第20話 人生? なにそれおいしいの?
「まず、この人生ゲームには二つのモードがあって、合計取得金額を競う、「わいわいモード」と、お金じゃなく、幸せを競う「プライスレスモード」の二種類があるよ。ちなみに、PCUはモード関係なく、お金を集めようとするよ。CPUがルール理解してないって笑えるよね」
「全然笑えないよ?」
:うん。嗤えねえ
:そうだな
:うん
:お前らなんかもっとあるだろ
「プレイ人数は四人! それじゃあ、始めるよ!」
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「まず、キャラクターは十人の中から選んでね」
「いやいや、ひーちゃん。もっとあるでしょ。っていうか、名前も決まってるんだけど?」
「そうね。なにこれ? 誰が誰だかわかんないじゃない」
「なにこれえ……」
「まず、茶色い髪の女の子、「あおい」が「ゆほ」ちゃんね!」
「えー。髪が茶色いとこしかかぶってないんだけど……」
「黄色い髪の女の子、「かのん」が「サキ」ちゃん」
「私、髪色と目の色しかかぶってないんだけど……髪型に至ってはなにこれ。みたいな感じなんだけど……」
「で、かえるの着ぐるみをかぶった、頭の可笑しそうな女の子、「れな」が「いろはす」ね!」
「ねえ。なんか私、馬鹿にされてない? されてるわよね」
「それで、水色ツインテールの女の子、「ななみ」が私、「ひすい」です!」
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画面が映し出される。
まあ、見たことある人生遊戯だな。みたいな感想を抱く画面だ。
「あっ、所持金一千万円。すんごいお金持ちですね」
「ほんとだねえ」
「そうね。これだけあれば、なんでも……はできはしないわね」
「じゃあ、ゆほちゃんから。Aボタンを押しながら、Niiリモコンを振ってね」
ひーちゃんにそういわれたので、私はAボタンを押し込みながら、Niiリモコンを振る。
すると、画面上のルーレットが回転して、画面には1と表示されていた。
すると、かってに「あおい」が歩き出し、才能カードを入手したのち「かなしみマス」とかいうふざけた名前のマスに止まった。
すると、なにかムービーが流れ始め、
『大変だ! お母さんから持たされた給食費の袋がなくなっている! どこでなくしたんだろう。鞄の中に入れたはずなのに……。盗まれたに違いない! 先生に相談して、犯人を見つけよう! 「とった人がいたら、手を上げなさい」誰も手を上げないや……。ああ! 鞄の奥に紛れてた! 疑っちゃってごめん! みんな!』
「は?」
「あ、ちなみに際のカードは、才能によって、就いた職業の給料、パラメーターがアップするものだよ」
「次、サキちゃん」
サキも同様にルーレットを振り、1が手でかなしみマスに止まった。すると、
『大変だ! お母さんから持たされた給食費の袋がなくなっている! どこでなくしたんだろう。鞄の中に入れたはずなのに……。盗まれたに違いない! 先生に相談して、犯人を見つけよう! 「とった人がいたら、手を上げなさい」誰も手を上げないや……。ああ! 鞄の奥に紛れてた! 疑っちゃってごめん! みんな!』
「え? さっきとおんなじ奴じゃん」
「ああ、このゲーム圧倒的にイベントが少ないから、こうやって被るよ」
:めちゃくちゃだなあ
:なんでこんなことをするんですか!
:うん。クソ
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『「よろこびマス!」新幹線こまちに乗ってきたからあっという間についた!
秋田名物を見に行こう!
なまはげについて調べよう。
なになに・・・なまはげは大晦日にやってくるんだって!
だけど観光施設へ行けばいつでも会えるみたい!
さっそくいってみようっと!』
「え? なんなのよ。これ」
「意味わかんないですね」
:もう、俺頭痛くなってきた
:奇遇だな、俺も
:実は、俺も
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『鳥取名物が食べたい
「カレーライスでいいかな?」
「カレー大好き!是非お願いします」
らっきょう漬けがのっている普通のカレーだった
「カレーの消費量は日本一でラッキョウは鳥取の特産品!
両方とも鳥取の県民食だよ」
ラッキョウを食べてみたシャキシャキしておいしかった!』
「なめんな。なに? このクソイベ」
「ちょっと、もう……精神が……やばいよお………」
「ちょっと、私のSAN値が限界まで削れているんだけど……」
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―――一時間経過。
『香川は讃岐とも呼ばれているんだよね
と、そのとき讃岐をこよなく愛する讃岐おじさんが現れた!
「突然!讃岐クイズ!こんぴらさんの石段は何段あるでしょ~か?」
・600段
・1368段
事前に調べてきたからわかる!1368段あるんだよね!
「正解!見込みがあるお前をわしが一流の讃岐人にしちゃる!」
え~っ! 結構ですぅ~!
讃岐おじさんから逃げまわってすっかり疲れちゃった……』
「あああああああ!」
私が叫んで刹那、ゴンッと鈍い音が鳴る。
:なに?
:なにがあった
:どうした? 大丈夫か?
「ただ、ゆほちゃんがNiiリモコンを投げ飛ばしただけなので、何の問題もないです」
:問題しかないだろ
:ああ、また心壊れちゃったよ
:精神崩壊しすぎだろ
:つらいんだなあ……
:俺らも十分つらいよ
私の人生はまだまだ終わらない。
はやく、はやく終わりたい。そしてやめたい!




