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そして現代へ

「……という訳なんじゃ 」

 長い話を語り終えて、騎士王ナイトはゆっくりと目を閉じた。


「う〜ん。フィフが生き延びたのはわかったんや。ただワイのお気に入りのケンマロはどうなったんや? 」


「そうじゃ……ケンマロの話を忘れておった…… 」

 再び力強く目を開く騎士王ナイト。


「ちょ、ちょっと待って。ナイト様、ウルフンさん。もう10時間以上もお話が続いているわ 」

 ミーネが慌てて止めに入った。


 パンっ!!

 ココが手を叩く。


「そ、そ、そうですわ。一旦お話は休憩にしましょう。み、皆さん……テ、テッドさんがお疲れのようですわ 」眠そうなテッドに話を振る。


「お、お、お、俺? 」

 急に話を振られてあたふたするテッド。


 騎士王ナイトは悲しそうに皆を見渡す。そして首をフルフルと横に振った。


「ケンマロは……」


 また、始まったー!!勘弁してー!!

 ミーネとココの声にならない叫び。



 バタン!!


 その時、王の間の扉が開いた。

 颯爽と現れる3人の影。


「アライブはん!ブービーはん!モビーはん! 」


「久しぶりだね、ウルフン、みんな。いや……本当はそうでも無いはずなのに……すごく久しぶりな気がする 」最初は笑顔だったアライブの表情が曇る。


「まぁ、まぁ。アライブさん。世の中は表舞台の派手な仕事だけでは回りません。

 我々の様にひっそりと裏方仕事をする人も必要なのです。ねぇ、モビーさん 」


「はい、ブービー先生。ブービー100カ条の教えの13。『裏に隠れて生きる。俺たちヨウカ……」


「ちょ、ちょっと待ってモビー。それは、それ以上は言っちゃダメなヤツだから。俺たちヨウカ……じゃないから 」慌てて止めに入るテッド。


「ワイも知ってるで。ブービー100カ条の教え 」

 ウルフンが皆を見渡して口を開く。


「ワイが一番好きなのはブービー100カ条の教えの99。『ワイは金には嘘つかへん。それではダメか? 』ってヤツや 」


 シーンとなる室内。


 テッドはハッとして口を開く。

「それはダメだから。一文字違うだけで詐欺師みたいになってるから。感動シーンが台無し、というかブービー100カ条の教え自体がヤバイから……」


「聞き捨てなりませんわ 」

 テッドの聞いた事が無い女性の声が響いた。


 若い女性騎士が前に出て来る。髪色は暗いブラウンの美女だ。彼女は騎士王の前に向かう。


「今の騎士王国に必要なのは、ブービー100カ条の教えこそです。ねぇ、ひいお爺様 」


「うむ。戻ったか、グレティ。城壁地帯はどうじゃった 」


「はい。大魔王軍のサイクロプス部隊の数度に渡る攻撃を、援軍に来て頂いたアライブ様達の協力もあり撃退しました 」


「アライブ殿、ブービー殿、モビー殿。感謝致しますぞ 」騎士王ナイトは深々と頭を下げる。


「ひいお爺様。ブービー様発案の『身体は戦士で頭は軍師部隊』が大活躍しましたわ!! 」

 嬉しそうに騎士王ナイトに抱きつくグレティ。


「うむ、うむ。『頭は戦士で身体は軍師部隊』は活躍したか…… 」


「はい!!……いや、違いますわ、ひいお爺様。今回活躍したのは『身体は戦士で頭は軍師部隊』ですわ。

 モビー様発案の『頭は戦士で身体は軍師部隊 』はまだ訓練中ですわ 」


「??? 」

 室内の時が止まった。


「なんや、なんや。『頭は戦士で身体は軍師部隊』ってのは何なんや? 」


「ウルフン様、騎士王国の最重要機密ですので、これ以上はお話出来ませんわ。しかし……もし上手くいけば大魔王軍を倒す切り札になるかも知れません 」


 下手をすれば……最後の最後まで秘密のままでいそうね。ミーネは小さく呟いた。



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