1話
本日、2話目の投稿です。
年末年始で書きためておきたかったのですが、やはり創作活動や体力が必要ですね。体力づくりもしなくては、
では、お楽しみいただければ幸いです。
ピピピピピピピピピ!
ハッ!ここは、、、オレの部屋、、??
「刹那〜!早く起きて用意しなさい〜!」
部屋の外から母親の声がする。そうだ、ここは、実家で使っていたオレの部屋だ。でも、なんでここで起きたんだ、、?
とりあえず、部屋から出てリビングに向かう。向かう途中にある鏡をふと見ると、俺の姿がみえる。だが、若いときの自分の姿だった。
「え?若返っている?中学生のころと同じ髪型だ。」
何が起きているのか全くわからないまま、リビングに入ったとき違和感に気づいた。風鈴の音色が聞こえるのだ。実家は数年前にリフォームして洋風の内容に変えたのだ。水場もきれいになっていた。意外と気に入っていた鐘を小さくした風鈴の音色。
そう、オレは若返っていたのではなく、中学生のころにもどっているのだ。
「あんた、入口でぼーっとしてないで顔洗って、ご飯食べちゃいなさい。」
母親に声をかけられて椅子に腰掛ける。すると、昔たべていたピザトーストが出てきた。
「母さん、今って平成?」
「何当たり前のこと言っているの。平成23年でしょ。」
平成23年ということは、、オレが中学3年生になったころだ。
「さっさと食べて、準備しなさいよ。今日は、始業式でクラス発表もあるんでしょ。」
準備を終えて、登校することにした。うちの中学校は、学区がとても広いので遠いところの生徒は自転車通学が認められていた。
自転車を用意して、学校に向かう。学校の玄関に飾られているクラス替えの結果をみて、8組の教室に移動する。
「やっぱり、8組だったか。てことは、マッシーや青山がいるのかな。」
当時を思い出して、仲が良かった友人の顔をふと思い出す。
だが、それと同時に3年生の最初のころは初対面だったことを思い出して、少し残念な気持ちになった。
新しい担任の紹介も終わり、自己紹介をする時間になった。
「はじめまして。2年生のときは7組でした。十森 刹那です。部活はバドミントン部に入っています。よろしくお願いします。」
無難な自己紹介を終えられたことに安心していると、
「難波 紗英です。部活はバドミントン部です。よろしくお願いします。」
後ろを振り返ると、紗英がいた。そういえば、出席番号はオレのちょうど1つ後ろだったのを思い出した。部活は同じバドミントンで小学校のころ、クラブチームでたまに会うことはあったが、接点がなかった。そんなことを思い出していると、
「ねえ、プリント早く回してくれない?アンタで止まっているよ。」
紗英に言われて、すぐにプリントを回す。
なんて声をかけようか迷ったが、無難に「ごめん。」で済ませた。
オレの知っている紗英とは違うことに少しのショックを受けながらも帰宅した。
「なんで、オレは中学校のころに戻ってきたんだろう。」
そんなことを自室で呟いていた。
もしかしたら、これは夢なのではないのかと思うぐらい現実味がないこと、眠りについて次に目を覚ましたときは29歳の自分にもどっているのではないかと思う。
それなら、したいことをしようと思いたち、健康のことを気にないポテトチップスやコーラを飲んだり、その頃流行っていたモンスターを狩りにいくゲームを夜通ししてやったりした。
そして、次の日、寝不足のまま学校に行く羽目になった。
それぞれの授業でオリエンテーションが終わり、中学3年生の教科書を見ていると懐かしさを感じた。これなら、中間考査で満点も狙えるのではないかと思ってしまう。そして、昼休みは机で寝て過ごしていた。すると、
「おい!十森!」
オレを呼ぶ声が聞こえる。声の方を見てみると男子バドミントン部副部長の加藤智 だった。
「どうした智?」
「どうしたじゃねえよ。昼休みに部活動説明会の話するって言ってたのお前だろ!」
思い出した。と言っても、14年も前のことだから忘れていて当然なのだが。智との話よりもこの時間に打ち合わせをしていたら紗英に話しかけられて関係が始まったんだ。
「ごめんごめん。寝不足でさ。わざわざありがとよ。」
「なんだよお前、素直すぎてキモいわ!んなことよりも、部活動説明会のときの説明はどうする?」
たしか、結局いろいろ揉めた結果、無難に説明しただけのはずだ。
「んー。無難に練習している日とかいって、適当に挨拶すればいいんじゃない?」
「なんだよ!この前まで『おもしろい劇をやって女子マネージャーを呼ぼう!』とか言ってたのによ。」
「智よ。オレも大人になったのだよ。それによく考えろ、この学校は女子マネージャーは存在しない。」
「そんな事知ってるわ!お前が歴史はオレが変えるとか頭おかしいこと言ってたんじゃん!」
「そう?ま、それよりもセリフ考えるの手伝ってよ。智、頭いいんじゃん」
智は、中学2年生のときに生徒会長を務めて、高校は有名進学校に進学するぐらい頭がいい。小学校のころから遊んだり、バドミントンで競ったりしていることもあってか仲はいいと勝手に思っている。
「はあ。結局、オレかよ。十森も考えろよな。」
セリフを一緒に考えながら、部活のことを話していたとき、後ろから
「ねえ。」
智と一緒に振り返ると、紗英だった。
「男子バドミントン部ってどんな部活紹介するの?」
紗英も女子バドミントン部の副部長だったと思う。今は、部長の金田なつみと一緒に部活紹介の話をしていたようだった。
「オレらは、テキトーに挨拶して終わろうかと思ってるよ。」
智が言った。それに対して紗英が
「そうなんだ。女子は基礎打ちを何種類かみんなに見せようと思うんだよね。時間オーバーしそうだから、男子の時間を少しくれない?」
と提案してきた。部活紹介は1つの部活につき時間が決まっている。バドミントン部は男子と女子の時間が合計されているため女子がオーバーした場合、男子の時間が短くなってしまうのだ。
「少しならいいけど、女子はそんなことしなくても人がいっぱい来すぎて困ってるじゃん。」
毎年、バドミントン部の新入部員は非常に多い。おそらく、バドミントンというイメージが緩く遊び感覚でできると思う新入生が毎年いるのだ。そして、体験入部期間で走り込みのハードさに9割近くが3日でいなくなるのだ。
「それはそうなんだけど、上手な人に少しでも来てほしいんだよね。だから、私たちのレベルを見せておくのがいいかなと思ってさ。」
部長のなつみが言う。そんな会話としていたら、昼休みが終わる5分前の予鈴が鳴った。
「十森、セリフは決まったからちゃんと練習してこいよ。」
「わかったよ。できるだけがんばるよ。」
そんな会話を智として、自分の席に戻った。次の授業の教科書とノートを用意していたら、
「ねえ、十森」
紗英から声をかけられた。後ろを振り返り、紗英を見る。紗英はロングの黒髪でいつも左右に結んでいる。いつも笑顔で話しかけてくれるイメージがあるが、今も笑顔な表情でオレを見ていた。
「どうした?」
「男子って演劇するんじゃなかったの?」
「なんで知ってるの?」
「だって、部活終わりに大声で話してたから女子のほとんどが知ってるよ。」
「まじかよ。恥づ!」
「なにそれ、ウケる。何の劇をしようとしてたの?」
「魔王を倒すために伝説の勇者が伝説のラケットを持って旅にいって、きび団子を配って、犬みたいな戦士と、」
「待って待って、バドミントン関係ないじゃん!」
「そりゃ、まだ物語の最初なんだから当たり前じゃん。」
「それ絶対に時間オーバーするよね!バカなの!?」
「だから、気になる人は男子バドミントン部へ!っていう流れじゃん。これだから紗英は困る。」
「いやいや、おかしいところばっかじゃん!てか、ウチのこと「紗英」って呼んでくれるんだ。」
やばい。紗英との会話で昔を思い出してしまって、何気なく名前呼びをしてしまった。このころは苗字呼びだったんだ。
「あ、ああ。いきなり、ごめん。だって、ほら、この部活終わりに女子で話ししてるの聞こえてさ。お前、苗字呼びされるの好きじゃないんかなと思ってさ。」
「え、なんで知ってるの?いつ言ってたそんなこと?」
問い詰められていたら、運よく担当の教師が入ってきた。それと同時にチャイムがなった。
「ほら、授業始まったから、その話はまた今度な。」そう言って、前に向き直った。
「えー、ウチそんなこと言ったかなー」と小さい声で聞こえてきた。
危なかった。つい癖で名前で読んでしまった。
寝不足の眠気も吹き飛び、どんな言い訳をしようか考えていたら、授業が終わってしまったので、トイレに逃げ込むように行き、紗英が部活に行くまで隠れていた。
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