天高く掲げる男、ダイヤのノーミズ博士だ。


 エイマの顔が引きつる。


「大丈夫ですか、エイマ様 」

 ココが心配そうに聞いて来た。


「ええ……だ、大丈夫です 」

 大丈夫では無いけど、大丈夫だと答えるエイマ。


 お願いテッドさんかウルフンさん来て。もう一枚をゆっくり捲るエイマ。


 来たわ……土下座する英雄……エースのテッド。これで4枚揃った。後はジョーカーのウルフンが来ればチェックメイトね。


「ばあゃも1枚交換ですじゃ 」

 ばあゃは1枚交換する。ばあゃはニヤリと笑う。

 猫がカードを覗き込んだ。


「ニャア 」


 最終ターン


「1枚交換で 」

 エイマは最後の1枚をゆっくり捲る。


 ゆっくりと現れるノーミズ博士の顔……

 一度伏せる。敗因はノーミズ博士?




 もう1回、ゆっくりとカードを捲ると、ノーミズ博士の顔がプリントされたうちわを持って変な格好をしているウルフンだった。


「これは何?」


「エイマ様、これはノーミズ音頭を踊っているウルフンさんですわ 」


「何故?……そしてノーミズ音頭って何? 」


「何かは知りませんが……恐らくはノーミズ音頭を流行らせる為の、コラボ案件かと……」


 しかし……ホッとするエイマ。


 決まった。ジョーカーは1枚。ファイブカードは消えた。最優秀パーティのテッドorアライブ ロイヤルストレートフラッシュに叶う役は無いはず。


「ばあゃはこのままで良いですじゃ 」


「それではエイマ様、オープンして下さい 」


 エイマはカードをオープンする。

「テッドorアライブfeat(フィート)ウルフンのロイヤルストレートフラッシュですわ 」


「おぉーっ!! 」

「初めて見たぜ、ロイヤルストレートフラッシュ 」

「これはばあゃも勝てないんじゃ……」

「あぁ、ノーミズ音頭のウルフンはジョーカーだ。もはや勝ち目はないぜ 」


「どうなさいます。ばあゃ様。負けを認めてもらっても大丈夫ですわ 」


「フッ……ですじゃ 」

「ニャア 」


 ゆっくりとばあゃはカードを一枚、場に出した。


 アライブがテッドを肩車して、2人で尻から火が出て大回転をしているカードだ。


「尻から火が出て大回転 二重奏(デュエット)ですじゃ 」


「おぉーっ!ばあゃはまだ諦めてない!! 」

「こ、これは、ミズガルノズの大蛇を倒すと噂の必殺技だぜ!! 」

「きゅ、究極のハーモニー……」

 騒めく観衆。


「2枚目ですじゃ……」

 ばあゃはゆっくりとカードを出す。


 またも、尻から火が出て大回転 二重奏(デュエット)。そして3枚目、4枚目も……


「ばあゃ様、ジョーカーのウルフンはこちらにあります。勝負はつきましたね 」


「まだですじゃ、まだ勝負は終わって無いの……ですじゃ〜!! 」


 ばあゃは大きく腕を振りかぶって 、カードをテーブルに叩きつけた。


「……これは……尻から火が出て大回転 二重奏(デュエット)……ばあゃ様、ズルはダメですよ 」


「そうだ。同種のカードは4枚まで。5枚目はあり得ないぜ!! 」


「エイマさんの勝ちだ!!ばあゃは負けた!! 」

「ばあゃの負けだ!! 」

 騒めく観衆。


「5枚目のカードを良く見るのですじゃ……あるべき物が無いのですじゃ 」


「ニャア 」


 皆の視線が5枚目のカードに集まる。そして重大な事に気がついた。


「アライブさんの……顔が無い……」

 息が止まるエイマ。そうアライブの顔があるはずの場所に、アライブの顔は無く。テッドの尻があるのである。


「尻から火が出て大回転 二重奏(デュエット)でミズガルノズの大蛇を倒した2人は、ラスボスのエタールの元に駆け向かうんですじゃ……」

 ばあゃはおもむろに語り始めた。


 ココがエイマに「魔法AIによる未来予測です 」と耳打ちする。


「しかし途中でポン吉率いる魔王軍特務部隊に囲まれてしまうんですじゃ。ワラワラと現れるワータヌキの大群…… 」


「ふっふっふ、ミズガルノズの大蛇を倒した英雄。テッドとアライブよ。今日がお前達の命日だ 」


 ポン吉は誇らしく両手を広げる。

「魔王軍特務部隊10万が相手だ 」


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