#ファンタジーな世界
……は?意味がわからない。
イミャース?召喚?なんだよそれ。
まるでファンタジー。
「……い、異世界ですよ?異世界!楽しみです。」
ワクワクと楽しそうな雛菊。
「へぇー。」
よくわからねぇ。
「私は、早く魔法が使いたいです。……エヘヘ。――私ずっと、……あり得ないとは分かっていましたが、魔法が使ってみたかったんです。」
ワクワクと楽しそうな笑顔の雛菊。クラスにいる時とは別人だ。
あれか?オタクってやつか?……引くゎー(笑)
「ねぇ、起きてよ!もぅとっくに着いちゃってるよ?ねぇ!起きてってばぁー!!」
急にどこからか、小さな女の子の声が聞こえてきた。
キョロキョロと辺りを見渡すと、一際大きな大木の近くに虫みたいな何かが空中に浮いている。
立ち上がって近くに行くと、子供向けの本に出てくるような姿、そのままの妖精がいた。
サイズは手のひらくらいだろうか?
「ねぇ、起きてよぉー……。――もぅ。……起きろっていってんだろが!この、居眠りじじぃ!」
彼女はなかなか起きない大木にキレたらしく、明らかに口調が変わった。
「てめぇ、そんなに寝てたいんか?あん?なら私が永久に寝かしてあげようか?私が一発殴ればこんな老いぼれのひ弱な木、簡単に倒せんだよ?そしたら、てめーはずっと寝れんだよ?永眠だけどね?」
かわいい顔して、恐ろしいことを言う。
「……って、無視すんな。いい加減、起きろ!糞じじぃ!」
そう言って彼女は、“何故か地面に落ちていた石”を持ち上げる。大きさは彼女の体よりもずっと大きく、直径20cmくらいだろうか?石と言うより岩だよな、これ。
そんな石を軽々と持ち上げ、彼女は大木に投げつけた。
すると大木は、器用に体……いや、幹をくねらせ、石をよける。
石は大木の後ろにある木々へぶつかり、そのまま複数の木々が次々にベキベキと音を立てて折れた。
細く短い一本道の完成だ。