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課金チートのボッチ生活  作者: 美香
第三章
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アバター作成②

漸くアバター作成完了しました。

次回はステータスです。……早いと…、良いのですが。

 疑問はさておき。アバター作成料金表に記されている金額は安い順に並べると10万→20万→30万→40万→100万→1000万となっている。考える間でなく、アバター作成1000万はアバター情報開示500万の人種に対応しているのだろう。

「まあ……、何にしても選ぶ(課金する)なら、高い奴一択だし……、そうなると他を知っても意味無いかなあ……。」

 攻略されて公開されるなら、シナリオもそれに見合うものを用意されている筈だ。自身がそれにガッツリ触れるかはともかく、攻略されたならシナリオもまた公開される筈だ(ネトゲ経験が無い者の単なる謎の思い込み)。シナリオと発見される人種自身を楽しみにしたいなら、今、他人種を知るのはやはり勿体無いし、無意味だ。

「良し、決めた!! 一番高い奴でアバターを作る!!」

『畏まりました。開示料金と合わせてアバター作成料は1500万となります。…………お支払い確認出来ました。ありがとうございます。』

 既に必要な手続きをゲーム外で行っている為、ゲーム内で課金すると決めれば即座に支払いが可能だ(尚、月1、年1の支払いも選択可能ではある)。

『それではアバターを実装致します。……………………実装完了致しました。』

 数秒後、彼の目の前には2つの文字。右側には「ヒューマン」。そして左にはーー、


 「デミゴッド」。


 トランス5万1270号は続けた。

「左の『「デミゴッド』」を選択する』と仰って下さい。」

「おお……! 何か凄そう……、『デミゴッド』を選択する!!」

 人種の名前に思わず『当たりを引いた』とばかりにガッツポーズ。「デミゴッド」なんて人種、恐らく現実には無い。だからファンタジーで偶に聞く種族の方で良いのだろう。ならばやはり未実装な他アバターの元になるスティル星の人種には、獣人やエルフやドワーフが入って来ると思って良さそうだ。

『では引き続き、アバター作成にお取り掛かり下さい。』

 そんなトランス5万1270号の言葉に頷く。デミゴッドに一目で分かる、外見上の種族特性が有るか無いかは分からないが、もし有るならばそれを兼ね揃えた基礎アバターが現れるだろう。

「あれ? これ……、一応、俺なの?」

 そんな予想を覆す様に、或いは「外見上の特性? 無いよ」的な答えを示すかの様に、目の前に現れたのは自分に良く似た外国人。

『はい。基礎アバターは御本人とスティル人を参考に作られます。』

「つまり俺の場合……、スティル星の何処かに居るデミゴッド族の設定と俺の姿をドッキングしたと……。」

『お答え出来ません。』

「あー……、これもヒトリゴトだよ。……『デミゴッドがスティル星の何処かに居るかどうか』は答えられないって事ね。」

 答え方から大体推測出来るが、それを問い詰め様とは思えないし、思わない。それよりもアバター作成である。

 次郎は改めてアバターを良く見た。「もし次郎が白色人種ならば、こんな感じじゃないだろうか」、と言う様なアバターだった。

「髪も目も黒なのが違和感……、まあ、どっちもある程度自由に変えられるからかも知れないけど……。」

 今、発見されているスティル人は青髪や緑髪もあるし、金目もオッドアイもあるのは、先程ざっと見せられたアバターで分かっている。只、鮮やかな色合いではあるが、多分、基盤には金髪や銀髪に類する色が、青目に属する色があって、それに混ざっているのではないかと思わせる色になっていた。また、地球の西洋人イメージまんまな金髪碧眼も茶髪や栗毛に茶目もあった。だからか黒髪・黒目の西洋人はハーフ的なイメージが先行していた。

「…………それにしても、西洋人イメージのアバターが来るって事はデミゴッドは西洋人の姿に近いって事か。だとすると実は今、発見されてる人種に混じって隠れてる……、とかあるかな?」

『お答え出来ません。』

「ああ、ごめん。単なるヒトリゴトだよ。」

 疑問形が強かったからだろうか、トランス5万1270号が律儀に答える。これに関しては事実がどうだろうと、「答えられない」としか言えないだろう。次郎は余り気に留めず、適当に髪色と目の色を変えて見る。

「金、銀、青、赤………、うーん、しっくり来ない。」

 大元が自分にそっくりな為、どうしても違和感が否めない自身に気付く。そんな次郎にトランス5万1270号は声を掛けた。

『顔も体型もお変えになる事が出来ますよ? あ、著作権や肖像権に関わる様なアバターは作れませんが……。』

 付け足したのは、そう言った選択を取るプレイヤーが居るかもしれないと予測を立てていたからだろう。確かに有名人そっくりなアバターを作る等、トラブルの予感はあれど、余り良い予感はしない。

「あ、そうなの。」

 だがアバターを顔型に始まり、顔のパーツから、身長・体重の変化させるのは何と言うか……、

「これは恥ずかしいっ!! 恥ずかしいぞ、恥ずかし過ぎるぞ、コレッ!!!」

 「理想の自分? いいえ、これがホントのワ・タ・シよ♡」的なイタイ妄想に取り憑かれてしまう次郎。結果……。


 「………ラ、ランダムで。」


 ーーこれだけ引っ張といてコレかよっ!!!!!!


 と、何処からか聞こえて来そうな文句はともかくも、次郎はランダムを選択した。『出来ません』と言われるなら、初期アバターで行っても良かった。しかし出来るかどうか分からないランダムを選択したのは……。まあ、その時点で変身願望は否定出来まい、と言う事だろう。そしてトランス5万1270号の返事は。


 『畏まりました。』 

 

 幸い問題は無いらしく、あっさりと了承される。目の前のアバターがブレて歪んで、再修復される。そうして現れ直したアバターは既に先程までの「次郎・西洋人ver」とは全く違う。

「中学生??」

 まずは外見年齢。明らかに幼い。14才くらいだろうか。

『アバターは自由な年齢設定も可能ですから。ランダムと仰られたので、そちらもシャッフルされました。尚、年齢設定は10才です。』

「デカっ!! 10才って考えたらデカいっ!!!」

 基盤が西洋人モデルの身体だからだろう。日本人が想定するよりずっと幼い年齢だった。

『此方で問題ありませんか?』

「……あ、うん、ちょっと待って。」

 驚いていたが、トランス5万1270号にそう尋ねられ、次郎は改めて良くランダム作成されたアバターを見てみる。髪色は銀。長髪と短髪の間の様な長さ。目は赤。いや、光の加減によっては橙にも見えるかも知れない。

「見た事は無いけど、アルビノってこんな感じかな?」

『アルビノの説明をご所望でしょうか?』

「あ、いや、アルビノに付いて詳しく知りたい訳じゃないから……。」

 またもや疑問符が強く出た様で、トランス5万1270号の親切に、次郎は軽く手を横に振って断る。引き続き、アバター確認を行う。

 アバターは10才と言う設定だからか(次郎からすれば14才くらいに見えるが)、筋肉は感じられない。身長・体重設定までは確かめていないが、見た目の体格はスマートである。後、顔立ちも悪くない。昔の洋画で主役を張っていた外国人の子役を思い出す。

「マコ……、何だったっけ……。……まあ、いいか……。」

 思い出せない名前の俳優……、しかし今は関係ないかと思考を打ち切る。

 ……取り敢えずランダム作成したのは自分でのアバター作成が恥ずかしく感じただけあって、一々注文したり、ランダムを繰り返したりするつもりはない。尚、「ブッサ○クだったらどうするのですか?」等と尋ねる人間が彼の周囲に出現する予定は無い。次郎に有るのは、可能な範囲で人付き合いを避け、ボッチを満喫する予定である。

「うん……、問題無いよ、それでお願いする。」

 と言う訳で、きちんとアバターを確認した後の返事は、予め「諾」、で決まっていた、と記させて頂こう……。


 さて。アバターが決定したならば、次はステータスである。

お読み頂き、ありがとうございます。大感謝です!

評価、ブグマ、嬉しく思います。重ね重ねありがとうございます。


アバターのイメージはホーム・アロ○ンの主演の身長を伸ばし、髪色と目の色を変えた感じです。……と言っても当時のマコーレ・カル○ン氏の身長も体重も知りません。あくまでも雰囲気です。

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