タイムスリップ能力
歴史には自信がありません...
私はその場所へ行った。町から少し歩いたところに、建物が見えてきた。かなり古く廃墟みたいな雰囲気だ。
「こんなところで私の親らしき人は、何をしていたんだろう?」
そんな疑問が生まれた。でも、いかないとダメな気がした、ここで進まないと...私は心に決めて中へと入った。
「ほこりが凄い...」
咳をしながら私は奥へと進んだ。少し歩いてわかったが、ここは研究所だったようだ。資料を読み漁ることにした。読んでいると、遺伝子についての実験をしていたらしい。私もここで生まれたらしい。守れなくてとはそういう意味だったのかもしれない。それから20分後ある資料を見つけた。『1209実験結果』と書いてある。基本私の知っていることだったが、一つだけ知らないことがあった、それはいわゆるタイムスリップ系の能力だ。でも、感情がはっきりしていないとランダムな時間、世界に飛ばされてしまうと書いてあった。そして、丁寧に戻り方が書いてあった。『不完全でランダムな時間に突然戻される』
使い勝手が少し悪そうだ。手紙の通り親二人はここで働いていたのかもしれない...
「やってみる..か」
私は発動条件の呪文的なものを読み始めた。
「神よ、聖なる力を我に宿してくれ。slittamento del tempo!」
自分の体が粒子のようになり、空へと引きずられる感覚があった。気ずいたら森の中にいた。
「ここは...どこだ?」
建物が葉の間から日の光と共に目に入った。そっちに私は歩いた。あれは、城か?石畳の道に馬車が通っている。そうか、ここは中世かもしれない。本で読んだことがある気がした。試しに町の人に聞いてみることにした。
「ここって、どこですか?」
「なに寝ぼけたこと言ってんだ?ここは神聖ローマ帝国だよ」
やっぱりここは中世だった。本にはドイツと書いてあった。
「それに今この国は戦争をしているからね」
「何の戦争ですか?」
「フランス王国ともめてね、戦争をしているんだよ。でもあんたさすがに世間知らなさすぎぎゃない?」
「す、すみません...でも教えてくれてありがとうございました」
そうして、私は街を歩いた。前の世界とは歴史が少し違うみたいだ。すごく色鮮やかな街並み大きい城壁、その先にある城。さすが中世すごい。しかしお金が無い...ん?
「義勇兵募集?」
これしかないと思った私はすぐに応募し、見習い義勇兵という扱いになった。そして初任給的なものをもらい、無事宿を確保した。
slittamento del tempoは、イタリア語でタイムスリップという意味です。
googleで調べました。
追記
タイムスリップした世界場所もランダムで、言葉も通じるようになっています。




