会談の内容
カイル君本領発揮!?とまではいきませんかね?
腹黒くんにはなってますねー。
「お前が黒団のものか、頭をあげろ。発言もゆるす」
宰相と騎士団長を従えた王は王座に座しながら目の前で平伏する砂色の髪の男に声をかけた。男を取り囲むように立っている近衛や壁際でざわめく貴族たちにもまったく臆した様子がなく、たしかに高位貴族の出身のうわさがあることが納得できる様子だった。
「ありがとうございます。不肖のみながら黒団幹部を務めさせていただいておりますカイル・ヤナと申します。継ぐ家はございませんので2つ名にてこの場に立つことをお許しください。セイヤード国の勇猛果敢なセイファ・アセイ・セイヤード ・カジェス陛下に拝謁をお許しいただき光栄でございます」
この世界では王族は4つの名を持つ。
呼び名・真名・国の名・父の名を名乗るからだ。貴族は呼び名・真名・家の名の3つを、庶民は呼び名・真名の2つを名乗る。そのため、2つ名の者が王の前で発言を許されることは本来ならありえないことである。それすら許される黒団は傭兵団として異質だった。
「見え透いた世辞はいい。竜を倒したお前たちに勇猛果敢などと言われ喜べるか。我が国に迫る危機は知っているな」
「青竜の群れですね、斥候によればその数7体と・・・」
威圧に満ちた王の発言にそう平然と今日の天気はいいですねと言うかのように軽く話す男だった。
「なっ、3匹では・・」と周囲の貴族たちは騒然とした。
「初めは3体のようでしたがどこからか合流して増えたようです。さて、陛下我らは竜3体の撃退を金貨三千枚にて請け負いましたが、残りの4体は騎士団がなさるということでよろしいのでしょうか?」
「なっ、できるわけなかろう!!!」
そう声を荒げる王を腹芸も出来ぬのかと内心冷めた思いを欠片も表面には出さず冷静に男は提案する。
「そうですか、では金貨一万枚で竜7体を撃退致しましょう」
「なっ…一万枚など1年分の予算を超えるではありませんか!!!そんな額を…」
「でしたら交渉は決裂ということですね。3体は請け負いましたので残りはお任せします。」
そう憤る宰相を横目に退去を求める男に王は慌てて譲歩を申し出た。
「貴族位をやろう!領土もな!それで金貨の代わりにはならんのか」
「貴族になりたいものはうちの団には入りません。4あぁでもお許しできるなら欲しいものがあります。陛下しかお持ちじゃないんですが…でも、いくらなんでも無理でしょうからね。下さるなら金貨3千枚で7体の竜の撃退をうけおうのですが…無理ですよね、残念ですが」
そう本当に悲しげな悪意のない顔をするカイルに王は「やるぞ!なんでも!!」と安請け合いをした。
「陛下!何を要求されるかもわからぬのに軽々しく・・・」
と宰相が眉間にしわを寄せながら言うのを聞きながら、かかった!!と内心にんまりするカイルはダメ押しのセリフをはいた。
「私たちは心の底から欲しいですけど陛下はお捨てになる予定と聞きまして…」
「ならいいじゃないか、なんだ何が欲しい」
竜の脅威の前には王の冷静さもなくなるらしい。
「では、正妃様をください」
しかし題名のノリと今のところの本編の内容の違いは、はなはだしいですね。
題名の秘密はもうちょっとでわかりますのでお待ちください。
もう少しで題名のノリにシフトチェンジしていきま~す。