公民
三題噺もどき―きゅうひゃくろくじゅうに。
黒板の上をチョークが走る。
授業開始の挨拶をして早々、あれこれと書き出している。
なんというか、これは前回の授業の復習。
「……」
強制的に復習をさせてもらえるのはありがたいが。
まだ、全員座りきっていないのにそう書き出されても……と毎回思う。
が、もういい加減慣れたというか、私は1年生からこの先生なので慣れるしかなかった。
「……」
歴史……というか今は社会、公民か……の授業だ。
日本史と世界史は選択で選んだのに、公民は強制なの解せないよな。
あまり公民とか興味がないから、眠くなる。
「……」
復習と言っても、たいしたことはせず。
問題を出されるわけでもなく、単に前回はこういう事をしましたねと確認をするだけだ。
だから板書をすることもなく、なんとなく前回のノートを見て再度確認する。
ついでに教科書を開きつつ、突然襲い来る眠気と戦う。
「……」
何かをしていないと眠くなるのだけど、これって何かおかしいんだろうか。
英語とか数学の授業でもこうなる確率が高いんだけど……興味のない授業だから仕方ないか。興味がないどころか、英語と数学に関しては嫌いまであるので眠くもなる。
「……」
前回の復習が終わり、今回の授業が始まる。
とはいえ、続きなので教科書の該当ページはすでに開いているも同然だった。
ノートもまだ半分ページが残っているのでここから書く。
「……」
小学生の時みたいに、目標とかそんなものはない。
そしてこの教師は、公民の授業ホントはしたくないのではという程に、眠くなる授業をする。滔々と話すだけ話して、重要な点は教えてくれるけどそれだけ。
まぁ、それだけ簡潔な方が分かりやすくていいのだけど。
「……」
しかしそれはそれとして眠くなる。
この間、あの子とも話したのだけど。
この教師の声は眠くなる何かがあるんだと思う。
「……」
聞いていると徐々に瞼は重くなってくるし、そうでなくても公民という時点で眠くなる要素の一つは埋まっているようなモノなのに。
淡々と、滔々と、話しているだけで。時折チョークが黒板を叩く音が聞こえて。
程よく低く、程よく聞こえづらい声で。
「……」
眠くなる。
そして、今は昼休み後の5時間目の授業だったりする。
外からの陽は程よく室内を温め、満腹で満たされた体は睡眠を欲する。
寝ないようにと思って、普段食べもしないミント系の飴を舐めたりもしたんだけど。
普段は甘味料の塊みたいに甘い飴しか食べないし、買ってこないのに。さすがに今の時期に寝るのはやばいと思ってわざわざ対策してきたんだけど。
「……」
まぁ、効果は期待できず。
瞼は徐々に落ちてくる。
まだ授業始まってそんなに経っていないけれど。
「……」
極力寝ないように、意味もなく資料集をパラパラとめくったり教科書をめくったりしてみる。3年生になってから公民の授業が始まったので、あまり触れていない項目もあるにはある。全体的に軽く触れていくけれど。
「……」
資料集は歴史から公民まですべて含まれているので、年表とかも載っている。
たまたま開いたのは近現代史あたり。
こういう資料集ってメインの物を見るより、隅の方に書かれたものを見る方が面白かったりするよな。こっちの方が、へぇと思うことが多い。
「……」
ガス灯とか、今の時代使っているところあるんだろうか。
そういう見た目のライトは使っていそうだけど、そのまま昔のものとかは使えないだろうな。ガス代とか馬鹿にならなさそう。でもこの見た目は結構流行りそうだよなぁ、今。レトロというには古すぎる気もするが。
「……」
んー眠い。
そもそも5時間目にこの授業を持ってくる方もどうかと思う。
もう少し考えて時間割を組んでほしいものだ。……まぁ、今日は急遽この時間に公民が入っただけなんだけど、こんなに眠くなるとは思わなかった。この時間じゃなくても眠くなるから当たり前か。
「……」
なんとか、気合で起きれるだけ起きておこう。
授業はまぁ、ほどほどに聞く。
お題:ガス灯・挨拶・甘味料




