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課金チートのボッチ生活  作者: 美香
第三章
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ジョブとプレイヤーネーム、そしてゲーム開始へ

ジョブ説明、終わります。名前も行きました。そしてゲーム開始へ……。

トロい展開ですみません。

 トランス5万1270号の次なる説明はジョブである。

『では引き続き、ジョブについて説明させて頂きます。当方、ジョブの種類は様々にありますが、大きく分けますと3種あります。下級ジョブ、上級ジョブ、希少ジョブです。尚、希少ジョブにはユニークジョブも含みます。ユニークジョブは数あるプレイヤーの中、1人だけに与えられる職業です。その為、課金で買う事は出来ません。

 習得出来るジョブは無数に渡りますが、ステータスやスキルに恩恵を与えるには装備して頂く必要があり、ジョブ装備枠は3つまでとなっております。』

 昔懐かしスーパーファミコ○時代のRPG代表ドラゴンクエス○では、職業と言うものがあった。職業を選択し、鍛え、様々な特技や魔法を覚えた。上限まで鍛えると、また別の職業を選択して鍛える事が出来た。1度に選択出来る職業は1つだけ、1度に鍛える事が出来る職業も1つだけだった。しかし鍛え切った職業から別の職業へ移っても、それで覚えた特技や魔法を忘れたりはしない。但しステータスは変わる。

 次郎は別にレトロゲームを好んでプレイしたりはしないので、そんな昔の話は知らない。その為、「ふむふむ」と普通に「そう言うルール」として聞いている。

『ジョブ装備枠は主に鍛え、ステータスに大きな影響を与えるジョブを装備するメインジョブ、ステータスに補助的な影響を与え、メインジョブに比べ、入る経験値が半分になるサブジョブ2つとなります。』

「メインジョブの方が鍛えやすいって事だね。」

 まあ、別に驚く話ではない。メインジョブとサブジョブがあるならば、そりゃそうなるだろう。

『はい。それからジョブにはジョブ固有スキルとそうで無いノーマルスキルがあります。前者は装備枠から外すと使えなくなりますので、ご注意下さい。ノーマルスキルならば、ジョブを外しても基本はお使いになる事は出来ます。しかし威力に変動があったり、使用する武器によっては使えなくなったりもしますので、ご留意下さい。』

 これもまた予想内である。ジョブ固有スキルが存在するのも、固有スキルがジョブを外せば使えなくなるのも、ステータス変動により、ノーマルスキルの威力が変わるのも、例えば剣の技をハンマーで使える様な事が起こらないのも、全て予想内である。

『基本的にジョブはクエスト攻略関連を含めた、プレイヤーの行動や言動により決まります。より正確に申しますと、プレイヤーの行動や言動により、称号を貰えたり、スキルを覚えたりするのですが、その方向性をAIが検証し、ピッタリだと判断したジョブをジョブ候補欄にお送りします。お気に召せばジョブ装備枠にセットして頂き、そうして初めて、そのジョブに就いていると言う状態になります。そしてジョブを鍛えて頂く事で、新たなスキルを覚える事になるのです。』

「成る程、因みに駄目元で聞くけどユニーク以外のジョブをここで買う事は出来ないの?」

『申し訳有りませんが、出来ません。』

「うん、了解。やっぱそうか。」

 「アバター関連」と言おうか、「人種関連」と言おうか、とにかく「ソレ以外の課金」に付いて尋ねた時には、ジョブの話は出なかったので、期待はしていなかった。そもそもここでジョブを決めたりするのであれば、ステータスの前になるだろう。念の為程度に尋ねた事への答えは「やっぱり」と感じさせるものだった。

『初期ジョブに付きましては、ゲーム開始直後のチュートリアルで詳細を聞かされるでしょうから、此処では省きます。チュートリアル終了後、ノーマルスキルやジョブをお買い上げ頂く事が可能になりますが、上級ジョブやユニークを除く希少ジョブは条件を満たさなければセット出来ません。その点をご了承願います。』

「それって買う前に分かるの?」

 ジョブ名を見ただけで判断出来るなら問題無いが、そうでないならちゃんと記して貰いたい。でなければ買った後で「しまった!」とかなるかも知れないからだ。

『勿論です。ジョブ購入時では予め、下級ジョブ、上級ジョブ、希少ジョブと分けて販売しておりますから。』

「それなら良いや、ありがとう。」

 ホッとした次郎にトランス5万1270号は答え、先を続ける。

『御礼、嬉しく思います。

 それから先にお話させて頂いたジョブ装備枠の件ですが……。確かに基本は3枠ですが、()()()()()()()()2枠しか使えなくなったり、1枠しか使えなくなったりもします。その点もご留意下さい。』

「『()()()()()()()()』って事は、下級はまあともかく、希少だとか上級だとかは関係無いって事かな?」 

 首を撚る次郎にトランス5万1270号はこう答える。

『申し訳有りませんが、お答え出来ません。』

 今までの事を考えると驚きはしない。次郎は納得して頷く。

『ご理解、ありがとうございます。これにてジョブの説明、並びに必要事項の説明を終わらせて頂きます。ゲームプレイ時、新たな疑問が生まれた場合は、運営へご質問願います。お答え出来ない事もございますが、可能な限り、真摯に対応させて頂きますので。』

 そうして聞く人間に恭しく感じさせる声音でトランス5万1270号は説明を結ぶとこう告げた。

『では最後にプレイヤーネームをお決めになって下さい。』

 そして暫く考えたーー「そういや、ネトゲなんだし本名まんまは無いか。次郎の響きもアバターに合わんし……、片仮名が似合う名前が良いかな」とかぶつくさ呟きながらーー次郎はプレイヤーネームを決めた。


 「アポロン」、と。


 …………音無太陽神(アポロン)


 太陽神と書いてアポロンと読ませる名を持つのは次郎の双子の兄であった。長男教家庭である音無家の跡継ぎだと言われたアポロンと次郎の扱いと比べると、その差は歴然であった。尤もキラキラネームから考えてもそれが当人に取って良い事であるとは言い切れないが。

 ……次郎とアポロンは特に仲が悪い訳では無かった。良くも無かった。羨望も蔑視も好意も嫌悪も互いに持ち合わせていなかった。互いに無関心だったと言って良い。

 だから家を出てから今まで、次郎はアポロンに連絡を取った事は勿論、取ろうとした事さえ無い。既に記憶の彼方である。しかし何も思い出す事を忌避している訳でも無いので、切っ掛けさえ有れば簡単に思い起こせる。今回の場合、「片仮名の名前」が契機だった。

 次郎はここ1年未満で漫画やラノベ、ゲームに手を出していて、別に外国風味のあるものを除外していた訳でも無かったので、「片仮名の名前」なら幾つも触れ合って来た筈だ。しかしそんな数多の片仮名ネームより、兄の名前を思い出した。如何に無関心とは言えど、赤ん坊から15年一緒に育った相手の名前の方が印象に残っていた、と言う事だろう。ある意味では普通の事だ。


 しかし、その後はそうではない。


 「ネトゲで本名は無い」とか言いながら、幾らキラキラネームで実際に今、存在している日本人名だと想像し難いとは言えど、その兄の名前をあろうことかゲーム内に於ける自身の分身とも言える、アバターに付けやがる糞行為を取ったのだから。

 兄の存在に忌避しないが好んでも居ない。只管無関心でどうなろうと知った事でも無い。だから平気でアポロンの名を使った。

 ギリシャ神話の太陽神に銀髪のイメージなんぞ無いが、どちらかと言えば金髪だと思うが、次郎はそこまでは考えていない。


 ーーこうして彼のプレイヤーネームは「アポロン」となった。


 トランス5万1270号はプレイヤーネームを決定付けた次郎に告げる。

『畏まりました。プレイヤーネーム「アポロン」。受理致します。受理完了致しました。それではゲームスタート地点、「始まりの広場」へと転送を行います。転送後、直ぐにチュートリアルが始まりますので。

 ーーではどうぞ、お楽しみ下さい。』

 宇宙空間がブレて、白く輝きーー、その瞬間後、次郎はーー否、此処からゲーム内にてはアポロンと呼ぼうーー、アポロンは真っ暗な中、唯一の光源となる焚き火によって、森を拓いたっぽい場所と判別出来る光景の中に居た。




約40年後の残額予定

約2兆9987億1500万→約2兆9987億

お読み頂き、ありがとうございます。大感謝です!

ブグマ、評価、イイネ、全て嬉しく思います。重ね重ねありがとうございます。


金髪じゃないのにこの名前?

そこまで次郎は考えていません(笑)。

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