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13話

本日、2話目です。


少し短くしました。




祖母宅へ着いて、玄関を開ける。


「おばあちゃーん。きたよー」


「はーい。どうぞー」


何気ないこのやり取りも涙腺に響いてしまう。母方の祖父つまり、今返事をした祖母の旦那に当たる人はオレが小学校低学年のときになくなっており、今は一人で暮らしている。祖母がなくなったあとは、空き家となって入ることすらなくなっていた。


記憶を頼りにキッチンに行くと、祖母がコンロに向かって料理をしていた。


「せつくん。よく来たね。野菜炒めと焼き飯を作ったから、お食べ。」


テーブルの上には、おいしそうな料理が並んでいた。椅子に座り、食べ始める。懐かしい味がする。


「あと、今、煮しめを作っているからね。ちょっと待ってね。」


この煮しめは、祖母しか作り方を知らず、すごい絶品なのだが、今しか食べられないものになっている。優しい味付けで、いくら食べても飽きず、家庭の味と言えるだろう。


「ありがと、ばあちゃん。」


黙々と祖母が作ってくれた料理に向かい箸を進める。さすがは中学生の空腹はすごいものでいくら食べても満腹感がやってこない。前の世界では脂っこいものや甘すぎるものが食べられなくなって量も少なくなっていたのだと実感する。


ものの十数分で祖母が用意してくれていた料理を全て平らげていた。


「せつくんの食べっぷりはいつ見てもすごいね〜作りがいがあるよ〜。」


「ばあちゃんこそ、いつもありがとうね。おはぎ買ってきたから一緒に食べよ。」


ビニール袋の中からおはぎの入った容器を取り出して机におく。


「あら!ありがと〜〜!うれしい〜♪お皿だすね〜」


祖母が出してくれた皿におはぎを移して、一緒に食べる。あんこの甘すぎない控えめな甘さが食後の口の中に広がる。とてもおいしい。若い頃はあんこより生クリームなどの洋菓子らしい甘さが好きだったのだが、年を経るにつれて和菓子のおいしさに気づくようになった。それは、この世界にきても同じのようだ。


次に、祖母が一緒に用意してくれた緑茶を飲む。爽やかな苦味が口の中をスッキリさせてくれる。洋菓子にコーヒーなら和菓子には緑茶がぴったりだと思ってしまうくらいに合っている。


祖母も同じようにおはぎと緑茶を交互に味わって、朗らかな表情になっている。持ってきて、正解だったようだ。


「せつくん、ありがとね〜。そういえば、おはぎが1個なくなってたけど、途中で食べてきたの?」


「いや、お店で会った友達がおはぎ好きだって言ってたから1個あげたんだよ。」


「あら、珍しい。今どきの子でおはぎが好きな子いるのね。まるで、近所の紗英ちゃんみたいね。」


「え?!さえって難波紗英?」


まさか、祖母から紗英の名前が出るとは思わず、咄嗟に聞き返してしまった。


「そうそう。てことは、あったの紗英ちゃんなのね。そういえば、同い年だったわね〜」


「おばあちゃんは、どこで難波と会ったの?」


「それはね、何年か前までお寺さんに紗英ちゃんちが来ていたのよ。たしか、お父さんがなくなってしまっただと思うんだけど。お寺さんには、墓参りでも来ていたんだと思うんだよ。そのときに同じおはぎ好きということで何回かお話をしたのよ。」


祖母と紗英が意外なところで出会っていることだけでなく、紗英の父が亡くなっていたことを初めて聞いて驚いて言葉が出てこない。


「紗英ちゃんのお父さんがなくなってから、お母さんが仕事で忙しいときにお寺さんにある児童センターに来ていたのよ。でもね。あれは、旦那さんの3回忌のときだったかしら、紗英ちゃんのお母さんが再婚したって聞いてから、紗英ちゃん、児童センターに来なくなったから気にはなってたのよね〜」


「そうだったんだね。難波はオレと同じクラスでよく話をするんだよ。元気にやってるみたいだよ。」


紗英が知らない間に大切な人を亡くしていて、新しいお父さんができていたことに驚きはあったが、それと同時に気になることもあった。それは、スーパーで会ったときの紗英の表情だった。お母さんに注意されたとは言え、あんなに落ち込むほどのことなのだろうか。もしかしたら、紗英は一人で何か抱え込んでいるのかもしれないな。



祖母の家で昼過ぎまで世間話をして勉強のために家に戻ることにした。


帰り際に祖母に向かって、


「おばあちゃん、体調が悪くなる前に病院とか行ってね。」


「どうしたの急に。」


「最近、癌でなくなった人の話をテレビ聞いて

1年に1回は検査とかしてね。心配だから。」


「わかったよ。今度、お医者さんに相談してみるね〜」


これで少しは未来が変わってくれるとうれしいなと思いながら祖母の家をあとにした。



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