#早く魔法が使いたい
チャイムを押して1秒後。
玄関の扉はすぐに開いた。
中から出てきたのは、オレよりも背の低い女性。恐らく150cm程だろう。
肌は色白。髪の色はクリーム色で、緩くウエーブがかかっている。瞳は水色で、あと耳が変。
彼女のキュッと結ばれていた桃色の唇が開く。
「あなた方の家はそちらから見て、一番右です。あなた方2人で自由に使ってくださって構いません。それと明日の朝、またここに来てください。それでは今日はゆっくりお休みなさいませ。」
バタン。
彼女は抑揚のない棒読み口調で、早口で言うべきことだけ言うと、さっさとドアを閉めてしまった。
「なんだよあれ……。」
戸惑いつつも、言われた通り一番右の家へ向かおうと振り返る。
すると、雛菊がショボーンと項垂れているのが視界に入った。
フィーナの態度に、相当傷付いたのか?(笑)
と思ったら、彼女が何かブツブツ呟いていることに気付く。
「魔法が使いたい。でも明日。魔法が使いたい。でも明日。魔法が使いたい。でも明日。我慢我慢我慢。魔法が使いたい。でも明日。魔法が使いたい。でも明日。魔法が使いたい。でも明日。我慢我慢我慢。魔法が使いたい。でも明日。魔法が使いたい。でも明日。魔法が使いたい。でも明日。我慢我慢我慢。魔法が使いたい。でも明日。魔法が使いたい。でも明日。魔法が使いたい。でも明日。我慢我慢我慢。魔法が使いたい。でも明日。魔法が使いたい。でも明日。魔法が使いたい。でも明日。我慢我慢我慢。魔……ry」
……変なやつ。