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腐世界改訂メモ  作者: たんぽぽ
3/15

#説明書

…………。


ヒマだぁぁぁぁぁーーー。



ゴロンと乾いた苔の上に寝そべっているオレは、木々の隙間から微かに見える空を意味もなく眺めてみる。


しばらくしてやはり飽きたので、雛菊の方を見てみる。木に隠れた彼女は、既にこっちを見てはいなかった。


(何をしてるっのかな~?)


木の後ろに回り込むと、彼女は太い幹に凭れて本を読んでいた。

それも、かなりの厚さの本。


(あれ?どこかでみたような気が……。ま、いっか。)


内容が気になって、彼女の横から本を覗き込む。



『彼の発見は魔法技術そのものを変えた。

以前より魔術発動スピードはUPし、 消費魔力も大幅に減少した。それにより、人々はより多くの魔術を扱えるようになった。

彼はその後も研究を続け、いくつもの研究成果を発表した。

その中でも、魔物のレベルについての研究は――』



「ひゃあ!」


可愛らしい悲鳴を上げて、雛菊は本を閉じると二、三歩退く。



「あ、悪い。……しっかし魔法だの魔物だの、意味わかんねぇ。そんなの読んでて、おもしれぇのか?」


彼女に訊いてみるが、彼女は辞書みたいに分厚い本を抱えたまま、一歩、また一歩と退いていく。


その瞳に浮かんでいるのは怯え、……か?

しかし、頬は真っ赤に染まっている。



「あ、の……。……えっ……と。」


「ん?」


「…………こ、こ、これ、よ、読んでませんか……?」


そう言って、彼女は持っていた本をオレに差し出す。



『イミャース説明書 地球:日本語ver』



首を傾げる俺に、彼女は本を捲って1ページ目を見せる。



『貴方は、【イミャース】へ召喚される一人に選ばれました。

 拒否権はありません。強制的に召喚します。


 期間は1年です。

 その間、貴方はイミャースで暮らさなければなりません。

 イミャースで暮らすという事は、イミャースのことについて

 いろいろと、知らなくてはなりません。

 ここに、ある程度の知識は載せておきましたので

 どうかご活用ください。

 貴方の無事を祈ります。

                              Q.R. 』


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