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「あー、ごめん。やり過ぎたっぽい。……ほら、初めてだからさ、手加減なんて分からなくて。」
目が覚めた時。
目の前には困り顔の美結がいた。
「本当、ごめんなさい。」
「お、おぅ。」
コイツ、案外良い奴かもな、なんて。
――じんわりと肌を焼く太陽の下。草原から体を起こしながらそんな事を思えば、美結はムスっと眉間にシワを寄せる。
「……こんな事言えば、アンタを怒らせることくらい分かってる。けど、今は逆効果でしかないから指摘する。」
…………ウザい奴は、やっぱウザいままだったわwつかコイツ、ぜってー友達いねーだろww
「……嘘つきの仮面で笑わないで。心まで騙して、何が楽しいの?」
は?何言ってんの、コイツw意味分かんねーwww
「拒絶して認めないのは、別にアンタの勝手だけどさ。……私はイラつくし、麻美花ちゃんは悲しむだけで、ここじゃメリット無いから。それだけは覚えといて。」
そう言い捨て、美結はクルリと背を向け歩き出す。
しばらく眺めてれば、アイツは真ん中の家に入っていった。
……つか、他人家の目の前で寝てるとか、オレ恥ずかしっ!うっわ。すっげー恥ずかしい。