表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(一応)清楚系Vtuber、配信でギャンブルしたらキャラ崩壊したけどリスナーにめちゃウケてV人生変わった話。  作者: 団栗珈琲。
第五章 震えが止まらねえ……

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/32

第26話 この、人殺し!

「そんな……。らいら先輩。どうして……。いったい誰が!」

 長い、青い空色の髪に、これまた青を基調とした修道服。それを身に着けた女性が地に濡れて横たわっていた。背中の心臓部分にはナイフが突き立てられており、周りを鮮血で濡らしていた。


 この場にいる全員が目を瞑って黙祷をしていた。

「誰が、誰が一体らいらを!」

「お、落ち着いてください、ルイネ先輩!」

「わってるよ。んなこと……」

「クソッ。その犯人がこの中にいるなんてっ!」


   ✕   ✕   ✕   ✕


「……Vliveメンバー全員参加企画?」

「ええ。そうです」

 マネージャーがそんなことをわたしに言ってきた。

「今回優楽さんに参加してもらうゲームが、「人狼―人コロシアム―」というゲームです」

「人狼―人コロシアム―? 何ですか? それ」

「え? ゆほさん知らないんですか? 有名なゲームですよ。相手の手の内を読み、読まれ。ある程度の自由時間、緊急会議で人狼を探し出し、投票を行って人狼を探し出す。人狼は人間を全員殺す。そういうゲームです」


「な、なるほど?」

「まあ、百聞は一見に如かずです。やってみてください」

「はぁ……」


   ✕   ✕   ✕   ✕


「どうもーゼロ期生の茜柳あかねやなぎ えにしですー」

「こんにちはー。二期生の優楽ゆほですー」

 伝説の零期生の茜柳先輩。伝説と言ってもそこらにいる伝説だけど。

 伝説は伝説だから。うん。


 まだ私の初配信から半年もたっていない。先輩は忙しいのか、というかw他紙が誘えばいいだけの話なんだけど、気恥ずかしさというか、私が一ファンだったからおこがましいというか、……そんなこと気にしても仕方ないのはわかってるけど、一ファンとしてどうしても気にしちゃうのは人間のさがだと思う。


 いつか茜柳先輩ともコラボしてみたいなー。なんて。


「同じく二期生の希雨サキです」

「二期生の紅葉 彩派です」

「同じく、二期生の城鐘ひすいです」

「一期生の柊らいらですー」

「同じく一期生の轟軌ルイネだ」

「同じく、一期生の錦谷にしきや セリンだよ~」


 錦谷セリン先輩。も、コラボしたことはない。

 真っ黄色の髪に黄緑がかった目。短く切りそろえたその髪はすごくきれい。

 語彙力が死んでいるけど大体そんな感じで合ってるはず。

 「とり!」と大きく書かれた黄色のだぼだぼTシャツにデニムのようなショートパンツ。Tシャツをノースリーブにして、エプロンを着たら裸エプロンになるとか考えてしまう。


 それはそうと、私は早速人狼―人コロシアム―にログインする。

 名前は「ギャンブルの申し子ゆほ」にした。なかなかユニークな名前だと思う。

 実際はギャンブルに物申すどころか、どっぷりと浸かってしまっているわけだけど。


 明るい翡翠色の目に、薄く緑がかった神は肩甲骨のあたりまで伸びていて、白を基調とした衣装は鎖骨辺りが開いているが、いつもどおり、「断崖絶壁」というほかないその胸は、みているとなんだかほっこりしてくる。鐘城ひすい。


 眉毛にかかった金髪、その金髪を後ろに一つに束ねている。俗にいうポニーテールに幼げのある童顔。碧い目にブレザーを脱いで、シャツだけになっている。希雨サキ。


 画面では途切れてしまうほど長い赤い髪に、右目の下にある涙黒子なみだほくろ。すらりと細身で、赤紫を基調としたセーターに、私のアバターと比べ物にならないぐらいに膨らんだ胸からは、セーターの上からでも、その存在感を露わにしていた。


 いろはすと同じぐらい長い、青い空色の髪に、これまた青を基調とした修道服に、でっけえぺえ。群青の色の目、ひいらぎらいら先輩。


 うなじ? なにそれおいしいの? ってぐらいの長さの後ろ髪に、ぴょんぴょんと複数のアホ毛が飛んでおり、紅い目はルビーみたいで、先が尖り、短く切った深緑の髪。機械機械しい、翡翠の近未来の服のようなものを着ている。


 茜柳先輩は肩辺りで切りそろえたショートカットの黒髪に黒目。極一般的な群青のセーラー服。なんでも、システムの関係でこんな簡素な服装になったらしいけど、今はいろんな服装があるはず。なんでわざわざこの服にしたんだろう。


 と、そんな疑問はさておき、現在この配信は各Vliveメンバーが個々に配信枠を立てているのだ。私も枠をたたているし、同期も先輩もみんな枠を立てている。

 なんせ人数が多いからね。仕方ないね。


 そろそろ、配信が開始する。


   ✕   ✕   ✕   ✕


 背信待機画面が開け、茶色く、首筋にかかるか、かからないかぐらいに切りそれえた髪。赤みががった目。それなりの大きさのある胸。野暮ったいパーカーをかぶった、私が画面に映る。


「こんゆほ~。Vlive二期生、遊楽ゆほでーす」


 :こんゆほ~

 :こんゆほ~

 :始まったか

 :二期生加入始まって以来の初全メンバーコラボ!

 :ドキドキが止まらねぇなぁ!

 :うおおおぉぉぉぉ!

 :↑せめてなんかかけ


「ということで今回は、運営提供企画。人狼―人コロシアム―をやっていきたいと思います!」


 :あーあれか

 :頭回る人が勝って、頭の回らない奴が負けるゲームね

 :ちなみにこいつは後者

 :まあ、ギャンブラーって頭弱そうだもんな

 :いや、実際頭弱いから


「なんか、私だけじゃなく、ギャンブラーの方々にまで誹謗中傷が飛んでるんだけど……。と、それはともかく、もうすぐ始まりますので、とりあえずプロローグ流しますねー」


 私はマウスを移動させて、右クリックする。すると、映像が流れだす―――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ