#ハーレム?
翌日、昨日と同じように『フィーナHOUSE』と看板のある一番左の家のチャイムを押す。
朝ごはんはもう済ませてある。
白ご飯と味噌汁、魚、野菜が2つの、純和風。
戸棚の奥底深くに、包丁は隠れていたらしい。見つけた雛菊は嬉しそうだった。
フィーナは昨日と同じく、ノータイムで出てくる。
「中へどうぞ。」
相変わらずの抑揚の無い声で、家の中へと促された。
家の奥。広い部屋には4人の先客がいた。
一人は6歳くらいの女の子。パッと見、猫っ子。
髪は銀と淡いピンクが混ざったような……そんな色。瞳は赤。頭には猫耳、おしりの辺りからは薄桃色の毛がフサフサと生えた尻尾まである。
一人は同じく6歳くらいの女の子。こちらは犬っ子。
犬耳が生え、毛色は黄土色に銀を混ぜたような。別の言い方をすれば、金色が少しくすんだような色。髪色も同じ銀黄土色。瞳はオレンジがかった黄色だ。
そしてあとの2人は恐らく双子。
黒瞳黒髪。制服姿。
顔立ちも日本風。
合計4人の先客さん達。
「うわっ。男……。」
双子の内の一人が言う。
対してもう一人は怪訝そうな顔。
ついでに6歳くらいの二人までも、俺に嫌そうな顔を向ける。
何、この歓迎されていない感じ……。
ハーレムにはなりません。