表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
腐世界改訂メモ  作者: たんぽぽ
13/15

#魔術

「全員集まりましたので、まずは自己紹介をしましょう。私はフィーナです。こちらがリンとミュリ。元は孤児で、私が引き取りました。」


フィーナの紹介で、犬っ子と猫っ子がペコッと頭を下げた。


「二人は男性への良い思い出がないので、失礼な態度を取り不愉快な思いをするかもしれませんがご了承下さい。」


「……あ、ハイ。」


既に嫌そうな顔、向けられ済みだけどな。

フィーナがオレに頭を下げたので、オレもつられて下げ返した。


自己紹介は次にオレ、雛菊と続き、双子の番になる。



「屋代美結です。心読めるんで考えてる事筒抜けだから、そこんとこヨロシク。」


双子の片方――髪を下ろしている方が、仏頂面でそう名乗る。



「屋代美代です。……えと、よろしくお願いします。」


低い位置で髪を2つに結んでいる双子のもう片方は、雛菊と似て頬を真っ赤に染めていた。あれか、人前で緊張するタイプか?





----------





「ミユさんとミヨさんは属性を聞いて来なかったとの事なので、まずは能力測定を行います。」



目の前には、中が白濁している水晶が紫色の布上に鎮座されている。何々?これから占いでもするのかー?



「順に、ここに手を乗せてください。」


「ん?こうか?」


他の誰も手を出しそうになかったから、オレが一番に手を出してみる。

すると白い濁りはグルグルと渦を巻き始めた。


しばらくすると『ビ、ビ、ビ、ビーィ。』と店のレジからレシートが出てくるような音を出しつつ、水晶の中からレシートが出てきた。――いや、違う。レシートじゃないよな。見た目レシートだけど。



---


- 斎藤・優馬

- 16

- 人間

- error


- 10

- 10

- 3

- 3

- 3

- 6

- 6


- 700

- 100


- 20

- 20

- 20

- 20

- 1

- 0

- 0

- 0

- 0


- M.T.

- M.T.


- 〈全言語理解可能〉〈期間限定魔力強化〉



---



うん、訳分からん。






----------



この世界には『魔術』と呼ばれる技術があるそーな。『魔法』もあるが、『魔術』とはまた違う別物だとか?。


『魔術』は〈基本魔術〉〈特別魔術〉の2種類があり、〈基本魔術〉は『火魔術』『水魔術』『風魔術』『土魔術』の4つ。〈特別魔術〉は『小魔術』『武魔術』の2つと『空間魔術』『時間魔術』『時空魔術』の3つの、計5つだそーな。


そのうち、ステータス内で一番数値の高い項目で『なんちゃら魔術師(マジシャン)』って名乗るそーな。

だからオレの場合4つの項目が同列だから、『フ……なんちゃらマジシャン』という長い名前になるそーな?



そして測定の結果、雛菊は言われた通りの『小魔術師』。

仏頂面美結が『風&武魔術師』、照れ屋美代が『水&空間魔術師』だとさ。



各々の結果にフィーナの無表情は崩れ、驚いていた。

聞けば、なんかいい意味で凄いらしい。へぇ。






----------



「まじゅちゅ はね、えいしょー を ちゃんと発音しないとダメなの。」


「セイレーさんが、聞きまちがえたら大変にゃの。」


「でね、私は上手くできるの!」


そう言って、何事か呟きだす犬っ子。見つめていたその手には数秒後、火の玉がポッと灯る。



「ミュリもできるのにゃー!」


そう言って、呪文を詠唱?する猫っ子の手のひらには、小さなつむじ風が起きた。



「すごいねー!」


「うん、すごいすごい!」


大袈裟な位に犬猫二人を褒める双子。犬猫もニヘヘ♪と笑みを浮かべて喜ぶ。


そしてオレは、少し離れた所からそれを眺める。


雛菊はフィーナと<小魔術>を習いに、別の場所へ行った。<小魔術>と<武魔術>は詠唱が無いから、<基本魔術>と違って使い方が特殊だとか?。

フィーナは<小魔術師>だから、教えるのにちょうど良いらしい。



「ねぇ、アンタ。」


「うん?」



いつの間にか近付いてきた仏頂面に声を掛けられた。


「……仏頂面言うな。」


ギンッと睨まれる。

……ってか、オレまだ何も言ってねーよな?


「心読めるって言ったよね?忘れたの?私、アンタの考えてる事全部分かるの。」


「へー。」


なんか、ストーカーみたいだな。うぜぇ。


「アンタの方がウザい。」


…………。



「で?何か用かよ?」


「んー?別に。」


「あっそーかよ。用がねーならあっち行け。」


しっしっ、と奴を追い払う。



「うっざ。今まであった人の中で、一番うっざ。性格悪っ。」



顔を顰めながら、奴は双子の片割れの方へ戻ってった。


――確かアイツ、美結って方だったか?


双子の顔はそっくりで、髪型揃えば見分けられる気がしねぇ。

けど、ウザい性格の奴が美結。多分覚えた。片割れも性格悪きゃ、分からんが。



美結が睨んできたから、知らぬ顔してそっぽ向いてやった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ