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4話

本日2話目です。


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次の日、いつも通りの授業を終えて、給食の時間になった。


この学校では、給食の時間では机を向かい合わせにして食べるのがルールになっていた。そして、ご飯を自宅から持ってきて、おかずを配膳してもらうことで昼食が始まる。


学年が上がったばかりで話し声はとても少ない。静まり返った空間で黙々とご飯を食べていた。

ちなみに配膳されるおかずだが、生徒からの評判は非常に悪い。給食センターから来ているため冷え切っており、人気がない。


懐かしく思う反面、絶妙なまずさに箸が止まる。

残そうかと迷っていると、足に何かが触れた。向かいに座っている紗英の足だろうか。

机を向かい合わせにつけているため、たまに足が当たることがある。おそらくそれだろうと思った。


そう思って無視をしていたが、何度も足が当たってくる。明らかにわざとだとわかった。


「難波、足が当たるんだが。」


「なんのこと?私じゃないよ。」


知らないふりをしてきた。やりかえしてやろ。一定のリズムで紗英の足が当たってくるので、リズムに合わせて、足を振りかぶる。

3,2,1、今!


「痛っ!!」


紗英の口から言葉が漏れてきた。オレの作戦が成功し、カウンターを決めることができた。


「ちょっと!十森!痛いんだけど!」


「え?何のこと?静かに食べなよ。」


さっきの仕返しにとぼけてやった。すると、紗英から報復攻撃がきた。さっきよりも強い衝撃が足を襲う。結構痛い。紗英の顔をみると、誇らしげにこちらを見てくる。


「あ。ごめーん。足が当たったちゃった。」


紗英から棒読みの謝罪が飛んできた。そこからは戦争だった。ひたすらに足を動かして蹴ったり、横に動かして避けたりと、給食をそっちのけで紗英とやりあっていた。

そのうち、机が激しく動き出して担任に気づかれてしまった。


「おい。給食は静かにたべなさい。」


そう言われてしまい、紗英とともに給食を再開した。


「なんで、足なんか蹴ってきたんだよ。」

紗英に苦情を言う。


「だって、さっきから話しかけていたのに無視する十森が悪いんだよ。」


考え事をしていたときに話しかけられていたようだった。でも、どうして、話しかけてきたのだろうか。紗英の顔を見てみると少し寂しそうな顔つきでこちらをみていた。そんな顔をみているとこちらが悪いことをしていたような気がしてきてしまう。


「え?そうだったのか。それは悪かった。ごめんよ。」


「うちこそ、ムキになってごめん。」


こちらが謝ると意外なことに紗英も謝ってきた。オレの知っている紗英では考えられないことだった。なんか気まずい雰囲気になってしまった。お互いに話すこともなく、箸をひたすらに進める。給食の味なんかは気にする暇もなくなっていた。紗英の方に意識を向けると、紗英もこちらを気にしている様子が伝わってきた。このままではいけないと思った。


「で、どうしたの?」


紗英の方を向いて話しかけると向こうもこちらを向いて、


「んとね。この間の部活紹介のときのことなんだけどさ。覚えてる?」


「おう。お互いに大変だったよな。それがどうしたんだよ。」


「あのとき、大きな声で応援してくれたでしょ?お礼が言いたくて。。」


「紗英が練習がんばってるのは知ってるし、気にするなよ。」


紗英とは小学校のバドミントンクラブから知っている。大会自体では好成績を残すことはできていないが、同世代の中では努力しているところを見ていたからこそ、言えたと思っている。

それに何よりもこの世界に来る前に紗英が傷ついていた姿を思い出して、あんな姿を見たくないと思ってしまったのだ。


実は前の世界ではよく喧嘩になって辞書で叩きあったこともあった。そのときに紗英が泣き出してしまったのだ。周りのみんなからは責められたものだが、実際はオレのほうが数倍の威力と量で殴られ続けていたのはここだけの秘密だ。女子の涙には弱くなってしまうのだ。


「それに紗英は意外と泣き虫だもんな。」

「そんなことないし!!!てか、なんでそうだと思ったの?今まで話したことないよね?」


まずい。また、ボロが出てしまった。この世界では、最近になって話すようになったのだから、知っているのはおかしい。


「いやいや、小学校は違うけどバドミントンで負けて泣くところを見たこととかあったし。」

「それはおかしいよ!だって、ウチは泣く時は女子トイレで誰にもバレないようにして、、、、って違うから!!!今のナシ!!!」


まじか、そうだったんだ。テキトーなことを言ったつもりがまさかの新事実だ。なんか意外とかわいいところあるんだな。


紗英の新たな一面を知って、やはり傷つきやすい性格をしているんだなと再認識をしていた。


「ちょっと!!黙ってないで何かいいなよ!!ホントに違うんだから!!!忘れてよ!!」

「うんうん。わかってるって。難波もかわいいところあるんだな。」


「かわいいとか言うな!!忘れろっ!!」


ガツン!!


思いっきり紗英に蹴られた。気が抜けていたところに紗英の本気の蹴りがすねに激突した。


「いてぇーーーーー!!!!!」


これは弁慶さんも耐えられるわけがない!骨が折れているのではないだろうか。いや、絶対に折れているに違いない。


「いい加減にしろ!!!」


怒りにまかせてやり返そうとしたとき、担任から怒声がとんできた。


「お前ら!給食中に何をしている!静かに食べないか。」


ついに担任から目をつけられてしまった。紗英と目が合う。お互いに納得はしていないがここは矛を収めることで一致した。その後は、時間に間に合わないと担任にまた何か言われるといけないので、黙々と給食を平らげることに集中した。




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