取得アイテム③
ちょっと予定よりも運営さんの登場が遅い……、です。すみません。
ユニークと思われるものはドンドン測定していかなければならない。ユニークでなくとも、レアリティが高いと思われるものもドンドン測定していかなければならない。恐らく何らかの隠された性能が測定1つで機能する様になるだろうから。
(これ、結構意地悪いんじゃ……。)
アポロンの場合、称号のお陰でこの先手に入れたもののレアリティは分かる様になるが、以前に手に入れたものは測定をしなければならない。
そしてアポロン以外のプレイヤーは毎度毎度レアリティ測定をせねばならないのだ。
(測定自体はAIがやって来れるみたいだけどさ……。)
しかしハッキリとレアリティ測定が知られなければ、意図的に依頼出来ない。アポロンだって疑問を抱いた事を切っ掛けにAIからレアリティ測定について教えられたのだ。つまり偶然でしか知らされない機能なのだ。
(何でこんな仕様にしたんだ?)
首を捻るアポロン。そんなアポロンにAIはアナウンスとなり、答える。
エリアによってレアリティが変わるケースや、プレイヤーの行動によってレアリティが変わるケースがございますから。レアリティ測定はそうしたケースの報告の1つになる設定なのです。
「それ、言っても良いの?」と聞きたいメタ回答が混じっている。
そしてプレイヤーは社会人設定です。「報告・連絡・相談」を怠る場合、何らかの罰則が与えられる様な事態を引き起こすケースもございます。「ようこそ、我等の地球へ」では、その罰則を「『性能の全てを作動している訳ではない状態で使用している』状況を押し付ける事」となっております。所謂、隠れペナルティ、と言うものですね。
「それ、言っても良いの?」と突っ込みたいメタ回答である。
(……まあ良いのだろうな……。)
こう言ったメタ回答は少し前にも聞いている。問題無いと判断されているのだろう。
問題有りません。
実際、こうした返事が寄越される。アポロンは突っ込み思考を停止させ、取り敢えず今持っているアイテムの全部のレアリティ測定はするつもりは無いが、「せめてこれのレア度だけは知りたい」と思うものを測定する事にした。それは「神の正産器」と「原始のダンジョン・コア」だ。
「『神の生産器』と『原始のダンジョン・コア』のレアリティ測定を頼む。」
思い付くままにアポロンは依頼する。
承知致しました。只今、レアリティ測定を行っております。暫くお待ち下さい……………。測定が完了しました。御覧下さいませ。
神の生産器/ユニーク。如何なる薬物も如何なる錬金アイテムも如何なる金属品も如何なる木製品も如何なる宝飾品も如何なる武器防具も如何なる布製品も如何なる建築物も如何なる生活用品も……、ありとあらゆる生産品を作成可能とする器。但し使用者が生産慣れしていないと予定とは違うものが作成されてしまう。神器シリーズの1つ。尚、他の神器シリーズだけは作成(複製)不可。神器シリーズ以外のユニークアイテムならば作成可能であるが、元になったユニークアイテムは壊れてしまう。しかし使い捨てユニークアイテムならば、使用後にまた作成する事が可能となる。
原始のダンジョン・コア/ユニーク。通常のダンジョン・コア(天然物・人工物合わせて)同様、ダンジョン・クリエイト発動に必要なアイテムでダンジョンを作成出来る神器シリーズ亜種。原始のダンジョン・コアの方が通常のダンジョン・コアより性能が5倍良い為、ダンジョンの成長率が通常のダンジョン・コアの10倍良い。
ユニークだと判明した途端に性能が上がったと分かる説明である。
(ん?)
アポロンの中に疑問が2つ生まれる。それは
①「神の装飾銃」と「神の装飾漢服」がユニークだと判明した後の説明について
②「原始のダンジョン・コア」の説明の一部が奇妙な事
の2つだ。①から見てみる。
神の装飾銃/ユニーク。力を喪った神の成れの果て同士による力の交わりにて、新たなる姿を成した神の装飾武器。装備者に合わせて如何なる形状にも変更可能。複数武器同時体現可。常態は腕輪。戦闘時に銃へと変化する。破壊不可能。成長可。現在の物攻、魔攻ステータスはH。他の武器より成長率の早い銃の性質も受け継いでいる。神器シリーズの1つ。
神の装飾漢服/ユニーク。力を喪った神の成れの果て同士による力の交わりにて、新たなる姿を成した神の装飾防具。装備者に合わせて如何なる形状にも変更可能。複数防具同時体現可。常態も戦闘時も同じ形を取っている。破壊不可能。成長可。現在の物防、魔防ステータスはH。神器シリーズの1つ。
そして過去ログ(プレイヤーver)を確認すると、ユニークだと判明する前の説明はこうである。
神の装飾銃/力を喪った神の成れの果て同士による力の交わりにて、新たなる姿を成した神の装飾武器。装備者に合わせて如何なる形状にも変更可能。複数武器同時体現可。常態は腕輪。戦闘時に銃へと変化する。破壊不可能。成長可。現在の物攻、魔攻ステータスはH。他の武器より成長率の早い銃の性質も受け継いでいる。神器シリーズの1つ。
神の装飾漢服/力を喪った神の成れの果て同士による力の交わりにて、新たなる姿を成した神の装飾防具。装備者に合わせて如何なる形状にも変更可能。複数防具同時体現可。常態も戦闘時も同じ形を取っている。破壊不可能。成長可。現在の物防、魔防ステータスはH。神器シリーズの1つ。
そして「神の生産器」と「原始のダンジョン・コア」がユニークだと判明する前後でこうである。
before:
神の生産器/如何なる薬物も如何なる錬金アイテムも如何なる金属品も如何なる木製品も如何なる宝飾品も如何なる武器防具も如何なる布製品も如何なる建築物も如何なる生活用品も……、ありとあらゆる生産品を作成可能とする器。但し使用者が生産慣れしていないと予定とは違うものが作成されてしまう。神器シリーズの1つ。尚、他の神器シリーズだけは作成(複製)不可。
原始のダンジョン・コア/通常のダンジョン・コア(天然物・人工物合わせて)同様、ダンジョン・クリエイト発動に必要なアイテムでダンジョンを作成出来る神器シリーズ亜種。原始のダンジョン・コアの方が通常のダンジョン・コアより性能が良い為、ダンジョンの成長率が良い。
afta:
神の生産器/ユニーク。如何なる薬物も如何なる錬金アイテムも如何なる金属品も如何なる木製品も如何なる宝飾品も如何なる武器防具も如何なる布製品も如何なる建築物も如何なる生活用品も……、ありとあらゆる生産品を作成可能とする器。但し使用者が生産慣れしていないと予定とは違うものが作成されてしまう。神器シリーズの1つ。尚、他の神器シリーズだけは作成(複製)不可。神器シリーズ以外のユニークアイテムならば作成可能であるが、元になったユニークアイテムは壊れてしまう。しかし使い捨てユニークアイテムならば、使用後にまた作成する事が可能となる。
原始のダンジョン・コア/ユニーク。通常のダンジョン・コア(天然物・人工物合わせて)同様、ダンジョン・クリエイト発動に必要なアイテムでダンジョンを作成出来る神器シリーズ亜種。原始のダンジョン・コアの方が通常のダンジョン・コアより性能が5倍良い為、ダンジョンの成長率が通常のダンジョン・コアの10倍良い。
明らかに説明が違っている。ユニークだと判明した事で(もしかしたら称号の効果も相成って)、更にアイテムが良いものに変化しているのだ。しかし「神の装飾銃」と「神の装飾漢服」には「ユニーク」と言う文字以外の変化が無い。それは何故か。
はい。レアリティは元々、スティル星人が手に入れ辛い品に対して、付けたものです。その基準を地球人は参考にして、新たな基準を設けております。プレイヤーがレアリティを知りたければ、レアリティを測定するしかありません。そして測定する事に依って花開く特性も存在します。
ログを確認すると、レアリティ測定に対するアナウンス内容も見付け出せる。引っ掛かるのは最後の一文。
そして測定する事に依って花開く特性も存在します。
「花開く特性『も』存在します」……、つまり、「花開かない特性『も』存在する」……、と言う事ではないか。もっと言えば開花するものが無いケースもあるのではないか。それに気付いたアポロンはAIに尋ねる。
「ユニークだと判明する・しないに関わらず、性能が変わらないものもある……、いや、『神の装飾銃』と『神の装飾漢服』はユニーク判明に関わらず、性能が変わらないのか?」
尋ね方を途中で変えたのは、ユニーク全体を尋ねてもハッキリとした返答が有るとは限らないと気付いたからだ。今までの質問とその返答を考えると「答えられない」と言われる事も重々に有り得る。故に「神の装飾銃」と「神の装飾漢服」についてだとハッキリ口にした。「限定した」とも言える。そして帰って来た答えは。
いいえ。ですが、元より何かと比較されたりしていない部分やハッキリとランクを記されたりしていない面の性能が強化されるなら、説明は変わりません。
そしてその場合、強化された性能を確定させない限りは説明として記され直す事も有りません。
と言うもの。アポロンは少し考える。
(俺がちゃんと聞くまで答えない……、考えてみたら、こう言う事は多いな。レアリティ測定は「報・連・相」の意味が有った訳だけど、どちらかと言えば基本的にこのパターンが有って、何か理由付けしている……、後付け設定っぽいなぁ……。)
例えばリアルでは言葉の選択次第で、会話相手から感じ取られる印象を変化させる事が有る。そして従来のゲームでは選択肢の選び方で会話の行く先が変わる事が有る。
つまり従来のゲームでは、リアルの会話事情について、反映させる事が出来ない。精々が上記レベルがやっとなのだ。
しかしVRMMOであるこのゲームは自由度が高い。よりコミュニケーションをリアルに近付ける事も可能だ。尤も現状況が情報提供側としてのリアルが有るかと問われればそれは謎であると思われるが。
(何にしても自分から聞く姿勢……、いや訊く行動が必要になって来る訳だな。)
となると最初に行う事は1つだ。
「『神の装飾銃』と『神の装飾漢服』のユニーク判明で明らかになる効果って何? 後、序に称号の効果も教えて貰える?」
これで果たしてAIは答えてくれるか。
どちらも成長率ですね。種族:デミゴッド以外では会得不可能ですので、装備主のレベルではなく、「使い慣れ」に呼応して成長するのですが、その成長率が早くなります。ユニークと判明前を1と置きますと、判明後は1.5倍となります。また称号によるプラス効果はランダムになりますが、今回は此方双方共成長率となっておりまして、既存の2倍早くなっています。合計しますと3倍早くなりますね。
考える間もなく、アナウンスが響いた。
「神の装飾銃」と「神の装飾漢服」。この2つのユニーク性能をハッキリと確認出来た上で装備欄の説明を開く。
・装備
神の装飾銃/ユニーク。力を喪った神の成れの果て同士による力の交わりにて、新たなる姿を成した神の装飾武器。装備者に合わせて如何なる形状にも変更可能。複数武器同時体現可。常態は腕輪。戦闘時に銃へと変化する。破壊不可能。成長可。現在の物攻、魔攻ステータスはH。他の武器より成長率の早い銃の性質も受け継いでいる上に、ユニーク判明効果と称号効果に付き、判明前の3倍早い。神器シリーズの1つ。
神の装飾漢服/ユニーク。力を喪った神の成れの果て同士による力の交わりにて、新たなる姿を成した神の装飾防具。装備者に合わせて如何なる形状にも変更可能。複数防具同時体現可。常態も戦闘時も同じ形を取っている。破壊不可能。成長可(ユニーク判明効果と称号効果に付き、判明前の3倍早い)。現在の物防、魔防ステータスはH。神器シリーズの1つ。
変化した説明を読み返し、アナウンスの返答通りになっている事を視認する。
(しかしこれ……、多分、ラストに聞いても分かったんだろうなぁ……。)
ちらりと沈黙を貫いて作った焚き火の前に座るラストを見遣る。
(と言うか、NPCが周囲に居ない状況ではアナウンスに頼れる様になってるだけで、本当はNPCから聞くのが妥当な流れっぽいな……。)
後付けだろうが何だろうが、「報告」・「連絡」・「相談」と言う設定を考慮すると、「NPCとの遣り取りが重要な意味合いを持つ」と言う手法にかなり力を於いている気がする。まあ、それが正しいとしても、ラストを元に戻して、遣り取りを正常化しようなんて思わないのがアポロンの性格であるが(勿論、後悔も無い)。
それはそうと、只、そうなるとコミュニケーション能力に難が有ると、攻略にも支障を来す事になる。もしかしたらアナウンスにはそうした事からの救済の働きも有るのかも知れない。
そんな事をツラツラと考えながら、アポロンは次いで、また称号欄を見る。変更が出ているかもしれないと思ったからだ。
・称号
初めてのデータ変換者:
スキルによりゲームプログラムを改竄した、初めてのプレイヤーに与えられる称号。当称号が初獲得の場合のみ、5000ポイントを得る。
悪意のデータ変換者:
初回時のゲームプログラム改竄が味方陣営対象且つ悪意改竄であった場合のみに与えられる称号。当スキル使用に関する技量が8万以上9万以下上がる。但し他要素と相反する場合は上がった数値が他要素に合わせて振り分けられる。
ダンジョン・メーカー:
ダンジョン・コアを会得した者に与えられる称号。ダンジョンを実際に作成すると、「ダンジョン・マスター」に進化する。
ユニークの封印を解きし者:
最初にユニークシリーズを手にしたプレイヤー且つ、自身がユニークを保持していた事に自覚がある者に与えられる称号。レアリティ測定をしなければ、ユニークを保持していても、ユニークだとは本人も分からないまま……。
※称号効果/ユニークと測定されたものの、ユニーク性能の何かをランダムに上げる。
ユニークを追い求める者:
ユニークシリーズを3つ以上、会得していると自覚している者に与えられる称号。称号「ユニークを求める者」から進化した称号。
※称号効果/ポイントを手に入れる。付与される値はステータスを参照にされた称号「ユニークを求める者」効果にプラスH。
レアリティを知る者:
レアリティ測定を初めて行った際に、与えられる称号。
※称号効果/称号を手に入れた後より、集めた物にレアリティ測定が自動的に使われる。
案の定、とまでは言わないが、「もしかして……」と思っていた称号「ユニークを求める者」に変化が有った。その変化前後をきちんと確認すると、ステータス欄の最初(若しくは基本?)に出現している能力値を今一度、確認する。
ステータス
種族:デミゴッド
ジョブ:神人
各能力値:
HP:S+A
MP:S+A
物攻:S+A+H
物防:S+A+H
魔攻:S+A+H
魔防:S+A+H
スピード:S+A
技量:S+A
残りポイント:B+C+G
そこでアラームが聞こえた。考える間でもなくログアウトしても構わない頃合いではある。だとすれば気に掛ける事は1つしかない。
「ここは安全地帯か?」
ラストを意識する事も無く、AIに尋ねる。
はい。此方は敵性存在が侵入出来ない設定の場でございます。「始まりの広場」改め、「始まりの洞穴」となります。
その答えに心は決まった。まあ、何となくモンスターが出現しないので、そうでは無いかと思っていたが、予想は正しいかったらしい。
「今日はもうログアウトするよ。」
アポロンはそう宣言した直後、意識の沈静と上昇を覚えた。
お読み頂きありがとうございます。大感謝です!
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