表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/36

1 犬猿の幼馴染の婚約発表①

はじめまして&お久しぶりです。

瑞貴です。

本作はすでに「小説家になろう」様のサイトへ投稿している同タイトル作品の【中編版】となります。

こちらは長編版とやや設定が異なるため、6万5千文字で完結の作品となります。

すでに長編版をお読みいただいている読者様にとっては、新作ではなく、大変申し訳ないのですが、瑞貴の作品をこのサイトに集約するために投稿させていただくので、ご理解・ご容赦ください。

そのため、全話さくさくと投稿していきます。

 時は、ヴァロン王国歴の四月一日。


 国中の令嬢を泣かせる大きなニュースが飛び込み、貴族新聞を手にする者たちに激震が走った──。


「おい、この新聞の記事を見てみろ!」


 トルイユ子爵家の狭いリビングの扉が大きく開くと同時に、ダニエルの興奮した声が響く。

 ちなみにダニエルとは、六つ歳の離れた兄の名前だ。


 兄は陽気な性格だけど、婚約者も恋人もいない。いわゆる、絶賛パートナーを募集中の、ぼっち男である。残念ながら私も……。


 先見の明もないくせに、ギャンブル気質のダニエルが、全く価値のない山を、大きな借金を作ってまで無理に購入した我が家は、頭に花の咲いた一家と社交界で笑われ、白い目で見られ続けている。


 その原因を作った当の兄は、「温泉王になる」と世迷いごとを、自信げに言い続けているため、社交界で変人扱いをされているのだが……。


「ほら、読め読めっ!」

 そんな兄から渡された貴族新聞──。視線を向けずにボケッとしていると、兄が続けた。



「ほら、新聞のここだ。早く読めよ!」


「何か面白い話でも載っているのかしら?」


「ビッグニュースだ。ラングラン公爵家のレオナール様の婚約発表が書かれてあるぞ」


「ふ~ん」と間延びする音を出す私は、その話題に大して興味はない。会えば喧嘩の幼馴染のことだし、どうでもいい。


 まあ一応、レオナールは幼馴染ではあるし、これくらい知っておいても損はないだろうと目を通す。


 なになに――。

「はっ……?」


「なぁ、驚いただろう」

 絶句する私の反応を見て、茶色の瞳を大きく見開く兄が得意げに言った。



 貴族新聞へ目をやると、大きな文字の見出しで、突拍子もない書き方をされている。


【緊急発表!】


『数多の令嬢たちが、妻の座を狙っていたレオナール・ラングラン(二十歳)が、婚約を発表!』


 ちなみに勘違いはよくないから言っておくけど、私は数多の令嬢の一人には入っていない。


 レオナールなんかを狙っていないし、狙うわけもない。

 彼は、私を「枯れ木」やら「お前」と言い、名前すら呼んでくれないのだ。


 ちなみに、どうして枯れ木かというと、緩いウエーブの茶色の髪が、枯れ葉のようで、くりっとした茶色の瞳はどんぐり。そのうえ細長い手足が枯れ枝に見えるらしい。


 はぁ⁉ どうやっても見えないだろう!


 彼はいつも私をケラケラと笑っているけど、むしろ私が枯れ木に見えるのなら、彼の目は、相当悪いのかしらと心配になるレベルだ。



 それはさておき、その続きを読もうと再び文字を追う。


 レオナールについて、随分と誇張した貴族新聞によると──。


【紫の瞳と輝く金髪の見目麗しい貴公子が、このたび自身の婚約を公表した。


 だが、現時点でラングラン公爵家は、そのお相手の言及を避け、婚約者は未だ謎のままである。

 ここ数年、年若いご令嬢が彼の妻の座を狙い、熾烈な婚約者戦いを繰り広げていたが、一体誰がラングラン公爵家のご令息の心を捉えたのか⁉


 婚約者については、公爵家主催のパーティーで公表するとのこと】




 ──以上が、新聞記事の内容だ。

2024年10月19日まで、瑞貴主催のサイン本とお菓子のプレゼント企画を開催しております。

広告バーナーの下に詳細を記載しておりますので、ぜひ、お気軽にご参加ください!!!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ