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(一応)清楚系Vtuber、配信でギャンブルしたらキャラ崩壊したけどリスナーにめちゃウケてV人生変わった話。  作者: 団栗珈琲。
第六章 遊園地? 最高かよ!

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第34話 ゴリラレース

 私はゴリラの巣窟に足を踏み入れる。

「……なんか、暗いですね」

「そうだね。暗いね。洞窟をイメージしているからなのかな?」


「私、マリモコングのゲームやったことないんですよねー」

「えー? やったほうがいいと思うよ?」

「でも、あれって根本的なところだと、マリモブラザーズとおんなじじゃないですか?」


「いやいや、アクションの部分とか結構違うから」

「へえ〜」

 でも、私あのゴリラたちそこまで好きじゃないんだよね。

 あれ? コングだっけ?


 そういえば、ゴリラとコングに違いとかってあるのかな。絨毯とカーペットみたいな存在じゃないのかな。


 実際どうなんだろ。……まあどうでもいいか。

「ちなみになんだけど、ゴリラとコングの違いって、現実にある存在か、フィクションの存在かで言い方が違うらしいよ? ゴリラは動物の名称で、コングはフィクション作品の怪獣としての名称なんだって」


 さらっとそんなことを赤柳先輩が言う。

「……え? 心読みました? もしかして、赤柳先輩って読唇術の使い手ですか?」


 私が真剣なまなざしでそう言うと、赤柳先輩は笑って、

「そんなわけないじゃん。っていうかさー? ゆほちゃーん。その赤柳先輩ってやめなーい? えにしちゃんとかでいいんだよ?」


「そんな……恐れ多い。神に向かってそんな口を利くことはできませんよ!」

「私は神じゃありませーん。もっと気軽な存在でーす。というか、ゆほちゃんがえにしって呼んでくれないと、気まずい遊園地の日にしちゃうぞ☆」


 そんな発言を赤柳先輩がいう。……やめてくれませんかね。

 あの、一応これ案件ですよ? 気まずい中紹介されてもってかんじじゃないんですか? ねえ?


 私が黙ってもごもごしていると、赤柳先輩が「おー? 照れてんのかー?」と顔をのぞき込んでくる。


 ハードル高いんですよ。仏教信者がお釈迦様のことを「釈迦」って呼び捨てにしますか? そういう話なんですよ。


 でも、私はそのお釈迦様に釈迦って呼んでー。って言われてるようなものなんですよ。

 わかります? 鬼めちゃハードル高いんですよ。急にそんなこと言われても対応できないんですよ。


 ……まあ、そんなこと言っても赤柳先輩は嵐なんでね。どうしようもないわけですけどね。


 そんなことを考えながら、私は決心する。

「じゃあ、えにし先輩で」

 少し照れながら、私はそう口にする。


「もー! かわいいなあ! ゆほちゃんは! 社長に感謝だね! こんなかわいい子をいっぱいをはべらせて、私は幸せんもんだよー!」

 そういってえにし先輩は私の頭をわしゃわしゃ撫でてくる。もう尋常じゃないぐらい恥ずかしいですね。


 仏教信者の前でお釈迦様に頭撫でられてる気分ですよほんとに。気恥ずかしいったらありゃしない。もうね、ほんとにね。


 ―――幸せだぁ!

 今すっごく幸せかもしれない。というか幸せ! HAPPY! 今日の出来事で毎日がエブリデイになりそう!


   ✕   ✕   ✕   ✕


 ……幸せ、補給しました。

 もう満足したので、帰ってもいいような気がする。

 ていうか、さっきのくだりもオンエアされるのかな? どうなんだろ。でも、個人的にはこれはオンエアしないでほしいかも。


 普通に恥ずかしいわ。というか関係ないもんね。宣伝と。

 オンエアされないでしょう。だって需要がないもんね。企業側としてね。宣伝効果が期待されないやつを残しておく必要性もないもんね。


 ―——この時の私は知る由もないけど、無事オンエアされました。本当にありがとうございました。


 ……とりあえず、気を取り直してゴリラレースをしよう。


「なんか、そこらかしこにバナナ落ちてますね」

「ねー。見てたらバナナ食べたくなってきたかも」

 それはちょっと意味が分からないですけどね……。


「うおーし! ゆほちゃん! 乗るぞー!」

 そういって、えにし先輩はだれもいない道を突き進んでいく。

 ここもいつもだったら混んでるんだろうなーと思いつつ、私もえにし先輩についていく。もう、えにし先輩の唯我独尊ぶりと言ったら……って感じですよ。


 でも、そんなえにし先輩の中に圧倒的にカリスマ性というかアイドル性みたいなのを感じた。やっぱり大手事務所の看板やってるだけはあるなーって感じ。


 というか、私がデビューする前は遠い雲の上の存在みたいな感じだったのに、意外とその距離が近く感じられる。


 ……いや、以外もクソもないってことはわかってるんだけどね。

 だっておんなじ事務所だもん。実感がわかなかっただけ。


 そんな私たちを出迎えてくれたのはモニターに映るマリモコング。

 私たちは係員さんの案内に従って、樽の上にバナナが乗ったような乗り物に乗る。スーパーマリモブラザーズのスピンオフ的な作品のMKとJr.の作品の中に入ったみたいで楽しい。


『ウホッ、ウホッウホッウホッ』

 マリモコングはその大きな体を動かして、身振り手振りで何かを伝えようとしている。

『おっと、これじゃあ彼が何を言っているかわからないね……これでどうかな?』

 そういって、謎の光がマリモコングにあたる。

 すると―――

『よぉ、お前ら。俺の名前はマリモコングだ。まあ、よろしくするってこともねえか。今回、お前らには重大なミッションを与える―――』


 そういって、私とえにし先輩の壮大な旅は始まるのだった。

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