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配置発表

「グレティ様、そろそろ本題に……」

 アライブが真剣な顔に変わる。


「ひぃお爺様、統合作戦本部からの指令を受けてまいりました。皆さまにお伝えして宜しいですか? 」


「構わぬ、今回の戦いの計画はメガネ殿達の作戦本部に任せてある 」

 騎士王ナイトは頷く。


「ありがとうこざいます。それではアライブ様、現状の簡単な説明からお願いして宜しいですか 」


「承りました。まず、メガネ君が今回の作戦の責任者で司令官となっています。メガネ司令官は騎士王国の城壁地帯に作戦本部を置いています 」


「作戦本部? 」

 ミーネが確認を求める。


「はい、城壁地帯で結界魔法を張り続けているリヤ様の元に作戦本部を置いて、どんな状況にも対応できるように備えています 」


「リヤ様の体調は大丈夫なのですか? 」

 ココが心配そうに聞いてくる。


「ひぃお祖母様は、寝ている時も起きてる時も四六時中、結界魔法装置に魔力を注ぎ込んでいます。痩せ衰えて、もはや立ち上がる事も出来ません 」


 グレティはココを見つめる。


「貴女が聖女ココさんですね。ひぃお祖母様は貴女が来るのを待っています 」


「私? 」


「ひぃお祖母様の血縁でありながら、私では結界魔法『天の(ヘブン)(コーネクシオ)』を習得する事は出来ませんでした。

 作戦本部のエイマさんが言うには、習得出来る可能性が一番高いのは貴女だと見ています 」


 皆がココを見つめる。


「作戦本部にはマカデミアナッツの皆さんも揃っています。ココさんには、アライブ様達と一緒にひぃお祖母様に会いに行って欲しいのです 」


 ココは少し考えてから頷いた。


 アライブが話を再開する。

「100年前は大魔王エタールの作戦で、人族連合は後手後手に回って敗北してしまった。だから、今回は先手先手で主導権を握る計画です 」


 アライブは皆を見渡す。


「作戦の第1段階として、リヤ様が亡くなられて結界が維持できなくなる可能性への対応として、騎士王国住民のウエスタン大陸への避難を、密かに進めていました 」


 騎士王ナイトが頷く。


「次に、大魔王軍支配地域住民の騎士王国への避難をマッドマキシマムが実行中です。万が一、騎士王国が滅びてしまうと、抑止力が無くなって魔族支配地域の住民は更なる地獄を見るでしょう 」


「アライブ、マッドマキシマムの連中って……」


「リーダー、彼らは大魔王軍支配地域出身の抵抗軍(レジスタンス)なんだ。彼らは過去を……名前と家族を捨てて戦う事を選んだ。奇抜な格好や行動は身バレしないようにする為だ 」


「アイツらは今、どうなんだ? 」


「北部に侵攻した彼らは、北部総督 獅子王の軍と激突して打ち破った。その後、都市や町などを解放して、住民の騎士王国への避難を進めている 」


「良かった……」

 ホッとするテッド。


「いや、状況が変わったんだ。情報筋からの情報だと、北部にミズガルノズの大蛇が召喚される可能性が高いとの事だ 」


「な……」

「ちょい待ち!ミノナントカの大蛇って結局、100年前にも傷一つ付けられなかった化け物やないか 」

「最悪の展開ね……」


「あぁ、もう一つ悪い情報がある。エタールはここ数十年間ガチャ召喚をやっていないらしい……」


「どういう事なんや? 」


「ここぞの場面でガチャ召喚をして来るかも知れないって事なんだ。ミズガルノズの大蛇クラスでは無くても、神話級の怪物が召喚されると大変な事になる 」


「厄介ですね……」

 ブービーが息を飲む。


「また、南部では大魔王軍の圧政に対して住民の反乱が頻発していましたが、現在、叛乱軍は南部都市サウザーに追い詰められて包囲されている所です 」


「こちらも救援が必要なわけね 」

「なんや、あちこちで色々とあるんやな 」


「だから、こちらの戦力を分散せざる得ないんです。

 北部のマッドマキシマムへの援軍、城壁地帯の防衛、南部都市サウザーの救援、各戦線をフォローする遊軍そして大魔王エタールを倒す為の部隊 」


「グレティ姫 」

 アライブがグレティ姫を見る。


「それでは(わたくし)から各自の配置を発表しますわ 」

 グレティ姫は皆を見渡す。


「まず、マッドマキシマムへの救援はテッド様、ミーネさん。パーフェクトオーダーの皆様も既に救援に向かっております 」


「わかった 」

「うちのメンバーもそこに居るのね 」


「次に、城壁地帯の防衛には、ココさんとアライブさんが参ります 」


 ココが強く頷いた。


「各地の戦線を支援する遊軍には、高い機動力を持つブービー様と、モビー様 」


「承りました 」

 ブービーが答え、モビーは頷く。



「南部都市サウザーの救援には、ウルフン様と(わたくし)グレティが参ります 」


「姫さんが来るんかいな 」


「宜しくお願いしますね、ウルフンさん 」


「了解やで!!」


「最後にエタール討伐隊ですが……」

 グレティは皆を見渡す。


「メガネ様に策があるそうです。奇襲を仕掛ける予定なのでメンバーは発表出来ずに、まずはそれぞれの戦線での活躍を期待しているとの事です。

 状況の変化に応じてエタール討伐隊のメンバーが一部入れ替わる可能性もあるそうです 」


「ワイ達がサウザーの救援をとっとと成功させれば、ワイ達が選ばれる可能性が高くなるって事やな 」


「はい、そうだと思います 」


 皆はそれぞれ頷いて、それぞれの戦場に向かって行った。


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