14話
本日1話目です。
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自転車に乗って、家へと向かう道を進んでいく。今日は、晴天で雲一つない空、太陽からの温かい日差しで外で活動するには適した気候と言えるだろう。だが、平日の昼過ぎということやテストの1日目ということもあってか、人通りは少ない。少しスピードを出しても事故にならないだろうと思い、ペダルを漕ぐ足に力をいれる。グンとスピードがあがり、風をきって進んでいく。
家につくと、額から汗が滲んできていた。若い体は代謝がよく、消化の早さを実感する。汗が引く時間も気にせずにパソコンのある部屋に移動して、メールサイトにログインをする。
【From 十森
さっきは、買い物中だったのに声をかけてゴメンな。さっき一緒にいたの親だろ?なんか言われたら、オレが無理やり誘ったことにしてくれていいから。】
そのあと、しばらくメールを随時確認していたが、返信はかえってこなかった。もしかしたら、勉強するために携帯電話は触っていないのかもしれない。自分にそう言い聞かせて、勉強机に移動して、勉強を始める。
寝る前にもう1度だけメールを確認をすると、紗英からメールが来ていた。
【From 難波
ううん。悪いのは私だから気にしないで。おやすみなさい。】
メールをした瞬間に違和感を感じた。いつもは紗英に非があったとしても自分から素直に謝ることが珍しい。しかも、文体が紗英本人がしていると思えないほど余所余所しいものに感じられた。メールから察するにこの話題は触れられたくないものだと感じ、別れの挨拶だけ送信することにした。
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次の日、テストが終わり部活が始まるかと思っていたら、急遽、職員会議が入ることになったようで部活は中止になった。
紗英はというと、昨日のことはなかったことになっていた。紗英から話題が振られないため、こちらからするのは良くないと思い、普段通り振る舞っていた。
その日の夕食後、ここ最近、部活もなく体も動かしていなかったため、ランニングをするために外へ出た。部活以外でも体力をつけるために定期的に行っている。ルートは毎回異なるのだが、今日は祖母の顔を見にいくルートで行くことにした。
走り始めると、足がとても軽い。一歩一歩がスムーズに動き、まるで羽が生えたような気持ちよさがある。順調に走り続けて祖母の家まで向かう。
「せつくん、よく来たね〜何か食べていくかい?」
「走ってる途中だから腹が痛くなっちゃうからやめとくよ。また、今度食べさせてもうね。」
おそらく、どの家も似たようなものなのだろうか。家によるたびにご飯やらジュースやらを勧められてしまうのだ。前の世界のときは会うたびに炭酸飲料を飲んでしまって、肥満傾向になっていた。今は、基本的な飲み物を水にすることで標準体重をキープしている。
「あら、そうなの?他にあげられるものもないからどうしましょう。」
祖母から言われると、こちらも申し訳なく思ってしまう。かと言って、ジュースだけでも飲んでしまえば、だらしない体や虫歯になると大人になってから大変めに合うことが痛いほど理解しているがゆえに葛藤してしまう。
「ほんとにいいんだよ。おばあちゃんに会いに来ただけなんだから。また、来るね。」
ランニングコースへと戻る。このあとは川沿いの道を走るだけなのだが、調子に乗りすぎてしまい息が上がってしまう。
乳酸が足に溜まってくるのを感じる。さっきまで羽のような動きをしていた足が今では油を指し忘れた機械のようなぎこちない動きになりつつあった。
少し休憩も兼ねて、歩道を歩く。日も暮れてしまい、暗くなってしまった道に少し恐怖を感じる。怖さを振り払うように上を見上げる。星空がとてもきれいに見える。昼間は少し暑いくらいだと思っていた気候も日差しがなく、放射冷却が進んで肌寒く感じてしまう。
交差点を曲がり、川沿いへの道へと向かう。道中で公園を見かけた。時間も遅くなっているため、街灯も少ない田舎では薄暗く、不気味さがあった。すると、その公園の奥にあるものを見つける。神社の社が見えた。
前の世界では、パートナーもいなくて長期休暇には御朱印をいただきに寺社仏閣へお参りするほどには信仰心があったのだ。手元にお金をないが、お参りをせずにはいられなかった。
一礼して境内に入る。人がいる雰囲気はなく、普通の公園と同じく最低限の遊具が置かれていた。歩道からは、わからなかったが砂場もあって保育園も近いからか使いかけの道具が置いてあった。そして、ブランコに目を向けて、驚愕した。幽霊がいたのだ。ブランコのところに女性らしき人がうつむいて座っていたのだ。服装も目立たない色で外壁が少し高めだったのもあって、敷地外からは確認ができていなかった。
なんでこんなところに幽霊が!?いや、神社なんだからいてもおかしくないか。てか、オレって幽霊見えたんだ。霊感ある方の人間なんだ。やばい。どうしよう。昔みたテレビには相手の幽霊に自分が見えてるって思わせてはいけないって話だよな。すごい気になるが、前だけをみてお参りしたらさっさと帰ろう。
今すぐに走って帰りたい気持ちを抑え込んで、歩を進める。冷静を装いながら、参道は砂利が敷かれており、歩くたびに音がする。音がなるたびに心臓が跳ねる。
今、ブランコの動いた音しなかった?!風だよなきっと。しかし、ブランコに居るであろう幽霊のことが気になりすぎて、お参りどころではない。神社の鈴もならして気づかれたらと思うと、鈴を鳴らす気も起きなかった。
二礼二拍手一礼を済ませて、きた道を速やかに戻っていく。そのとき、ふと横目にブランコが視界に入る。女の幽霊はまだいた。そのとき、気づいたことがある。それは、女の幽霊と思っていたものに足があったのだ。もしかして、ブランコに座っているのは人間なのかもしれない。さらに、ブランコに座っている人物の情報を探る。
下を向いているため顔が見えないが、落ち着いて観察してみると、どこかで見たことあるような雰囲気をしていた。しばらく、足を止めブランコの方をずっと見ていると、座っていた人物が顔を上げた。
その顔を見たときに頭の片隅で思い浮かべていた人物と一致する。
「難波?」
「え。もしかして、十森?」
そこに座っていたのは紗英だったのだ。
明日は、仕事が混みそうなので投稿はできないと思います。
お楽しみにされていた方は申し訳ありません。また、後日、アップできるようにしたいと思います。




