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城塞都市防衛戦2
ごめんなさい。パルン目線の話の為にかなり短めです。
パルンは赤い布を捨て、魔牛を突き放して、全速力で城塞都市に向かった。
リーダーの最後の言葉が彼を突き動かす。
「俺達は常に最善を尽くす。それがパーフェクトオーダーだ。パルンお前の最善を尽くせ 」
最善を尽くし、運を天に任せてこそ道が開ける事がある。俺達はそうやって苦難を乗り越えて来た。
しかし……今度ばかりは……
「誰か……神でも悪魔でもいい。誰かみんなを救ってくれ……」
「ずっと一緒にやって来たんだ……俺を一人にしないでくれ……」
小さな呟きと共に嗚咽が漏れる。
ドドドドドドドド!!!
その時、街の方からものすごい轟音が聞こえ、土煙を撒き散らしながら何かが接近してきた。
涙で滲む目を向けるが、その何かは刹那ですれ違い、目で捉える事は出来なかった。
しかし、パルンはすれ違いざまに確かに聞いた。
「承りました 」
という誰かの声を……