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(一応)清楚系Vtuber、配信でギャンブルしたらキャラ崩壊したけどリスナーにめちゃウケてV人生変わった話。  作者: 団栗珈琲。
第四章 マリモが車に乗る神ゲー

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第24話 リスナー、強い!

 私が再びスタートすると、地面には悲しき顔のついたバナナの皮が落ちている。

 比喩とかじゃなくてそのまま。現実咳きあだった不法投棄で捕まってるし、現実のレースでこんなことやったら、契約解除とかされそうだけど、この世界では何ら問題ない。モウマンタイってやつだ。

 なんで「無問題」ってかいて「もうまんたい」って読むのかはわからない。


 私はまたAボタンを押し込む。


 それはそうと、バナナを踏んでスリップしてしまった。

「おい、これをここに捨てたのは誰だ。ちみか? いいかよく聞け。ポイ捨ては不法投棄と言って、「五年以下の懲役、又は千万以下の罰金」でしっかり犯罪なんだむよ。わかったかね?」


 :なんだむw

 :ちみw

 :これ言ってるの、ゴーストマリモキングですか?

 :いえ、ただのギャンブラーです

 :ゴーストマリモキングはそんなこと言わない

 :というかほとんどしゃべらない


 少し進み、右コーナー。

 Lスティックを右に傾けながら、コントローラーも同時に傾けてしまう。

 関係ないってわかってても、どうしてもかたむけちゃうよね。


 ちなみに現在の順位は12位。平たく言えば最下位です。

 なんでだ? 私はあんなにも筐体で実力を鍛えたというのに。

 むずかしいのステージで一位を取った時はマリモカート筐体の中で全世界のトップと戦えると錯覚するほどうまかったのに……。


 そのあと、ゲーム好きの友達にボコボコにされて、「お前はいつから自分が強いと錯覚していた?」と言われてしっまた程度の実力なのに。


 わかりにくいな。私だったら絶対わかんない。


 また、右コーナー。暫く直進。

 直進の次のコーナーの先に十一位の車が見える。

 私は目の前に迫りくるアイテムボックスをバイクで突進して破壊し、楽し気な音楽が鳴り、ピコーンとメッセージアプリの通知音のような音を奏で画面左上にアイテムが映っている。


 出たアイテムは、マリモカート屈指の最強アイテム。「殺し屋(キラー)」だ。

 私はすかさずZRトリガーを引き、アイテムを使用する。


 その刹那、バイクは黒塗りの砲弾のような見た目になり、ゴォォォと低い風を切る音を奏でながらどんどんと進んでいく。操作も必要ないので楽だ。

 十一位のマリモを抜き去り、十二位から十一位になった。

 そのまま、Aボタンを押しながら、次を目指す。


 気が付けば第三ラップ。ファイナルラップだ。

 現在順位は十位。私的には頑張っているものの、結構ひどいらしい。

 ウソダドンドコドーン!


 私はアイテムボックスをこれまた体当たりで破壊し、落雷サンダーを入手する。

 すごい。周りのマリモと車が縮んでいる。

 マリモが縮むのはまだしも、なんで車まで縮んでいるのは開発者しか知らないと思う。もしくはギャグマンガみたいな原理でできているんだと思う。


 左コーナーを左折すると、ゴールが見えてくる。

 私よりも上位のプレイヤーはすでにゴールしている。

 私はギリギリのところで、ゴールデンマッシュルームを使用し、なんとか九位まで持ってこれた。


 やっぱり私には才能があるのではないだろうか。

 とかそんなことを考えていると、車の上で踊りながら私を通り抜ける奴が現れた。


「? なにこいつ……」


 十位の奴か。ともおもったけれど、キャラクターがボーンマリモなので一位の奴だ。

 私がゴールしてからもう一周もたってるというのか。


「えっ? こいつ一位の……」


 :すげえ

 :はやいな

 :上手い奴は上手いんだなあ


 じゃあなに? 実力差が顕著なだけなのかな?


「ただ私は弱い奴に勝っただけで本質的な物は全く持って見れていなかったということなのか?」


 :うんうん。……は?

 :勝てたからもうよくないか?

 :下には下がいるし、上には上がいる。見てもきりのないことだよ

 :それにしても速いな

 :これが才能の無駄遣いというやつですねわかります

 :もっとうまい人の配信に現れたらいいのに

 :なんでこんな初心者の配信に現れるんですかねぇ……

 :↑ファンだからだろ

 :なるほど

 :天才か?

 :↑お前らが劣等なんだよ


 くそぉ、穴があったら入りたい。

 入る穴もないけど。というか、なんで穴に入るんだろう。

 覚えてたら後でグクるか。


 それにしても、速いなぁ。私勝てる気がしないんだけど……。

 こうさ。私の配信に上手い人が現れた終わりでしょ。そう思う。


   ✕   ✕   ✕   ✕


「はい。ということで、ゆほちゃんが九位。私が三位。ルイネが四位と……なぜか物凄い人が現れてこんな惨めな結果になってしまいましたので、ルイネ、ゆほちゃんは……ちょっと後で体育館裏来いや」

「ここには体育館もねぇし、体育館がないなら裏もねぇし……そしてなんでキレてんだよ……」

「いや、別に怒ってないけど。どうしたの?」

「どうしたのはこっちのセリフだよ……頭大丈夫か?」


 :にこにこ

 :心が晴れやかになっていく

 :やっぱVliveだなぁ……

 :うほちゃん九位かぁ……

 :うほちゃんw

 :うほちゃん草

 :ゴリラかな? 学名ゆほ・うほかな?


「あー! ちょっとコメント欄! 私がいたらなんでもコメントしてもいい訳じゃないんですからねー! なんですかゆほ・うほって……馬鹿にしてます?」


 :そりゃしてるだろ……

 :馬鹿にしてないほうが怖いんだけど……

 :とうとう壊れちゃった

 :請われてんのはいつもだろ定期


 なんか、この配信極民多くない?

 気のせい? 木の精?


 それはそうと気を取り直して二回目、イクゾー!

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